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「性の悩み相談」に電話したら「妊娠とかで真剣に悩んでいる人が沢山いるので、そんなどうでも良い相談しないでください」と言われた話

僕はトランスジェンダーです。生まれたときの性別と心の性別が違っています。男の子として生まれましたが、心の性別(性自認)は女性でした。友達にも母にもカミングアウトをした大学生の夏休み、新聞に載っていた「青少年性の悩み電話相談」に電話しました。

真剣に悩んでいたので、今までの経緯や心の状態などを恥ずかしかったけど電話で伝えました。そして回答を待ちました。回答は次の通りでした。

「女の格好で過ごしたいのならそうすればいいじゃないですか。妊娠とかで真剣に悩んでいる人が沢山いるので、そんなどうでも良い相談しないでください。」

当時は性同一性障害という言葉もない暗黒の時代だったとはいえ、本当に地獄に突き落とされたような気持でした。僕が13歳のときから悩んでいた問題は何だったんだろう…。これはどうでも良い問題なのだろうか?

また、大学の同級生からこう言われたこともあります。僕がスカートをはいて学校に行った時のことです。「自由自由とはいっても、人を殺す自由はないんだよ。」

僕がスカートをはくことは、人を殺すことと同じなのだろうか?

また、私は女性として生きていくうえで、女性差別を解消したいと思って、女性問題のサークルでも活動していました。そのサークルリーダーの女性からは「あなたみたいな人がいると、サークル自体が変なサークルだと思われるんだよね」とも言われました。

でも、母も含め、理解してくれる友達もすごく多かったです。

「男とか女とか関係ないし、自分の好きな格好をすればいいんだよ」とか「似合ってるから全然OK」とか「かわいいは正義だよ」とか「今度またスカート履いてきてね。私が許す」と言ってくれる大学の女子、「今度スカート履いてきてね。鮎川さんのスカート姿好きだから」と言ってくれる男の子、私を守ってくれる色んな大学の友達の言葉が本当に支えになりました。~続く~

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