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物語のタイトルロゴが決まるまで、一年を要した

タイトルは「Eschatologia -エスキャトロギヤ-」

 おそらくあと一ヶ月くらいで、自主制作小説の自力コミカライズという、ハイカロリーな制作物を公開していく。タイトルはエスキャトロギヤだ。終末論的世界(Eschatology)の話だからエスキャトロギヤ。

 Eschatologiaのカタカナ読みはいくつか候補があった。

  • エスカトロジア

  • エスカトロギア

  • エスキャトロギア

  • エスキャトロギヤ

 あまり聞いたことのない響きがほしかったし、ラテン語とか古代中東の雰囲気を出したかったので、「ーー」にするべきところをヒゼキヤとかエリヤとかの語感から着想を得て「ーーヤ」にするなど、クセを強めにした。

ChatGPTにタイトリングの自信をもらう

 横だけど、ChatGPT 4oにタイトルを考えてもらうのではなく、考えたタイトルの印象を聞く、という使い方ができる。タイトルを捻り出す楽しみは自分で味わうとして、客観的に見てどうか? という判断基準になる。造語もちゃんと加味してくれる。タイトルがテーマをしっかり表している自信を得た。

"Eschatologia"というタイトルから受ける印象は以下の通りです:

1. 宗教的・哲学的なテーマ
"Eschatologia"は「終末論」を意味するため、宗教や哲学に関連した深遠なテーマを扱っている印象を受けます。終末や世界の終わりに関する探求や考察が含まれていると感じられます。

ー中略ー

4. 未来や運命に対する考察
終末論に関連するタイトルなので、未来や運命、人類の行く末に対する考察が含まれている可能性が高いと感じられます。終末に向かう過程や、その中での人間のあり方を描く物語かもしれません。

総じて、「Eschatologia」というタイトルは、宗教的・哲学的なテーマを扱った壮大で深遠な物語を予感させるものであり、読者の知的好奇心を刺激するような印象を与えます。

ChatGPT 4oに自作小説タイトルの印象を聞いてみた

初めはセリフ体(明朝体)一択だろうと思っていた

 物語の発表方法は長い時間検討を重ねた。というか単純になかなか決めきれなかった。ネット上で発表するにしても、同人誌として自費出版するにしても、全てを自分でやる限りはタイトルデザインが必要だ。ファンタジー小説だし、ChatGPTも察してくれたとおり、振り切ってポップな雰囲気でもなさそうだし、ごく自然な流れで王道の明朝体で組むことになるだろうなとイメージしていた。

 例えば、あの有名ゲームのタイトルロゴのように……。

FINAL FANTASY風の書体はフリーフォントとして配布されている

 うーん。悪くない、悪くない、悪くないけど……なんかモヤモヤする。
 小説作品だったら尚更、文学的な香りのある明朝体で間違いないはずだけど、表したいことが表しきれていない気が……。とはいえ文字媒体なので、あまり深く考えないでいいや。と思っていたら、簡単に一年経ってしまった。

ビジュアルデザインをどういう方向性で売りたいか? が先に見えた

 自力コミカライズを考え始めて、友達に絵をみてもらったところから、矢継ぎ早にビジュアルデザインの方向性が固まり始めた。以下の記事にまとめている。

 グッズに落とし込んだとしたら、いかにもなファンタジー要素が強めより、ポップ・ロックみたいな音楽カルチャー色を滲ませた方が、見る人の心が動くのかもしれない。

 なんとなく思い描いていたところから、若干デザインを「強め」「硬め」にすることを意識し始めたところで、リサーチ中に目に飛び込んできた画像があった。ドラゴンボールの扉ページタイトルデザインである。

まぶしい

 懐かしい。意識してなかったけどタイトルがサンセリフ体をベースにしている。レトロ感あるデザインも、一周回って今っぽく再構築できそうだ。
 こんどこそ、納得のいくタイトルロゴが作れるだろうか。

できた。


サンセリフ体を採用したロゴデザイン

 イメージが固まると早い。1日でロゴデザインができた。
 ベースの書体は『Dazzle Unicase Bold』で、Aはドラゴンボールの書体をオマージュして傾けた。それだけだとただの模倣になるので、Gをアクセントにするために『MuseoModerno Bold』を差し込み、I(アイ)の文字がただの棒状だったけど、上下に横棒を足してスラブセリフ体にしている。

副産物でカラーリングも決まる

 Illustratorで作業する人にはおなじみだと思うが、アートボードの外にはデザインに使ったパーツのなれの果てたちが散乱する。

 千切っては投げ、千切っては投げしたパーツが重なり合って、独特な配色が出来上がっていた。

明るい緑色と、黄土色の組み合わせが気になる

 ほう。工事現場とか重機に使われてそうな色味を使うと、機械が重要な位置を占めるファンタジーだということが表現できるかもしれない……ただ、マーケティング的には女性への比重が強いので、中間色よりピンク系を使いたい。自分の中では王道だと思っているので、王道感のある赤色も使いたい。

できた。

あらやだ、元気

 ここからいろんな加工を施していくのもいいけど、もっとビジュアルデザインが固まってからでも遅くないだろう。というよりMPが尽きた。

ファンタジー x SF物語を両立するデザインができた

 ファンタジーだし明朝体でいいはずだ。とぼんやり考えていたところから、ちゃんと時間をとってビジュアルデザインと向き合ったことで、納得のいくタイトルロゴデザインをすることができた。物語を成立させるだけで精一杯だった段階では、とてもロゴデザインに集中することはできなかった。

 後付けではあるけれど、ロゴデザインが固まったことで、これから描いていく漫画に落とし込むムードも方向づけできた。純粋なファンタジーに工業的……インダストリアルな雰囲気をどんなふうに盛り込んでいくかみたいな。

 コスパ・タイパの時代、受け入れられるかどうかもわからない作品に、一年以上の時間とか能力を費やす人はほとんどいないと思う。……私が代わりに実験したいと思う。気長に見守っていただけたら幸いである。


 作品を作り続けるための全努力をマガジンにまとめています。少しでも面白いと思っていただけたら、スキ&フォローを頂けますと嬉しいです。

▼導入記事



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