本と活字と紙の狭間で　～自費出版アドバイザーの独り言～（7）

第９回Book Cafeの開催

　去る４月23日（土）・24日（日）に、コロナウイルス感染症の影響を受けて開催できなかった「Book Cafe」を、2020年以来実に２年ぶりに実施することができた。
　「Book Cafe」は同業社による協業として2017年に発足した事業である。その目的はNPO法人日本自費出版ネットワークとも重なり、自費出版書籍に陽を当てることと自費出版文化の伝達、そして事業であるゆえ〝自費出版の潜在需要の掘り起こし〟である。
　出版はしたものの、なかなか人の目に触れない本たちを抱えている著者の方たちが沢山いるのは知っている。そこで、イベント会場での自費出版書籍の展示公開をしつつ、ワークショップとして「本」を作る（特にお子さんたちに表紙を描いてもらってその場でリング製本）ことの楽しさも知ってもらおうというものだ。

　特徴的なのは、どこの出版社や印刷会社で既刊したものであっても展示をするということだろう。通常は自社の発刊本しか扱わないのが常識だと思うが、どこの出版社・印刷会社で既刊したかを問わず展示書籍を公募して商業施設の特設会場でお披露目をしている。

　およそ自費出版を考えたことのない行き交う人たちが、足を止めて展示作品に手を伸ばしてくれる。
　地元でこれほど多くの想いを込めた書籍が発刊されていることを知ってもらっている。

　同会場で、一応「無料相談会」も併設しているので、こちらも多くの方が知りたいことを質問してくる。もちろん自費出版したい方は見積りを依頼してくるのだが。
　今回は会場に「著作権ってなあに？」という、以前著作権について簡単にまとめた小冊子をリニューアルして配置したところ、沢山の方たちが持ち帰ってくださった。その後「これを参考に原稿を見直して修正します」というメールもいただいた。

　この冊子を作ったきっかけもやはり自費出版の原稿をチェックした時だった。（以降次回へ続く）