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節分の鬼
我が家の息子達も大きくなったので、さすがに鬼が登場して豆まきすることもありませんが、恵方巻は無言で頂きましたw 無言で食べた後、毎年思い出しますが、恵方巻を無言で食べるなんて、小学校の高学年ぐらいからいきなりし始めたような記憶があります。
私は、幼いころから怖がりがったので、視覚的に受け付けないものがたくさんありました。「鬼」はもちろん、「獅子舞」「おばけ」はとんでもなくダメで、通っていた保育所に獅子舞が来た日にはカーテンの後ろから出ていきませんでした。珍しいと言われるのは、「タコ」や「イカ」などもダメで、絵として載っているページも触れずにとても困った記憶があります。
もちろん、今は大丈夫です。でも、私の思考がゆっくりなタイプなので、とっさに出てきてビックリすることがどうしても苦手なのは、今も同じです。
私の母は「そんなことしたら鬼がくるで!」などと、いわゆる脅しのようなことは言わない人だったので、日常的に慣れていないのもあったのかもしれません。ということもあり、私は基本的に「自分がされて嫌なことはしない」考えなので、息子達にも「そんなことしたら鬼が来るで!!」とは言ったことがありません。
でも、息子たちが通っていた保育所の節分行事は、親の私たちも楽しみでした。恒例行事の節分の日、当日保育所へ来る鬼は、ただのだまし程度の鬼ではなく、本物の鬼か⁉といういで立ちと振る舞い。そして、その節分の数日前から先生達からのフラグが立てられます。
「今年の鬼は、人間を狙うらしい」
クラスごとの集まりの時間に、先生からそう言われます。子ども達の顔はこわばり、まだ来てもない鬼を想像して涙を流す子も。
ここで終わったら、脅しのようにもなりますが、遊び心満載の先生は続けてこういいます。
「人間であることを隠せばいい。なので、猫になりましょう」
ちゃんと、対策を提案してくれるわけです。鬼に襲われたくない子ども達は、先生からの話を必死に聞きます。どうやったら猫に化けれるのか。小さい子たちが一生懸命に頭を使って考えます。ここで仲間同士の団結が生まれますw
節分当日、すんごい怖い鬼が保育所に来ることがわかっているのに、ドキドキしながら、でもみんなで考えた対策があるから大丈夫だ!という気持ちも抱きながら、保育所へ登園。
家から持ってきたフェイスタオルを頭からかぶり、鼻の頭を赤く塗り、黒いペンでひげを描きます。
どう見ても人間なのですが、みんなは猫になりきっているw
そうしているうちに、園庭の窓が「どんどんどん!!!!!!!」と鳴り、そちらを向くとものすごい形相の鬼(ほんとにクオリティ高すぎの鬼)が居て、どうしたことかいつもしまっているはずの鍵が開いていて、なんなく部屋に入ってくる。
「人間はどこだーーーーーー」と鬼は子ども達を見渡す。
固まっている子、前にいる子を押し出して隠れようとする子、ささっとピアノの裏に逃げる子、鬼の顔を見ずにうずくまってる子、目をそらすタイミングを失ってガン見せざるおえない子などいろいろ。
そうしているうちに、ここには人間がいないと思った鬼は、隣の部屋へ移動していった。子ども達はほっとして、一言。
「猫になってて良かった」
いや、忘れとったやろw
そんな節分の出来事を、保護者達は、担任の先生から聞いたり、保護者会の役員会で園長先生から聞いたりするんです。我が家には息子が二人いるので、二人分のエピソードがあって、年齢ごとに配慮された内容に感心したりして、まるで絵本の中の世界観を実体験したような出来事で、本気になって子ども達と関わってくれる先生方に感謝しました。
息子達は、今でも、保育所の行事は覚えていて、長男と次男が保育所での出来事を話し出すと止まらないくらい盛り上がります。また、先日成人式を迎えた長男は、保育所からの幼馴染と会えるのを楽しみにしていたり、保育所での担任の先生との思い出話も、節分のような行事の季節が来るたびに話題に出ます。
そうそう、長男が年長さんの時に、節分の次の日に担任の先生からみんなに「鬼が角を忘れて帰っとるんやけどどうしよう!」と言われ、忘れていった鬼の角を見たり触ったりして、鬼に無事に返す方法をみんなで考えたそうです(笑)
私が素敵だなと思うのは、先生と子ども達の関係性。先生が子ども達同士の関わりを大切にしながら、時々先生が介入しサポートする距離感。そして、子ども達とどう楽しく面白く過ごそうかとする気持ちと行動です。
先生の心の余裕があるからこその発想に、何度も救われたことがあります。
本気で子どもと関わること。大切ですね。
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