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【イギリス旅3日目】マンチェスター・シティのサポーターはやっぱヤバかった

3日目。1日目から泊まってた日本でいう東横イン的なホテルが異常な値上がりを見せていた(1泊8000円→1泊2万円ぐらい)のでホテルを変えることに。しかし今朝は異常などしゃ降り。ロンドンの雨は日本のじめっとした雨ではなく、なぜか傘をささなくても大丈夫な嫌な気がしない雨なのだが、この日の朝は台風並みの暴風雨。ホテル移動だけで朝から心を折られる。しかしロンドナー(ロンドンの人の意)は例え暴風雨でも傘をささない。流石だった。僕も勇気づけられた。台風中継のキャスターごとくノースフェイスの雨ガッパをフードまで被り、死体のようにスーツケースを引きずりロンドンの街を移動した。

この日はマンチェスターでマンチェスター・シティのリーグ戦を後輩と見ることに決めていた。試合開始は夕方。僕は暴風雨+ホテルを見つけることに苦戦して午前中を潰してしまったので、後輩は先にマンチェスターに向かってもらうことにした。

ロンドンが東京だとすると、マンチェスターは大阪みたいな位置付けかと勝手に思った。よくイギリス第二の都市と言われる。そして特急電車でロンドンから大体2時間ぐらいなのも大阪っぽい。有名なサッカークラブとしては言わずもがなのマンチェスター・ユナイテッド、そしてマンチェスター・シティがある。

今回なぜシティの試合を選んだかといえば、日程的に合うのがシティ戦だったというのが一番だ。そして付け加えるとすれば、シティサポーターはヤバいという印象があったのでそれを見たかった。Oasisのギャラガー兄弟のせいかもしれないが、シティサポは浦和レッズ的な柄の悪さがある印象だったのでぜひそれを味わいたかった。

行きの列車はつらかった。というのは、なぜか僕の席だけ窓がなくただの白い壁だったのでせっかくの外の景色が見れない。そして隣が僕(181cm、90kg)よりも幅のある白人女性だったことで、両隣からの圧迫感がすごかったためだ。そしてなぜか彼女は彼氏らしき人物と離れた席をとっており、その彼氏らしき人物が約10分おきに彼女のもとにやってきてはちょっとイチャつき帰っていく謎の儀式が執り行われた。彼女側は全然うれしそうではなく「だりぃ」みたいな表情でずっとスマホをいじり、たまにこちらを見て首を振り「ごめんなさい」という表情で首を振る始末。いや知らんよ。

そんなつらい2時間を狸寝入りなどで乗り切り、試合が始まって10分後ぐらいにスタジアムに着いた。

スタジアムは見るからに満席で、指定席だったもののサポーターの熱がすごすぎて割って入れないような雰囲気だった。客席の後ろの方で物怖じしてると多分バイトの10代ぐらいのめちゃくちゃ可愛い姉ちゃんが「なにしてるの?あなたの席はどこ?」と話しかけてきたのでチケットを見せると「ああ、あそこね。いってらっしゃい」と言われ若干興奮した。

僕の席にはなぜか知らないおじさんが座っており、その近くにいた後輩に聞いてみるとどうやらスタジアムの席は大体合ってればいいらしい。そして後輩の近くの空いてる席に座った。

あまりの近さに感動した。これがプレミアリーグの、サッカーの本場の近さなのかと。荒川の河川敷で少年サッカーを見てるような近さ。

そしてやはりサポーターはヤバかった。相手がボールを持つとすぐさまブーイング。しかしその熱度が日本とは違う。見てわかる通り、どこにアウェイサポがいるのかっていうぐらいほぼ100%シティサポで埋め尽くされており、もうこれイジメだろっていうぐらい、相手を不憫だと思うほど徹底的にシティサポは相手に容赦なかった。

自分も10年ちょっとサッカーをしてたが、この舞台に出ろと言われたらホームアウェイ関係なく間違いなく怖くて震えると思う。海外組の日本代表選手とかこれまで正直関係ないと思ってたが、海外でプレーしてるだけで価値があるなと思わされた。

ハーフタイムになるとみんな一斉にトイレ、食事、ビールに向かう。食事といっても売店のサンドイッチとかで、すぐ売り切れる。みんなほとんどビールを飲んでいる。そしてビールは観客席には持ち込めないので、みなハーフタイムにビールを一斉に胃に入れる。

それにしても男ばかりだ。97%は男だと思う。Jリーグの○○女子みたいな緩さなど微塵もない。爺さんも多い。昔から応援してるであろう爺さんが多い。爺さんたちはあまり戦況に一喜一憂せず、淡々と見つめている人が多かった。

僕が着いた時、シティは圧倒的な格下相手に先制点を奪われていた面白い展開だったのだが、後半になると逆転した。おそらく逆転弾はアグエロが決めたのだが、その時のスタジアムの興奮は凄まじかった。

動画でしか撮ってなかったのだが、基本的に点が決まりそうになるとみんなこのように立ち上がる。座っている人は誰一人いない。でも点が決まらなかったらすぐに座る律儀さが意外にあった。

逆転弾が決まった時はそれまで静かに戦況を見つめていたオジキもさすがに興奮して何かを叫んでいた。白髪の少年が叫んでいるようだった。僕も一緒に興奮していたので何をしていたか正直覚えていない。ただオジキと目が合ってハイタッチでもしようかと思ったが、無粋だと思ってやめたのは覚えてる。

試合はシティが2-1の逆転勝ちという最高の展開で終わった。試合終わりにはマンチェスター出身でシティのビッグファンでもあるOasisの「Wonderwall」がスタジアムに流れた。

こういうクラブグッズのニットを被っている爺さんがめちゃくちゃいるクラブだった。すごい。でも帰りはめちゃくちゃ速いのが印象的だった。彼らにとってサッカー観戦は生活なんだなと思った。

チケット代がたしか3000円か4000円ぐらいだったのもすごいと思った。世界最高峰のサッカーがこの値段で見れるというのはさすがフットボールの国。やはり生活の一部なんだなと思わされた。

ありがとうシティ。また来たいと思わされるスタジアムだった。

帰りはタクシーでマンチェスター駅まで行った。駅周辺ではいたるところに薄着のティーンの集団がいた。長袖長ズボンのガチガチの防寒体制でも震えている我々を尻目に、彼ら彼女らはほぼ水着のような格好でデカいクラブに行列を作っていた。ヤバイ。マンチェスターはやっぱヤバイ。

帰りの電車、僕は一人ユダヤ人の集団に取り囲まれた。あの帽子と黒い服を来た一族、15人ぐらいの集団になぜか僕のところのみが取り囲まれた。彼らはとにかくめちゃくちゃ喋った。老若男女問わず一人残らず喋ってた。電車の通路にも家のソファのように座って喋ってた。2時間ひっきりなしに喋ってた。ロンドン−マンチェスター間の電車は行きと帰りもつらかった。

朝に心を折られながらも変えたホテルはやはり不正解だった。

なんでロンドンまで来てインドのタージマハルを見ないといけないのか。

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