第十二話 中学生
転校してから二年半、私は中学生になった。私の通っていた中学校は一学年約400人で全校生徒で1200人以上いる、県内でも人数の多い学校だった。
「てっちゃん、何組だった?俺は5組だったよ」(てっちゃんとは小学生時代のT君である) 昇降口に張り出されたクラス表を見ながら聞いた。
「俺は3組だった。みんなバラバラになっちゃったな・・・」
仲が良かったメンツはほとんどが違うクラスになっていた。だが、そんなことは心配する必要もなく、すぐに新しい友達が出来るんだろうなと感じていた。
中学生になると、急に縦社会に放り込まれたような感覚になる。小学生の頃は、あまり学年は関係なく遊んだり、○○君、△△ちゃん、とお互いに呼び合っていたのが、急に、○○さん、△△先輩、となり、一学年の差がとてつもなく大きくなるのだ。生まれたのが数か月違うだけで、ご主人様と奴隷のような関係性になる場合もよくある。
入学して数日で気の合う友達が数人できた。決して不良になりたいと思っていたわけではないけれど、私の仲良くなったさんちゃんも、てっちゃんたちの仲良くなった奴らも、まあ、類は~~という事だろう。全員が集まれば30人くらいの友達の輪が出来上がっていた。
普段はてっちゃんの家か、しまっさんの家か、私の家でたまっていることが多かった。厳しい家庭、塾のある奴、入学してすぐに部活に入った奴、等それぞれの都合があるから、毎日遊ぶ時の人数は7~8人くらいだった。
「さんちゃん、部活どうすんの?」
「しまっさんは?テニスだっけ?」
「やまちゃんは部活やんないんだろ?」
「てっちゃんはどうすんの?」
「ターボーは?」(ターボーとは私の事です)
そんな話題になった。私は全く考えてもいなかったし、特に好きなスポーツないし、やりたい事もなかった。
「てっちゃんと同じのでいいよ。何でもいいから決まったら教えて」
そう答えた。本当に何でもよかったし、つまらなければ辞めればいいと思っていたからだ。
「2こ上の中野さんに柔道部入れって言われてんだけど……」
「OK!!明日見に行ってみようよ」
次回はわたしの部活動についての話をしたいと思います。
スキやコメントを頂けると毎日更新の励みになります。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。
次回に続く
よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは、noteの有料記事の購入やクリエイタとしての活動費などに使わせていただきます