見出し画像

第五話 転校

転校初日、期待と不安を抱えながら祖母と学校に向かった。職員室で担任になる先生から学校の説明等を受け教室に向かった。

まず最初に驚いたのは、田舎の学校は1学年2クラスしかなかったのに、今度の学校は倍以上の5クラスもあるという事だった。

教室に入り転校生お決まりの自己紹介。休み時間などは何人か話しかけてくれる子もいたが、なんというか説明するのはとても難しいちょっとした居心地の悪さを感じていた。

今考えると子供のころからうつ病になる要素を持っていたのかもしれない。

家に帰ると祖母が心配そうに「どうだった?大丈夫?」と何度も聞いてくるので、多少面倒だったが「大丈夫だよ」と答えると、祖母は少しホッとした表情を見せた。

それから数日してもどうにもなじめない。前の学校ではあんなにたくさんの友達がいたのにどうしてだろう?自分では気付かないうちに嫌な態度をとってしまっているのか?何か自分に原因があるのではないかと子供なりにどうすればなじめるかを一生懸命考えた。

考えれば考えるほど実家に帰りたくなり、学校が全く面白いと思えなくなり、週1日、週2日、週3日と段々と休みの日数が増えていった。祖母はかなり心配していて、いじめがあるんじゃないかとか、勉強についていけていないのが不安なんじゃないかとか、全く見当違いの事ばかり言っていた。

本当に何も理由はなかった。ただ前の学校に戻りたいだけだった。しかし、それが無理な事くらい小学生でもわかることだった。そしてそのまま不登校になり5年生に進級する春を迎えた。

今回は環境に適応できず、不登校になる過程を書きました。

スキやコメントを頂けると毎日更新の励みになります。

次回もよろしくお願い致します。

次回に続く

よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは、noteの有料記事の購入やクリエイタとしての活動費などに使わせていただきます