うつ病患者とOD
うつ病との付き合いはもう13年になる。途中寛解して普通に仕事をしていた時期もあったが、やはり長くは続かなかった。私の鬱の症状は今までも何度か書いたが、一番厄介なのはやはり希死念慮である。生きていたくないという気持ちが強くなってしまい、それを落ち着かせるのがなかなか大変なのだ。私にはOD(薬の過剰摂取)癖がある。気分が落ちすぎているときや、希死念慮が強くなりすぎると、いけないと思いつつもODしてしまうのだ。
私の別のマガジンで私の半生を自伝的に書いているのだが、その中にも書いてある通り私は元薬物中毒者である。ヘロイン以外の薬物はほとんどやっていた。特に大麻とコカインは中毒症状も出ていて薬物依存の状態だった。中毒症状や薬物依存については身体がよく覚えている。薬剤師や医者の先生は薬についての知識はあるのだろうが、違法薬物の中毒症状になった人は少ないであろう。薬物をやめようと思った時、私には薬物での逮捕歴はなかったので、人に知られるのが嫌で、ダルク等の薬物依存の回復をサポートしてくれる施設を利用せずに依存状態から回復した。周りのサポートが大きかったから出来たことで、一人だったら到底無理だったろうと思う。
それが今はODが癖になってしまっている。医者が処方してくれる薬だから違法ではないという思いがあるが、実際には薬に依存しているのである。希死念慮が大きくなり死にたいと思ってODするが、実際には死なない程度の量にとどめてしまう自分がいる。私には薬の知識はほとんどない。だが中毒症状だった時の経験から、身体がその薬の摂取量をなんとなくだが感じ取ることが出来る。「このくらいは大丈夫。これ以上は危ない」という判断を身体が勝手にしているのだ。『死にたいけど死にたくない』薬が効いている状態でもその思いが自分を抑えているのだろう。ODで死亡する人も確かにいるが、大半が私と同じような気持ちでいるのではないかと思う。『死にたい、生きていたくない、生きていても仕方がない、ODした、これからODする』等々SNSで発信する人もいるが(私もその一人だが)本当に死ぬのならばSNSで投稿する事は無いのだろう。本当の気持ちは生きたいと思っている。誰かに止めてほしいと思っている自分がいるのだ。
全くやっかいな癖ではあるが、何とかうまく付き合っていくしかない。薬物中毒の時には周りにサポートしてくれる人たちがいたが、今は子供と二人暮らしである。子供を一人にするわけにはいかないし、子供の前ではその様な状態も見せたくはないのだ。OD癖も治すのにはかなりの時間がかかり、苦労をするだろうと思うが、何とかそれを克服していきたいというのが今の本音である。
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