日本の在来のオトギリソウと西洋のオトギリソウは一緒なのでしょうか? 𝕳𝖎𝖑𝖉𝖊𝖌𝖆𝖗𝖙𝖊𝖓 𝕹𝖔𝖙𝖊
ヒルデガルテン®︎では、聖ヒルデガルトの提示した薬草のみならず、色々な植物を植えています。
ヒルデガルテン®︎では、セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)のみならず、日本の在来種であるオトギリソウも育てています。
どのように違うかを育て、研究することも薬草学の面白さだと感じています。
日本の在来種も育てて、昔から日本でおばあちゃんの知恵として伝え言われている薬草の使い方もいずれは行いたいと思います。
写真をご覧いただけたらと思うのですが、セイヨウオトギリソウと違い、日本の在来種であるオトギリソウは葉が大きく色が濃い気がします。
ちょうど花が咲き終え、種になったので採取してみました。
混同されやすい素材として、日本のオトギリソウ=ショウレンギョウ=小連翹( Hypericum erectum )、セイヨウオトギリソウ=セントジョーンズワート( Hypericum perforatum )は、それぞれオトギリソウ科の1種を指しており、別物の植物です。
日本のオトギリソウと同様に、セイヨウオトギリソウも、切り傷ややけど、神経痛などに使用されていますが、日本のオトギリソウとは異なる植物です。
日本のオトギリソウとセイヨウオトギリソウが混同されやすい背景として含有成分の類似が挙げられます。両者はともに【キサントフィル】、【タンニン】、【フラボノイド類】を含んでいます。
これらの成分から止血、鎮痛、抗ウイルス、抗腫瘍の効果があることが明らかになっています。
そして薬との相互作用が論文で示されているのは,有名なセイヨウオトギリソウ=セントジョーンズワート( Hypericum perforatum)であり、オトギリソウ=ショウレンギョウ=小連翹( Hypericum erectum )に薬との飲み合わせが悪いという報告は無いようです。(論文を探したのですが見当たらず)
日本のオトギリソウ
日本のオトギリソウでは、晩夏から初秋にかけて、果実が成熟する頃に全草を採取し、日干しにしたものを生薬で「小連翹(ショウレンギョウ)」といいます。煎じ液は止血、月経不順、鎮痛の目的で服用され、リウマチ、神経痛、痛風には浴剤として鎮痛効果があるようです。また、薬酒でリウマチ、神経痛の予防に、煎汁を扁桃腺炎のうがい薬として用いるなど、多くの用途が知られています。虫刺され、切り傷や打撲傷には生の葉を絞って塗布すると効果があると言われていますが、皮膚炎を起こすことがあり、注意が必要です。
秋田県のある地域では、オトギリソウを採取するのは土用の丑の日が良いとされ、断崖絶壁のような厳しい地形、厳しい自然環境の中で咲くオトギリソウが最も良く効くとも言われています。
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月経不順や鎮痛剤として用いる場合には、オトギリソウ(小連翹)を刻み、1回量2~4グラムに、水0.3リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、服用します。
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▼弟切草酒の作り方
外傷や炎症患部への湿布はもちろんのこと、特に虫刺されに対して効果が高いことから、今でも多くの家庭で作られています
「弟切草酒」は、オトギリソウの花から根まで(全草)を使い作ります。
採取したオトギリソウを丁寧に洗い天日でしっかりと乾燥させます。
乾燥させたオトギリソウ約200グラムを、1.8リットルの焼酎(35度のホワイトリカーなど)に漬け込み、3ヶ月以上冷暗所で寝かせて完成です。
液体が次第に琥珀色に変化し、ほんのりと甘い香りになっていきます。
セイヨウオトギリソウ
セイヨウオトギリソウは、現在において最も重要な薬用植物の一つですが、それ以前にも重要な役割を果たしていました。セイヨウオトギリソウは、中世後期から今日まで、傷の治療において重要な植物の一つと考えられています。また、痛風やリウマチの痛み、生理痛などにも使われていました。
ここも日本のオトギリソウと一緒ですね。
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修道院医学の柱となる聖人として名声を得ているヒルデガルト・フォン・ビンゲンは、このセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)のハーブの名前すら挙げておらず、「寒さに強い植物で、牛の飼料になる」という一般的な話をしているだけで、おそらく彼女が念頭に置いていたのは、別のオトギリソウ属であったのではと推測しています。
ヒルデガルト・フォン・ビンゲンも、ドイツの最初の植物学者レオンハルト・フックスLeonhart Fuchs(1543年)も、アダム・ロニチェルLonitzerも、オトギリソウ科によるセントジョーンズワートHypericum perforatumを意味しておらず、多くのHypericum種のうちの別のものを意味しているようです。
このように、アダム・ロニチェルLonitzerの場合は「セイヨウオトギリソウ、硬い干し草、クンラート」を区別し、セイヨウオトギリソウとオトギリソウを同一視しています。
自然界に存在するすべてのものが人間や家畜にとって恵みのものではないですし、作用も様々です。
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日進月歩で医療や科学の世界も変化し、中世では未知だったこともエビデンスとして出てきています。新旧ともに新しい情報を得て伝えていく大切さも植物療法士にとって最大の仕事と言えるでしょう。
このように、医療や科学の日進月歩により、日々、植物療法も変化しています。聖ヒルデガルトの薬草園を作り、フィジカの内容を学びながらも、現在の植物療法と照らし合わせて学ぶ講座も開設していっています。
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