帰省の記憶は春色ブレンド− 2023年 写真月記 3月 後編 −
飛行機でたった1時間半。新幹線なら4時間。
冬と春の混ざり合う「あわい」な春を過ごした北海道から、ぴょんとワープしたくらいの関東。
そこはくっきりはっきりとした、紛れもない「春」の世界でした。
北海道より1ヶ月くらい季節が進んだ景色は「春爛漫」。
3月下旬
新幹線で帰省する割合が多い我が家。
朝早く北海道を出発すればお昼前には東京駅に到着。4時間というと長く感じるかもしれませんが、外の景色を眺めたり、滞在中何をしようかと考えているうちにいつもあっという間に着くので長く感じない。
飛行機は結構余裕を持って空港に着いていないと不安だけれど、新幹線は駅に到着してパッっと乗車すれば良いので楽ちんなんですよね。
初日は両親と待ち合わせをして鎌倉に一泊。
先に到着した両親には鎌倉散策を楽しんでいて欲しかったのですが、冷たい春雨が降ってしまい…。
私たちはショッピングモールでウィンドーショッピング。
両親はというと、心配をよそに「そんなに降ってないから、少し散策してるよー!お蕎麦を食べてからスタバでお茶してた。」と母からの連絡。私たちよりもお天気に気分が左右されないようで良かった。
翌朝には雨が上がっていたので、朝食前に若宮大路の桜を眺めながら歩い鶴岡八幡宮まで歩きました。
若かりし頃から私のパワースポットでもある鶴岡八幡宮も帰省で訪れるのは久しぶり。
桜を楽しむ雪の下エリアのお気に入りのコースをぐるっとして宿に戻り、朝食は決めていたカフェへ両親と。
カフェのオープンは8:30。朝早くオープンするにしても、普段7:00には朝食をとるのでオープンを待つとお腹はぺこぺこ。宿からすぐのカフェですが、張り切りすぎて10分前に到着してしまい、かっこいいお店の前でいい年をした4人でうろうろしているのがちょっと恥ずかしかったな。笑
3人を席に残し、私は店員さんとお喋り。
珈琲の説明をとっても丁寧にしてくださった上に、写真も沢山撮らせていただきました。珈琲は飲むのも好きなのですが、作業されている姿を見るのも大好きなんです。
お話が弾んで楽しくしていたのに、席に戻ったら父に「店員さんに迷惑だよ」と。まぁ、こういう雰囲気って父(世代)には分からないのかな。 笑
その後は両親は帰宅し、この日横浜に一泊する予定の私たちは由比ヶ浜通りを歩いて長谷方面へ。小路を抜けた海の景色とお気に入りの雑貨屋さんを訪ねました。これは私たち夫婦の鎌倉定番コース。
もう少しゆっくりと鎌倉を歩きたかったのですが、午後から雨の予報だったのでちょっと急ぎ足。
お昼過ぎ、横浜に着くとまだ青空が見えていたので、山手方面へ。
この日もう1軒カフェに入りたいと思い探したのは洋館の中にあるカフェ。大きな窓からは元町公園の緑が一面に。外の景色が見えること、カフェ選びでポイントにしていたりします。
つやつやとした桃のタルトの美しさにときめき、繊細ながら重厚感を感じるお皿の柄もまた素敵で、大正ロマンに浸るひととき。
この日、夕方降り出した雨は翌日も1日止まず。
少し早めに実家に向かい、近所の川の土手沿いの桜並木を夫と傘をさして歩きました。もうだいぶ散り際の桜。雨降りがちょっと残念でもあったけれど、薄いグレーの空にしっとりとした淡いピンクが綺麗だったな。
翌日夫は北海道へ帰り、さてさて私の自由行動の始まり!
ここから毎日カフェ三昧珈琲三昧です。
春雨降る中、小田急線に乗り景色は田園から山へ。
昨年の春に初めて訪ねたネルドリップの珈琲屋さん。
珈琲屋さんて、かっこいい店主さんを想像しがちなのですが、こちらの店主さんは本当に本当に少女のようなふんわりとした方なんです。
それでいて、お店は自主設計施工という…
やっぱりかっこいい方!
特選珈琲 風ブレンドは桜が散るまでの限定ドリンク。
横浜のお菓子屋さんが作られた春色お菓子セットは、桜のメレンゲ、抹茶のメレンゲ、フロランタン、アーモンドボールクッキー。
肌寒い春の日。「11月の雨」さんでしとしと降る3月の雨の気配を感じながら、静かな店内でいただく珈琲とお菓子はじんわりと染み渡りました。
ようやく雨が上がった日。
帰省する度、決まって母と尋ねるのは茅ヶ崎市のカフェ。
敷地内は庭を囲んで酒蔵・ギャラリー・ベーカリー・イタリアン・和食・カフェなどがあります。
私たちはカフェの大きな窓から庭を眺めながらお隣のベーカリーで選んだパンをいただくのが好き。
群馬に住む友達と出かけたのは昭和記念公園。
昔は頻繁に行っていた昭和記念公園も、横浜に住んでからは少し遠く感じてあまり行かなくなってしまいました。
立川もここ数年で随分と様変わりしましたよね。
気になっていた「グリーンスプリングス」も、新しい施設の一つ。
その中のカフェでお喋りしながら、軽くお昼を済ませたのですが、ここだけでも楽しめそうなくらい。
今度はゆっくりお店も見たいね〜
と言いながら公園へ向かいました。二人して花が大好きなのでお互い自由過ぎるくらいに撮影をして、チューリップが沢山咲く場所へ着いた頃に雨が降り出してしまうという。。さっきまで晴れていたのに。
雨が降り出すと知っていながら、久しぶりの再会にお喋りが弾んじゃったしね。帰りは土砂降りだったけど、私の持っていった折り畳み傘に二人で入って歩いたのも良い思い出です。
帰省すると母と訪れるのは たまプラーザ。
田園都市線で通学していた学生時代。
現在のように駅前が賑やかになる前から好きな街でした。
東急S.Cは当時と変わらず。駅前には小さなお店やスーパーが並んでいたっけ。
たまプラーザテラスができてからは、のんびりとお買い物を楽しめる場所になりました。こじんまりとここだけでお買い物できるのが便利。
お昼は駅から少し坂を登ったところにある「LATTE GRAPHIC」。
以前は「ロイヤルガーデンカフェ」があった場所で、パンケーキをいただいたことがありました。
この日はカプチーノ(母はカフェラテ)と春らしいパンケーキ。とっても可愛くて美味しいパンケーキも撮影してみると難しい…。クリームとアイスとコンフィチュールとふわとろなパンケーキ生地が相まって、何を写したのか分からないような。
いま住んでいる街のカフェではほとんど見かけないラテアート。
元からカプチーノが好きなので、札幌に行った時や帰省した時に素敵なラテアートに出逢えるととっても嬉しい。
3月の締めカフェは横浜で。
この日の1軒目は1974年創業「コーヒーの大学院 ルミエール・ド・パリ」。
横浜に住んでいた頃に通っていた美容室の直ぐそば…というよりも、ここを通らずには美容室に行くことができなかった場所にあったのに、この日が初訪問。というのも、外からは店内の様子が分からない上に「大学院」という謎な店名。気になるカフェはいつも検索するのですが、検索の対象外なくらいそそられなかったのだと思います。
ですが、「名建築で昼食を」で池田イライザちゃんがカトレアのモザイクタイルの壁を背景に、おいしそうにスパゲッティミートソースを頬張る姿を観た瞬間、謎だった場所は憧れの場所へと変わりました。
帰省で会うことになっていたカフェ好きの友人と、どこのカフェに行こうかと決める際、提案してみると彼女も学生時代からずっと謎なお店だと思っていたそうで。でも2年前に1度入ってみたら雰囲気が良かったとのこと。
憧れていたカトレアの描かれたモザイクタイルとステンドグラスの席を眺めながら、珈琲とフルーツサンドを頬張りました。
珈琲もお店の空間も最高級のものをという願いを込めて、最高学府である「大学院」と創業者の方が好きな言葉「パリの光」を店名に冠したそうです。
春は、珈琲の記憶と共にその時に咲いていた花の記憶もちゃんと残る。
春の花と春の珈琲。
芳しく柔らかな香りと、心地よいまろやかな苦味。
新幹線で春真っ只中の街へタイムスリップをしたような、そんな記憶の3月半ば過ぎのこと。
読んでくださり、ありがとうございました。
のんびり緩やかに、2023年 4月の月記へと続きます。
photo : Nikon FE2 / Sony a7Ⅳ
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