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あの夏、期限が切れてしまったフィルムNATURA1600が教えてくれたこと

数年前からカメラフィルムの生産終了が続いていますね。

我が家で愛用しているナチュラクラシカを使うときに入れていたNATURA1600というフィルムも、2018年に生産終了してしまいました。

当時、オンラインショップで多めに購入をしたのですが、肝心のナチュラクラシカの調子がどうも今ひとつ…。
時々少し光漏れのような、写真に縦の線がうっすらと入ってしまうのです。
モルトの劣化なのか、どうなのか。

今では基調な超高感度、そして決して安価とは言えないフィルム、沢山あるからといって気軽には使えない。
でも期限が切れてから1年くらいのフィルム、私には写りに影響があるか分からないので、他のフィルム同様に気分で使っていけば良いかな…。

そうして、私がメインに使うのはNikonFE2なので、少しづつ減ってはいるものの期限が切れてしまいそうなこのNATURA1600たちは引き出しの中に並んだままになりました。

2019年8月という有効期限の日は過ぎ去り、経過することあっと言う間に2年近く。

さてさて。
「カメラにどのフィルムを入れようかと選ぶときも楽しい。」と言いますが、本当に真剣に悩んでしまう私にとってそれはそれは究極の選択で、少し苦しいくらいかもしれません。 笑

どれを入れてもそれぞれに特徴があって、それぞれの写りが好き。

フィルムの価格が高騰する中、そんなに迷うならここに沢山ある、しかも有効期限が切れたこのフィルムたちを使わない手はないって、分かってはいました。
なんといってもこのNATURA1600というフィルムの描写が(も)好きですし。
それなのに勿体無くて躊躇する気持ちは何なんでしょね。

歴史のありそうな、写真店の店主が譲ってくださった3本パック!

そんなことを思っていた頃、偶然にもフィルムカメラの本のページをめくっているとNATURA1600をナチュラクラシカ以外のフィルムカメラに入れて撮影した写真が目に留まる…。

沸々と湧いてくるNikonFE2に入れて撮影してみたい欲。

でもはて… 
昼間にこの高感度フィルムで撮影するのに設定はどうしたものかと、調べてみると既に沢山の方が同じように使われていました。

そうして、現像から戻ってきた写真たち。

私はinstagramに写真を投稿する際、覚えている限りカメラの機種とレンズ名とフィルムの種類をハッシュタグで載せているのですが、そういったハッシュタグに目を向けるなんて、一体何のカメラとフィルムを使っているのかと興味深々な方だけではないかと思います。

実際私も、ハッとするような写真を目にしたときはついどこかにカメラ名とフィルム名が書かれていないか探してしまいますもの。

NATURA1600をNikon FE2に入れて撮影し始めて、そう時間は経っていなかったと頃だと思うのですが、ある写真に外国の方からコメントをいただきました。
英語で書かれたコメントにしては珍しく少し長い。

和訳してみると
「素敵な写真!NATURA1600を使うときの設定を教えてもらってもよいですか? ISO1600?ISO800? このフィルムは生産終了しましたね。 本当に試してみたい!」
というような内容でした。

あぁ… この写真を観てそんな風に疑問に思うだけでなく、こうして質問してくれるだなんて。
少なくとも、こんな私が写した写真に興味を持ってくださった… 目に留めたと思っても、勘違いではないでしょうか。

フィルムの生産終了が相次ぎ、フィルムの価格や現像料金も高騰して、それを理由にやはりフィルムカメラの出番が少なくなっているのは私だけではないと思います。
だからこそ、これまで以上にフィルムを大切に、1枚1枚を大切に撮りたい。

カメラとフィルムと写真の関係性に、誰かの目が、心が触れたという事実。
寄せられた、たった一つのコメント。

そんな誰かの小さな気付きを私はいつも心の奥に求めているんだと、嬉しくなった夏の終わりのお話でした。

P.S  ここに掲載した写真は、コメントをいただいた写真ではありませんが、NikonFE2 にNATURA1600を入れて撮したお気に入りの写真たちです。

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