アンパンマンじゃなく、ジャムおじさんになりたい
「困ってる時に来て、問題解決して去って行って、細田さんはアンパンマンみたいですね」
先日、当社メンバーからこんなことを言って貰いました。「アンパンマン」ではないけれど、同様のことを言ってくれる人が他にも数名いました。
でも、「俺は本当にアンパンマンなのか?そしてアンパンマンになりたいのか?」と自分に問うた時の答えは、「ジャムおじさんになりたい」でした。
今回は「自分が本当に成りたい存在」をアンパンマンワールドで考えてみました。
(前提)ジャムおじさん概要
アンパンマンはまだしも、ジャムおじさんに着目したことが無かったので、今回を機に少し調べてみました。本編を始める前に共有します。
なお、ジャムおじさん含めキャラクター全員が「妖精」だったので、「人」という言葉が本当は使えないのですが、その縛りがあると書き辛くてしょうがないので、そこは無視してください笑
うーん、なんて素敵な人。人望があり、でもハートは熱く、何でも屋さん。
ジャムおじさんがいなければ、アンパンマンの行為は自己犠牲
たしかに、アンパンマンはめちゃかっこいい
アンパンマンを簡単に表すと、以下のような存在になります。
うーん、たしかにかっこいい。やなせ先生の「困っている人に食べ物を届ける、立場や国が変わっても決して逆転しない正義ヒーロー」という設定が徹底されています。でも、、、
ジャムおじさんがいるから、アンパンマンは全力で活躍できる
作中において、アンパンマンが「何かを食べる行為」が描写されることはほぼないそうです。それは、「アンパンマン」が食物連鎖の輪廻から独立した存在であり、あんこ自体がエネルギー源だから、とのこと。
ですが、皆さんご存じの通り、あんこをあげたら元気がなくなります。「あんこはエネルギーは作れるけど、あんこは作れない」のです。
つまり、彼が困っている・飢えている人に気前良くつぶ餡を分け与えることが出来るのは、そしてリスクを冒してもばいきんまんと戦えるのは、
という全幅の信頼があるからこそなのです(=山王工業戦の三井寿状態)。
もしジャムおじさんがいなければ、それは完全なる自己犠牲であり、継続性が一切ありません。そして、自己犠牲は受け取る側を本当の意味で幸せにすることもありません。
何故なら、「自分に顔を分け与えてくれたことによって、目の前のこの人は死ぬかもしれない」と思ったら、貰った側の大きな負債・重荷になってしまうからです(受け取りを断る人も出てくるでしょう)。
つまり、アンパンマンがフルパワーで社会に付加価値を提供できているのは、ジャムおじさんの存在と彼に対する信頼のお陰、なのです。
従業員満足あっての、顧客の満足でありステークホルダーの満足
私はブラジル・ウクライナ夫々で会社を買収し、夫々の会社のコントローラー的な仕事をしていましたが、そこで痛感したのは
ということでした。従業員がイキイキと、目を輝かせて、そして納得感を持ってその会社で働いていることが、全ての起点であると。
社員が擦り減りながら働いている会社は、一時的にそのお陰で大きな利益が出たとしても、そこに一切の継続性はありません。また、その「擦り減り」は必ず顧客や外部に伝わり、同じことをやっていても、次第に世に受け入れられなくなります。
ですので、私は最前線に出ていくのではなく「現地従業員を漲らせること」に集中していました。その結果、どちらの会社も「擦り減ることなく」最高益を計上し続けたので、大きくは間違ってなかったと思います。
今、人的資本経営という言葉がバズっておりますが、正直「そりゃそうだろ」という想いでいっぱいです。
セルソース・アンパンマン達のジャムおじさんでいたい
「セルソース・ジャムおじさん」
所属先・セルソースのメンバーは人間的に素晴らしく、真剣で前向きな人たちばかりです。どの部署を見渡しても熱量が高い、というのは本当に素敵なことだと思います。みんなアンパンマン。
しかし、どんな組織でも「全員がBestな状態」ということはありません。道に迷う人、スキルと業務のギャップでもがき苦しんでいる人、、、常にそういった人も存在します。
そういった「悩めるアンパンマン」をサポートし、またより良い企業文化、職場環境、会社制度を整備することで、出来る限りセルソース社員全員が「元気100倍!!アンパンマン!」と言えている状況を作っていきたい。
これが私の考える「セルソースのジャムおじさん」であり、私の目指す存在になります。
「ジャムおじさん」=「裏方」ではない
ここで終わってしまうと一つの大きな誤解を生みそうなので、注記します。
「ジャムおじさん」は決して「裏方」ではありません。アンパンマン号やバイクを操り、現場に出て問題解決に当たることもあります。そして、アンパンマンワールドで最も交友関係が広い存在でもあります。
私の強みには、「プレゼン力」や「発信力」があります。パン工場に引きこもるつもりは全くなく、外界には積極的に飛び出し、「やたら知られているジャムおじさん」を目指します。どうぞ皆さん、よろしくお願いします。
おわりに(Chief Jam-Ojisanを目指して)
住友商事時代の大半は「M&A屋さん」として生きていました。その求められる能力はファイナンスを中心とした「数字」関連のものです。
しかし、自分でやればやるほどわかったのは「ヒト」という、不確実性の集合体のような存在との付き合い方が、事業成否の90%ほどを担う、ということ。
住商キャリアの最後に「組織文化」を軸とした70ページ程の社長宛論文を書きましたが、年を経れば経るほど、「人事」というものへの熱量・関心が強くなっているのは、自分のバックグラウンドを考えると、実に面白いことだと思います。
「ファイナンス×人事×発信(PR)」、こんな掛け算でユニークな「CJO:Chief Jam-Ojisan」になれないかなと思ってます。
では、また来週。
細田 薫
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