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脳卒中発症後の麻痺側の肩の痛み

hikari整体サロンのよしながです。

今回は脳血管障害後(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)の肩の痛みについて書こうと思います。

脳卒中発症後の片麻痺の患者さんに発生する肩関節の痛みの割合として、
9~40%とも言われ、しばしば痛みによって麻痺側を動かすことがより困難となります。

前回、
「脳卒中発症後、麻痺側の手足を動かさないことによって起こる痛み」

でも書きましたが、
痛みの原因は、中枢性や末梢性など、さまざまです。

今回は、麻痺側の肩関節の痛みについてです。

脳卒中後遺症者では、 麻痺によって、肩関節の周囲にある筋肉が弛緩することで、上肢(肩から手)が急激 に虚脱することで、上腕骨頭の亜脱臼などを起こします
そのことが、肩関節周囲にある 腱 や 筋肉 などに、急激な伸張(損傷)を与え,
肩の痛みを起こしている
とも言われてます。
(なぜ痛いのかを聞いた時に”亜脱臼だから”と説明を受けたら、亜脱臼によって何が損傷を受けているのかを尋ねてみましょう。亜脱臼だけでは痛みがない人の方が多いです)

肩と腕の骨

痙縮などによって、肩周囲の一部の筋肉の緊張が高くなるなどして、筋肉のバランスが変わり肩甲骨や上腕骨の位置が本来あるべきところからずれてしまいます
(麻痺により筋肉が働かなくなることで、代償的に一部の筋肉が過剰に働くという現象も起きます)

この痛みが、癒着性関節包炎、上腕二頭筋長頭腱炎、棘上筋腱炎、肩甲下筋腱炎、腱板断裂、肩峰下滑液包炎など、どういう現象で痛みが出ているのかは、個々に評価が必要です。


これらの

痛みの対処


ですが

運動によって痛みが増幅し「ズキっ」とするような鋭い痛みが出現する場合には、
その痛みが増幅する運動(動き)は行わないようにしましょう。

(痛みが酷くなるなら、その運動はやめましょう)


痛みが出るのを繰り返すことで、筋や腱などに更に負担をかけることとなり、炎症が拡がって安静時にも痛みが出現する可能性があります。

以前に書いた 痛みについての記事も、もし良かったら参考にしてください。

何も動かしていなくても、また夜間にも眠れないほど痛い場合には、
数日、局所安静が必要ですが、麻痺側を動かさないことを学習させたくありません。

夜間に痛みが強い場合には、痛いほうの肩の下、肩甲骨の内側の辺りから、クッションやバスタオルなどを入れて、肩に負担がかからない位置を作ります。
(ポジショニング)
この場合のクッションの高さは、ベッドから肩甲骨と腕が浮かないようぐらいの高さです。浮いている部分があると、効果がみられなくなるので、高さを調整してください。

じゃあ、痛みがある間は動かさなくて良いの?
と言われると、そんなことはありません。
(やっぱり動かすことはとても大切)

痛みが出ない範囲で動かしていきます。


腕を上げることが難しければ、肩甲骨の動きから。
・肩を上げて下げる
・肩甲骨を背中に引き寄せて、緩める


首を動かすことで、肩の筋肉を動かしてあげましょう
・首を左右に曲げる(耳を肩につける)

腕を上げる運動に関しては、
・痛みが出ない範囲の中で繰り返し、動かしていく。
・両手を組んで、非麻痺側を使用して、痛みのない範囲で動かしていく。

 腕を上げる場合に、一旦、肘を曲げてから伸ばすほうが、痛みが出にくい場合が多いので試してみてください。

上記の運動をゆっくりと大きく、痛みのない範囲で行ってみましょう。

すでに、動かしていない期間が長い場合に、筋が短縮してしまっていたり、拘縮が起きている場合もあると思います。
ストレッチされた時のイタ気持ちいい程度の痛みであれば、特に問題はありませんので、動かしていきましょう。

麻痺がある場合には、なかなかご自身では動かしにくいですが、
できる範囲の中で、継続的に動かしましょう

動かして良い痛みかが判断できない場合には、医師や理学療法士に確認して行いましょう。


今回、述べた種類の肩の痛みに関しては、治すことは可能です。
正しい方法で動かすことで、痛みを出さずに動かしていくことができます
医師や理学療法士などの専門家に、ご自身にあった治療法を相談し対処してもらいましょう。

hikari整体サロン
吉永光恵


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