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【第2章|未来とツアーと(見知った?)前世】〔第2章:第2節|墓終結空〕
寝起きの悪さは自覚があるけど、死んでもそれは変わらなかったらしい。
「……ごめん。遅れた」
あたしの天国での朝一番は、謝罪だった。
廊下に出たのは、十時半。
疲れが集ったのか……起きたら十時過ぎてたし。
でも死んでんのよ。ちょっとの遅刻くらい……ダメか。
そう。ダメだ。
筋は通したい。
色の浅い青い服を引っ掴み、髪だけはしっかり繕って、履き心地の良さげなサンダルみた
【第2章|未来とツアーと(見知った?)前世】〔第2章:第1節|薇字名/クージレイン〕
『人生が【第2章】へと突入!』
とするには、その夜の幕引きは僅かばかり寂しげだった。
私は自室となった『8003』の部屋に入り、くるみ先生の部屋と同じ構造だというのを確認してから、ひと息吐いてソファに座った。
…………。
広い。
とっても。
一人部屋にしては。
『二人、だよ。……悪魔は一人って数えるかどうかは、知らないけど』
そうだね。
ところで、一つ良い?
「死んだって……ホント
【第1章|天使と悪魔と(世界の?)真実】〔第1章:第4節|絲色宴〕
光の柱が消えた途端、見えたのはビルだった。
と言っても外ではなく、無数に広がる窓越しに、だ。
何階にいるのかは知らないけど、ガラス張りの巨大な窓を前に、広いホールの真ん中に立っていた。見えている外は晴れ渡っており、ビル群と道路、少し変わった形の、おそらく車らしき物が、奥に見えている。
車……口の中に、嫌な味が広がった。煙臭さとか、鉄の焼ける臭いとか……。窓の外から、窓の中へと視線を戻
【第1章|天使と悪魔と(世界の?)真実】〔第1章:第3節|薇字名/ジェンナ〕
天使は微笑んでいたけど、それは本心の微笑みからなのか、それとも形式上のものかはわからなかった。
『ねぇ~、びっくり~。……まさか、ボクが悪魔だったとはね』
ジェンナの声が、頭の中で笑う。
厳密には、私が悪魔?
『君は半魔。ボク自身は悪魔だけど、ボクが入っている君は半魔、って事かな?』
理性とか別人格とかじゃない……?
『そうみたい。――じゃ、みんなボクらみたいに頭の中で会話をする事は無いの