スクワットで膝を前に出さないようにするのは間違い

「スクワットは膝を前に出さないように！」

一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

テレビに出るようなトレーナーでも平気でこういう指導をすることがあります。

「膝を前に出すと膝を痛める。」

なぜこのように言われているのか。

1972年にまさチューセッツ大学の研究で、スクワットの際に膝をつま先より前に出すと膝関節に大きなストレスが生じ、けがを誘発する可能性を報告しました。

この報告により、「膝を前に出すな」といわれてきました。

しかしその後の検証でその研究への間違いや再現性や信ぴょう性が低いことが指摘されました。

2013年のゲーテ大学で報告した、スクワットに関する調査結果をまとめたレビュー論文では、

「スクワットで膝を前に出しても膝関節へのストレスは少ない」

「逆に、膝を前に出さないフォームは腰を痛める要因になる」

というように考察されています。

スクワット（一般的なハイバー）の原則として、足の中央（ミッドフット）にバーベルの重心が位置し、その縦ライン上で重心を上下させます。

正しく行うと、上肢が少し前傾し、自然と膝が前に出ます。体幹とすねが平行になるような形です。

椅子から立ち上がる際で考えても同じです。ミッドフット上に重心が位置しないと立ち上がることはできません。

膝を前に出さないようにするとどのようなことが起こるでしょうか。

かかとに重心が来て後ろに倒れそうになります。

倒れないためには上肢を過度に前傾させる必要があります。すると過度に前傾した体幹を支えるために腰へ大きな負担がかかります。

これがスクワットの基本です。

是非、重心とミッドフットのラインを意識しながら行ってみてください。

今回は膝を前に出すかについてでしたが、別で他のポイントも書いていきたいと思います。