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みんながやりやすい方法は最終的に崩壊する話

病院でのお会計
最近の大きな病院では自動販売機のような、
自分で会計を行うシステムが
導入されているところが多いそうです。
これだけをきくと、ふーん、という話なのですが、
病院によく行く人ってどんな人たちでしょうか?
比較的ご年配の方が多いイメージがありませんか?
そしてご年配の方って機会に弱いイメージがありませんか?
にもかかわらず、ご年配の方が自動精算機で
病院の会計を自分で行っているのです。

この話を聞いたとき、
導入当初は多くの方から苦情もあっただろうなと
勝手に想像しました。
しかし現在は何のトラブルもなく
皆さん自分で精算されているそうです。

この光景は会社における
務改善に通じるものがあります。

みんながやりやすいっていう方法が一番いいのか?
業務改善を行う際、よく聞くセリフとして
みんながやりやすい方法という言葉が出てきます。
私はこんなものは幻想だと思っています。

誰かにとってやりやすい方法が必ずしも
誰にでもやりやすい方法とは限りません。
みなさんそれぞれに癖や好みがあり、
それが個性なわけです。
どんなに調整をしたとしても、
全員が使いやすいシステムなんて実現不可能なのです。

だとしたら、仕事の場において求められることは
チーム全体として効率的か? 
という問題です。

ペーパーレス化が日本で進んでいない
理由の一つがここにあります。
今まで紙で仕事をしてきた人たちにとって
ITは窮屈なのです。

どこに何を入力して、結果がどうなるのか、
という業務フローはITに頼るとITが決定してしまいます。

一方で紙はフリーハンドです。
どんなことでも自由に書けます。
逆に自由であるからこそ、管理が難しいのです。

みんなを少しずつ不自由にする覚悟をもつ
マネジャーは全体の業務効率のために
みんなに少しずつ不自由になってもらう
覚悟を持たなければいけません。
この覚悟がなければ前述の
みんながやりやすい方法論に戻ってしまい、
結局何も変わらないままです。

ただここで注意しないといけないのは、
不自由にするからといって、
なんでもかんでも理屈を盾に
不自由にしてよいということにはなりません。

本当にうまいマネジャーは
みんなが違和感を感じない形で、
自分が考える効率的な業務フローを実現し、
みんなに何も言わなくても
勝手にそれに沿ってくれるように
環境を整備して誘導します。

一方で下手なマネジャーは
自分の理屈でできない部下を攻撃し、
無理やりに行動を捻じ曲げさせます。
下手すればパワハラです。

マネジャーは個人の対応能力に依存するのではなく、
個人が勝手に行動してしまうように
環境を整備すればいいだけなのです。

こちらの記事で書いた棚の整理とは
まさしく環境整備の一環です。
これは棚に限りません。
パソコンのフォルダの中や
書類の処理方法など、
環境を整備しなければならない場所は
一杯あるはずです。

私も現在の職場で日々、環境整備に努めています。
まだ新参者なので反発も多くありますが、
いつか理解を得られるよう、
みんなが楽に仕事ができるように
これからも環境整備に努める次第であります。



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