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ブログ:http://hiiragi-note.com/ インスタ:hiiragi0218 読書感想文が中心。

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【読書】『知性とは何か』【「反知性主義」を克服せよ】

「反知性主義」とは? 佐藤優さんは「反知性主義」を次のように定義する。  私は、 「脳内ストーリーで生きている人」 と書き換えてみたのだが、どうであろう?  政治エリートにいても迷惑だが、会社エリートにいても、隣にいても、迷惑だろう。 「反知性主義」を封殺せよ 私は、反知性主義者が知性を憎んでいるのではないと考える。  自分にとって都合のいい物語を愛し、脳内ストーリーが壊れることを憎んでいるのだと考える。  とはいっても、知的な言葉が通じないというのは同意見である。  

    • 【読書】『資本主義はなぜ自壊したのか』【何ごとも「バランス」が必要】

      グローバル資本主義の三つの爪痕 アメリカ主導のグローバル資本主義がなければ、BRICをはじめとする新興国の生活水準は向上しなかっただろう。  そして、彼らは労働力としてだけではなく、消費者としてもマーケット拡大にも貢献した。  これはグローバル資本主義の功績である。  グルーバル資本主義は、世界経済を活性化させる切り札であったが、 世界経済の不安定化 所得格差の拡大 地球環境の破壊 いうデメリットももたらした。、  マルクスは「資本主義の本質は搾取にある」といったが

      • 【読書】『若い読者のための第三のチンパンジー』【私たちは目的を選ぶことができる】

         人間は大型哺乳類の一種である。しかし、どの動物とも似ていない。  言葉でコミュニケーションをとる、芸術を楽しむ、複雑な道具を作る。それはヒトだけが持つ特徴である。  しかし、同じ種である人間を大量殺戮したり、他種を絶滅に追い込むような、うしろ暗い特徴も、同時に持っている。  ヒトとチンパンジーは、98.4%と同じ遺伝子を持っている。  それほど大して変わらないのに、なぜこれほど大きな違いを持つようになったのか? 98.4%はチンパンジーと同じなのだが・・・・・ チンパンジ

        • 【ラーメン】なんつッ亭【冷やし担々麺】

           いつもお世話になっている、なんつッ亭in川崎店なのでありますが、通りがかりに眼にしたものは、  「帰ってきた」「復活」といわれても、記憶にないのですが、記憶にないということは食べたことがないということ。  そもそも、季節限定なら食べるべし。  オーダーしてから提供されるまで時間がかかったのですが、温めたものを冷やすのだから時間がかかって当然ですね。  後から来た方が先に食べているのを、食欲とともに眺めるのが苦痛でした。  水菜と白髪ねぎ等々が盛られています。  かき分け

        【読書】『知性とは何か』【「反知性主義」を克服せよ】

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          71本
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          【読書】『昨日までの世界』[下]⑩【塩分とりすぎ、カロリーオーバー、そして個人差】

           ニューギニア人の体形は、贅肉がなく、筋肉質で、太っている人どころか小太りの人もいない。  医学的にも健康で、糖尿病、高血圧、脳卒中、心臓発作、循環器疾患、癌といった、今日の先進国でみられる死因の大方である非感染性疾患は、都市部以外の集落で伝統的生活をするニューギニア人にとっては、稀か、まったく見られない。  平均寿命が長くなったから、という問題ではない。60代、70代、80代のニューギニア人のあいだでも見られないのであるから、寿命の長短と相関があるとは考えられない。  し

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑩【塩分とりすぎ、カロリーオーバー、そして個人差】

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑨【多くの言語を話す】

           言語は、九日にひとつというものすごい速さで地上から姿を消しつつある。  絶滅危惧種の動植物の現況を記録に残すのが時間との闘いであることと、同様のことが言語のあいだでも起きている。  しかし、言語が急速に消滅しつつある事実を問題視する声はそれほど大きくない。  言語というものは、人の思考や会話を独特な形で表現するための手段であり、独自の文学、独自の世界観を独特な形で表現し、伝えることのできる媒体である。  したがって、多くの言語が消滅すれば、多くの文化遺産が地上から失われると

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑨【多くの言語を話す】

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑧【宗教の役割】

          「それって本当に宗教?」 と疑問に抱く事件やニュースは枚挙にいとまがないが、現代社会のみならず、過去の歴史を鑑みても同様である。  宗教は信者に、大なり小なり、時間と資源の投下を求める。経済学の言葉を使えば、機会費用を奪っている―――――他のことに使える時間とエネルギーを奪っている。  だからといって、宗教が無くなるか、滅びるか、と言われると、そんなことはないだろう。  いつの時代でも、どこの社会でも宗教やそれに類似するものは存在する。宗教が存在し続けてきたということは、宗教

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑧【宗教の役割】

          【旅行】上賀茂神社【散策スポットなのです】

           所要につき大阪へ。  と、その前に京都に立ち寄るのがいつもの旅程。  『上賀茂神社』に行った記憶がなかったので、立ち寄りました。  あいにくの曇り空。  それに季節もズレていたので、映える写真が撮れなかったのが無念なところ。  とはいっても、散策するには素敵なところでした。 上賀茂御園橋 駅前のコインロッカーがいっぱいだったので、いったんホテルに立ち寄り、手荷物を預けてからの移動になりました。  ホテルから移動するルートを検索したところ、バス停「上賀茂御園橋」に出たほうが

          【旅行】上賀茂神社【散策スポットなのです】

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑦【危険とリスク対策】

           クン族のコマという男とは、自分の狩りの獲物に群がるライオンやハイエナたちを平気で追い払える男でもある。しかし、車が走る道路を横断する際には恐怖に震える。  ニューギニアのザビーネは、野生の豚やワニを目にしたときでも、身の危険を冷静に判断できる男である。しかし車が走る道路の場合は、コマと同様である。  どの社会においても危険と無縁ではないが、社会ごとに特異な危険が異なる。  平均寿命の差から判断して、伝統的社会よりも現代社会のほうが危険度が低いと言えないこともない。  定住

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑦【危険とリスク対策】

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑥【建設的なパラノイア(被害妄想)】

          事故は、いずれ起こる ジャレド・ダイヤモンドさんがニューギニアの密林でフィールドワークをしていた時の話だ。  ニューギニア人たちは、枯れた巨木の下で寝て、一晩過ごすことを極度に怖れていた。  巨木が倒れてきて自分たちが下敷きになるかもしれない、と。  はじめのうちは、彼らの怖がりようは大げさで、ほとんど被害妄想だと思っていたそうだ。  しかし、その後、数カ月つづいたニューギニアの森での観察活動のあいだ、木が倒れる音を耳にしない日は、一日としてなかったそうである。  ジャレド

          【読書】『昨日までの世界』[下]⑥【建設的なパラノイア(被害妄想)】

          【読書】『昨日までの世界』[上]⑤【高齢者への対応】

           社会が高齢者をどのように処遇しているか?  子育て同様、高齢者の処遇は、現代社会においてもバリエーションがある。  しかし、伝統的社会のあいだにみられるバリエーションは、現代社会よりもはるかに幅が広く多岐にわたる。  高齢者の世話は理想として、如何にあるべきか、誰が担うべきかは、ナイーブな問いかけである。  ナイーブな問いかけになってしまう最大の理由は、我々もいずれ高齢者になる、ということである。  我々が親の世代をどう処遇してきたか。それを子どもの世代が見ている。それが自

          【読書】『昨日までの世界』[上]⑤【高齢者への対応】

          【読書】『愛着障害』【愛着は人間関係の土台なのです】

           キッカケは『カサンドラ症候群』を読んだこと。  「愛着障害」に興味をもったしだい。  人間が幸福に生きていくうえで、もっとも大切なものは、安定した愛着である。  愛着の問題は親子関係を直撃しやすい。  とはいえ、問題のなる親に育てられながらも、立派に育った人の例は本書にも登場する。ほかの本にも例がある。  進学、就職、パートナーとの出会い。そのどれもが「愛着障害」の克服につながる。  しかし、裏を返せば、どれもが「愛着障害」のキッカケにもつながるのではないだろうか?  

          【読書】『愛着障害』【愛着は人間関係の土台なのです】

          【読書】『カサンドラ症候群』【犯人捜しより原因探し】

           いくら伝えようとしても伝わらない、という喩えに、カサンドラが使われる。  共感性や応答性に欠けた夫と暮らす苦痛をわかってもらおうとしても、常識的な人ほどその苦しみがわからない。  夫の共感性に問題があるため、妻にうつやストレス性の心身の障害を呈するに至ったものを「カサンドラ症候群」と呼ぶ。  かつては、妻のほうに問題を押し付けられることがしばしばで「ヒステリー」と呼ばれたりした。  原因は夫の共感性の乏しさにあるということが、最初に指摘されたのはわずか30年前の1988年

          【読書】『カサンドラ症候群』【犯人捜しより原因探し】

          【読書】『昨日までの世界』(上)②【トラブル解決の比較と考察】

           パプアニューギニアで発生した交通事故である。  ミニバスの後方から飛び出したビリー少年が、マロという男の運転する車にはねられた、というものである。  なお、マロは地元の会社に雇われていたドライバーである。  この事故は、ヤギーンという人物が仲介して、被害者と加害者の間に立って交渉した。  五日後に、マロの上司ギデオンがビリー少年の遺族のもとに訪問し、謝罪の言葉を述べ、食料を贈り、遺族とともに悲しみを共有する儀式を行うことで、和解している。  ちなみに、ニューギニア政府の対応

          【読書】『昨日までの世界』(上)②【トラブル解決の比較と考察】

          【読書】『昨日までの世界』[上]①【交易の目的】

           本書は、伝統的社会と現代社会を比較考察し、そこから判明する叡智を、日常生活や政策に反映させようと試みている。  ただし、いたずらに伝統的社会をユートピアと考えているわけではない。現代社会ではありえないような危険や不幸が含まれている。それに気づけば、現代社会の優れた点を、改めて理解できる。  しかし、だからといって、伝統的社会がディストピアだと決めつけるわけでもない。忘れ去ったものや、打ち捨ててしまったものを、再度、現代社会に取り入れたほうが良いと思われるものもあるからだ。

          【読書】『昨日までの世界』[上]①【交易の目的】

          【読書】『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』

           本書は、ストレスに対する思い込みを変え、上手に付き合う方法を提示している。  なにより、ストレスとうまく付き合っていくためには、科学的な知識があったほうがいい。  理由の一つは、人間の性質に関する研究は、自分自身や大切な人たちに対する理解を深めるための、良い機会になるから。  二つ目は、ストレスの科学は驚くべき発見があるからだ。  「なぜそうなのか?」という科学的根拠を理解できれば、学んだ方法を身につけることができる。 ストレスに対する考え方を変えるそれ「ストレス」ではな

          【読書】『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』