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奪い合うのではく、譲り合うこと

こんにちは。
スクラムヒューマンパワー代表 日原 達仁です。

私の記事を読んでいただいて、ありがとうございます。

古典に「大学」という本があります。

日々自分の身を修め、さらに世のため人のために
尽くしてやまないような人物を大人(たいじん)と言います。
その大人となるのに最も手近な古典が、
この「大学」(だいがく)かもしれません。

昔は大人というと、家のお父さんのことを言いました。
かつては夫婦共稼ぎは珍しく、父親が働き、
貧しいながらも家族みんなで生活をしていました。
食事も皆で食卓を囲み、親父が箸をつけると、子供たちも食べ始めます。
おかずはひと皿に盛りつけられ、家族で分け合いました。
今でいう「食育」も、箸の持ち方から始めます。
一粒でもお米を残せば、母に神様から罰が当たると注意されました。
父は黙って頷いていました。

しかし子供3人を食べさせていくというのは、やはり大変なことです。
共働きは珍しい時代とは言え、母も私が小学校高学年になると、
家計の為パート社員として働き始めました。
「大地は母、太陽は父」なんていっても、
水分もなければ食物は育ちません。
太陽に光や熱を受け、雨による恵みを受け、
地球と太陽の調和によって万物は成長していきます。

父は脛をかじられながらも、家族みんなの為に惜しみなく働きます。
日曜も親戚の畑を手伝い、いただいた野菜や果物を
親戚やご近所に配り歩きました。
地域には大家族がたくさんいましたね。

私が父となり、サラリーマンとして勤めていた時代も、
会社が大変な時には、みんなで我慢して無駄な支出は控え、
会社と自分は運命共同体だ、
一体なんだと感じる人が多くいたように思います。
状況が悪くなってくるときに、どのような心構えを持ち、
それを貫くかが大切なんです。
これまでの半生を振り返り、本当にそうだと実感しています。

会社で言うと、社長は太陽です。そして社員は大地なんです。
この両方が調和されて、組織は融和し、
統合されて「徳」を持った組織へと変化していきます。

しかし、現代社会では損得勘定で動いたり、
自分さえ良ければ周りのことなどどうでもよいとする人も多くいます。
いざ窮地へ立たされると、地位や権力、
そして物質までも奪い合うようなことが起こり得るんです。

上杉鷹山二宮尊徳の像に、
「一家譲なれば、一国譲に興り」と
刻まれているのを見たことはないでしょうか?
これは「長を務める人に譲り合う気持ちがあれば 
国中に譲り合う心が起こる。」という意味です。

企業は利益を出さなければ倒産してしまいます。
決して利益を無視するのではなく、売り上げを上げる、
利益を出すこととは次元を異にした「譲る」というところで、
皆が協力し、結果として企業として成り立っていくということになります。

スクラムヒューマンパワーでは農業の人材サービスを
事業として展開しています。農業の主体は「人間」です。
酷使したり、無理に働かせていては人は去っていきます。
その評判を聞いて、新たな人もやってこないでしょう。

しかし働いている人の環境を最適化することにフォーカスしていくと、
その評判を聞いて人が集まり、生産性も高まっていきます。
作物もより素晴らしいものが栽培できるようになっていきます。

「徳は本なり、財は末なり」です。
奪い合うことを考えている暇は、今の日本にはありません。
皆で知恵を出し合い、新しいことを試す、
失敗と向き合うことが必要なんです。

これから成長していくために、
「リスペクト」「謙虚」「素直」な心が大切です。
譲り合う社会は、多様化する現代に適応した、
皆が成長する社会となるでしょう。


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