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発酵がもたらす未来へ。フードスコーレDay2.1

今回は、「食のがっこうfoodskole 」Day2のレポートです!

【フードスコーレ・レポ】
授業は興味深い内容が盛りだくさん!そして、答えを出すのではなく、講師の方や受講生の方との対話を通して考えを深めるため、自分の考えがゆらゆらすることもしばしば。「答えのない問い」を考える要素と、心の体力をつけるために「体験レポート」として書き記しておくことにしました。
foodskole で学ぶことは?
食べることは「文化」そのものでです。「食」を中心として、入手先、食べ方、保存方法などの様々なかかわりながら生きています。食に対して「持論」を持つことで自分の価値観に責任をもって食卓を楽しむことができるはず。「食の創造論」を学んでいます。
DAY2 発酵でつなぐ都市と地域。
ゲスト講師:酒井里奈さん(ファーメンステーション)
「合理的ではない」と周りから言われても事業をやり続ける、ファーメンステーション酒井さんの活動意図とは。地域、都市、食、環境、暮らし、そして生産と消費。すべてにとって良い活動とは。サーキュラーエコノミーのリアルに迫る。


1.ファーメンステーションとは?

ファーメンステーション
(発酵の駅を通ったらもっと良いものに変わっているという意味。)
未利用資源を再生して循環させる。活用されないものに目を向ける。無駄と思われているものを‘‘良く‘‘ではなくめちゃくちゃ価値のあるものにする。

酒井さんのお話を伺って、私は未利用資源をなくすという言い方ではなく、「良いものに変える」という言葉がすごく素敵であると思いました。言葉は同じ現象をあらわしたとしても、微妙な解釈が反映されるとても繊細なツール。酒井さんの「ファーメンステーションを通ったら絶対に良くなる」という力強い言葉が全てを物語っていると思いました。

その他、詳しい設立背景など、興味深い内容がたくさんあるので是非。

【経営チーム対談(前編)】「これまでとはギアを変えた成長を」大きな転換点にいるファーメンステーションでチャレンジする魅力とは

【経営チーム対談(後編)】「“ファーメンステーション入ってる”を実装する」多様な人材の知恵を融合して世界にチャレンジする

価値観が反映される事業内容

①自社の商品本格的なオーガニックブランド
L認知が少なかった時にモノ(目の前の価値)として価値をわかってもらうことが一歩目だったそう。
②企業コラボの新規事業
Lいろんな方と組むことが未利用資源の活動を広げるうえで必要不可欠。
③オーガニック商品やサスティナブルなプロダクトの請負
L企業さん向けへ原料の販売をしている
④サスティナブル原料開発
L未利用資源を変えて!という課題を絶対にこなすことで、難しいといわれているものも開発してきたそう。

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HPより

2.そもそも発酵とは?

有機物を人間にとって有益だと考えられるのが発酵。
有益にならないものは腐敗。

微生物が発酵食品など人間に有益な有機物を生成する過程全般を指し、それゆえ有益でないものを生成する過程である腐敗とは区別される。

有益になるのかならないのかは、文化ごとに異なるので発酵は文化そもそもである

ファーメンステーションさんがつくっているアルコール。アルコール必需品になり、毎日使っているのに、何からつくられているのか誰も考えたことがない。原材料がわからない。食べものの原材料は気にするのに、なぜアルコールには無関心でいられるのでしょうか。そもそも考えるきっかけがないのも一つの理由として挙げられます。

ファーメンステーションさんはスタートアップですが、さまざまな事業をたくさんやっています。スタートアップは一つの事業に絞るという理屈や教科書に書いてあることとは違うといわれることもあるそうです。しかし、すべてなぜ行っているのかの理由があり、不合理に見えて合理性があります。そして誰にもまねされないものでした。

百姓は百の仕事をから成り立っています。本当は一つの資源をめぐって様々な事業(仕事)があったはずです。資源(農)から始まる循環型のビジネスは、注目に値するのではないかと思います。そして資源(農)に足りない、多様性や外部とのかかわりを通して続けられるのではないかとおもいました。

4.酒井さんにとってのサスティナブルな消費とは?

酒井さんにとってのサスティナブル消費とは、狭義的な意味では、環境負荷が少ないことで、広い意味では、共感したくなる応援したくなるものだと考えていらっしゃるそうです。つまりサスティナビリティ消費は、社会参加であり、自分の気持ちを表す手段であるとおっしゃっていました。

では、実際の消費者はどのような目線で商品を買っているのでしょうか?製品販売をしている酒井さんの目線からうかがうと、消費者は、一番最初に①自分にどう良いのかというものを選び、次に②いい取り組み(サスティナビリティである)をしているからという理由で、酒井さんの商品を購入されるようです。

しかし、ここでもやもやが。。。①と②が同等に選ばれる理由になることが、未来にとって本当に良い選択肢なのではないかということです。

酒井さんがそう感じられたのは、リンゴかすから作られたウェットティッシュ(約170円)を作った時です。普通のポケットウェットティッシュよりも少し高く、ただ実感する効用としては普通のポケットウェットティッシュとほとんどが同じです。しかし、つくられた過程は違います。ファーメンステーションの商品は、環境負荷が少ない、未利用の再利用、体に優しいなどです。

ファーメンステーションさんの他の商品(例えばアルコールなど)は、高いけど、すごくいい香りがしたり、もちもちとした肌触りになったりと、消費者に直接的なメリットがあるそうです。そのため、上記の例で上がったウェットティッシュのような価格が少し高く、目に見える違いがない商品の場合は、①の自分にとってのメリットだけではなく②のサスティナブルが同率で選択肢に入るべできではないかと感じたそうです。

サスティナブルだけがセールスポイントになっていないということ?

酒井さんは自身の事業経験から、消費者ではまだですが、すでに企業側はESG投資などが理由で、サスティナブルがセールスポイントになっているとお話されました。そのため、サスティナビリティの価値を高めるためには企業同士で取り組むことがいいかもしれないと仮説を立てていらっしゃいました。また、CO2の削減量を数字で提示することで知ってもらうことも考えているそうです。

私は、日常にあるものが、普段と変わらず便利で、環境に良いものであふれる世界は、便利とサスティナビリティが両立していて素敵!だと思いましたが、よりサスティナビリティなものはどっちらなのか?どの部分に力を入れて持続可能にしているのか?それによって消費者が満たされるものが目に見えるのか?という消費者の疑問に答える提示が今後、必要になってくるのだと思いました。

6.どこに共感する?何をサスティナブルにさせたいのか?

結局なにが、社会や環境にとって良いのか?わからなくなるという受講生の声もありました。

例えば、スマホだったら、情報をたくさん得ることができるという意味で社会性があります。

それに対して、三方よしの構造が必要なのではないかという話もありました。

三方よしの考え方【売り手よし、買い手良し、世間よし】
どれか一つではなく、それぞれの世の中の全部が変わっていく必要があると考えます。しかし、現状は市場の論理が大きく勝ちすぎている気もします。

酒井さんも社会性のない会社はないと思うというお話をされました。そのため、人がそれぞれ判断できるようにする必要があるとおっしゃっていました。ただ、それが一番難しい。。。そのために、企業側としてできる事は、わかりやすく、判断できる選択肢を提示することだそうです。今日いいものは明日いいものであるとかぎらない時代。ファーメンステーションの社会価値を企業価値へ変える強みを生かしていくそうです。

7.ファンの人をどう巻き込むのか?


どうしても高くて買えない、価格競争に負けて広まらないなど、様々な課題があるそうです。多くの人はサスティナブルな事業が素敵!と話していましたが、最終的には、自分にとってはどうメリットがあるのか?という話をされるそう。

今までは、この理想が良い!とプロダクトアウトをされてきたそうですが、今からファンの人にどのような商品があれば購入してもらえるのか、マーケティングをされるそうです。

話し合って、誰とでも一緒に作っていく場所が今後必要になってくるのかなと思いました。


目を通してくださってありがとうございます!!!(^▽^)/

今日は授業で気になったお話をまとめましたが、自分の日常とサスティナビリティについて考えたレポートも作りました!環境社会学や環境問題を考えるうえでのフレームワークがもとになって、もやもやとまだ言葉ともいえない考えを書き綴っています、、、、!ご興味あればこちらから!「エシカル消費とは?フードスコーレDay2.2」



樋口彩加(ひぐちさやか)
2000年生まれ。法政大学人間環境学部人間環境学科在学中。環境社会学、環境人類学などを選考。小学生の時に「どうして食べられる人と食べられない人がいるのか」を疑問に思ったことがきっかけで、国際関係や環境問題について考えはじめる。国際・国内ボランティアを経験する中で「食の背景」について興味を持つ。身近にできるアクションとしてフードロス削減に関するイベント開催や情報発信などの活動を開始。自然と文化、生きがいなどの社会的な面から環境問題へ取組み、持続可能な社会の実現について勉強中。

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