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浸透しないオンライン飲み会から、コロナ禍の顧客体験について考えてみた。

こんにちは。LIFULLの樋口です。これから私を含めOMOマーケティングに取り組む仲間と一緒にいくつかのnoteを書いていきたいと思います。私はマネージャーという役割なので、細かい話ではなく、コロナ禍でのおよそ1年半の取り組みから感じた、顧客体験の変化について書いてみたいと思います。

サービス紹介

私たちがマーケティングを担当しているLIFULL HOME'S 住まいの窓口(※以下住まいの窓口)はざっくり言うと、リアル店舗だけでなく、zoomやLINEなど、オン、オフ両方のチャネルを使ってプロのアドバイザーに不動産相談ができるサービスです。LIFULL HOME'S唯一の対人相談型のサービスで、OMOを推進していくミッションを持っています。

住まいの窓口ではコロナ前からオンライン相談を実施していましたが、不動産は一生に一度の大きな買い物ということもあり、コロナ前は店舗での相談が殆どでした。しかし、コロナをきっかけにオンライン相談が急速に増え、今では半分以上がオンラインでの相談になっています。

今、弊社だけでなく、様々な業界がオンライン化へ挑戦していて、これからも拡大していくと実感しています。

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※住まいの窓口相談件数推移 
株式会社LIFULL第三四半期決算補足資料から抜粋

オンライン飲み会が浸透しない理由

ただ、全てのオンライン化がうまくいくわけではなく、なかなか浸透しないケースもあるようです。例えば、みなさん最近オンライン飲み会ってやってますか?私は久しくやっておらず、飲み会は断然オフライン派です。(残念ながら当分無理ですが・・・)

私と同じように「やっぱり飲み会はオフラインに限るよね」と感じている方が多いようで、こんな調査結果があります。

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※日本政策公庫 2020年10月飲食店のテイクアウト・デリバリーサービス等に関する消費者調査結果より抜粋

オンライン飲み会は少人数の場合は良いのですが、複数人で開催する場合、みんなで一緒に楽しめるコンテンツがないとちょっと厳しいですよね。誰かが話しているのを、ニコニコしながら福島の民芸品赤べこのように首を振りながら聞くだけの会になってしまいます。笑

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そんな残念体験がオンライン飲み会の満足度の低さに繋がっている気がします。このように飲み会についてはオンラインの満足度がオフラインに比べて圧倒的に低いため、今後オンライン飲み会が拡大していくのはちょっと難しそうです。

住まいの窓口のオンライン接客が拡大した理由

対して、住まいの窓口のオンライン接客は、顧客満足度調査で店舗と同じくらい満足度が高いという結果が出ています。

もともと店舗接客中心の時の調査では顧客満足度99%と、非常に高かっただけに、オンライン接客を推進するにあたり、顧客満足度の低下を懸念していました。

皆さんも漠然と直接会って話せる店舗の方がオンラインより満足度が高い気がしませんか?私もそう思っていましたが、 実際蓋を開けてみると、そんなことはありませんでした。

もちろん、高い満足度を維持できたのは、実際接客にあたるアドバイザーや接客前のサポートを行うバックチームの日々の努力の賜物ですが、仮説としては、以下の3つの顧客体験上のメリットがあったからだと思います。

①店舗に移動する手間や時間が省ける。
②自宅なので小さなお子様がいても、気を遣わず接客を受けられる。
遠方の両親など、離れた場所にいる方も一緒に参加できる。

オンライン化にはこのように具体的な顧客体験上のメリットがないと、前述のオンライン飲み会のように、満足度が低下してしまうと感じています。

オンライン化が進んでも店舗は必要

オンラインの満足度が高く、需要も拡大していくなかで、店舗は不要になるかと言えば、そうわけではありません。オンラインへの需要にも波があり、顧客心理としては、2つのタイプがあると感じています。

①本当は店舗を利用したいが、今はオンラインにしておこう。
②オンラインの方が便利なので、常にオンラインが良い。

重要なのは①のお客様のボリュームが大きいため、店舗をやめてしまっては、感染状況が改善した際に、顧客の総数が減ってしまいます。実際、感染状況が縮小しているタイミングでは店舗を選ばれるお客様の方が多くなります。

お客様のタイミングと意向に合わせて、オン・オフどちらも選べるように。また、どちらの満足度も高めていくことが重要です。

まとめ

コロナ禍で様々なものがオンライン化へ挑戦していますが、残念ながら全てが上手くいくわけではないようです。成否をわける根幹は、顧客満足度にあると、実際に推進する立場から感じました。大前提となるこの部分を置きざりにしたまま、マーケティングで推進しようとしても、うまくいかないと思います。

以上、当たり前のことかも知れませんが、とても大切なことなので今回noteに書かせて頂きました。最後までお読み頂きありがとうございます。さて、次回からは私たちが取り組んでいるマーケティングについて、もう少し具体的な話をご紹介したいと思います。


今後もこのマガジンでは、LIFULL HOME'Sのマーケティング事例を中心に、様々な話題を発信していきますので、ぜひフォロー頂ければ幸いです。

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