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テスト業務:基本の『き』

一学期の期末試験がそろそろあるのではないでしょうか。テスト作りやテスト監督など、気を抜けない業務が続きます。ここでは、初任者研修等でも教えてくれない、テスト作成からテスト実施に至るまでに気をつけるべきポイントを紹介します。これらを守ってトラブルを防ぎましょう。

テスト作成

テスト作成に当たり気をつけるべきポイントは主に以下の4点です。

教えた内容を出題する

テストはおもしろクイズではありません。授業での学びが身に付いているかどうかを評価するものです。そのため、授業で教えた知識や技能を測れる問題を出題しましょう。応用問題といって、教えていない技能が求められる問題を出題するのはあってはらないことです。

単元が終わるごとに問題を構想しておく

授業で特定の技能を教えた後には、この授業内容をテストではどう測るか、を考えるクセをつけましょう。単元が終わるごとにどのような問題で自分が教えた内容を評価するかをメモしておくと、それを元にテストをスムーズに作ることができます。

作成後に必ず複数人で解く

自分で作成した問題には必ず不備があると考え、必ず同僚に確認してもらいましょう。出題ミスを極力なくすための努力は惜しむべきではありません。

余裕を持って作成する

数日前に焦って問題を作るのは危険です。深刻な出題ミスが気づかれずに、テストが実施されてしまう可能性があるからです。また、印刷時のミスで問題流出などもありえます(後述)。トラブルを回避するためには、余裕を持って遅くともテスト1週間前には作問に取り掛かりましょう。

テスト印刷

テスト印刷に当たり気をつけるべきポイントは主に以下の3点です。

1部多めに印刷する

印刷機の不調などにより、必要枚数を印刷したつもりでもテストの部数が足りなかったというトラブルが起きることがあります。また、輪転機の不調で、印刷不鮮明なものが生じることもあります。必ず、1部は余分にテストを刷って考査袋に入れて準備しましょう。

印刷後はデータを印刷機に残さない

定期テスト前は印刷室への生徒の入室は制限されている学校は多いでしょう。しかし、鍵がかからなければ生徒が入ることは可能です。そこで起きるトラブルが、生徒へのテストの流出です。印刷機(輪転機)に原本が挟んだままだった、印刷機に製版データが残っていて印刷ボタンを押すことで問題用紙を入手されてしまった、などが過去にあった事例です。印刷後は原本を必ず回収することや、問題→解答用紙の順で印刷したり、印刷後にデータを削除するなど、気をつけてください。

不要なテスト問題はシュレッダーにかける

作成して試しに解いた問題用紙をリサイクルボックスに入れたり、裏紙利用をするのは止めましょう。これらも過去にあった事例です。テスト実施前に問題が流出することを防止するために、必ずシュレッダーにかけて処分しましょう。

テスト実施

テスト実施に当たり気をつけるべきポイントは主に以下の4点です。

質問や誤りがないかの確認として見回る

自分が作問者のテスト監督をしてもらっている時間は、必ずテスト実施教室を回りましょう。生徒からの指摘で問題の不備が見つかることがあります。不備が見つかった場合、訂正のために各教室を全て回り、説明をしなければなりません。試験開始から30分程度経ってから見回りに行くのが一般的です。

校内の定期テスト受験ルールを遵守する

開始時刻の取り扱い、遅刻の場合の取り扱い、途中退席の取り扱い、カンニング発覚時の対応、テスト当日欠席の取り扱い、テスト欠席の欠課の取り扱い、追試の取り扱い、など各校で定められたルールに則って処理しましょう。前任校で◯◯だったから、などの思い込みは厳禁です。

内職はしない

テスト監督時に、自分のテストの採点をする方がいます。しかし、テスト監督時には、テスト監督に集中しましょう。テスト監督が生徒以外に注意を向けていることが判明すると、生徒のカンニング等の不正行為を誘発します。特に、テスト採点は誤りがないように採点に集中してしまい、生徒の様子に注意が払えなくなります。あの先生がテスト監督だとカンニングしやすい、などと生徒に思われて不正行為を誘発すると、その後の生徒指導で多大な時間を取られます。絶対にやめましょう。

解答用紙の枚数を数える

テスト監督をした際には、テストの回収時に必ず受験者数分の枚数を回収できたかを確認します。また、採点者として解答用紙を受け取った際にも枚数を確認します。これらを怠ると、テスト用紙が万一行方不明になった際の責任を問われる可能性があります。テストは成績に大きな影響を与える重要書類です。各分担においては、必ずチェックをして管理責任を果たしましょう。

まとめ

今回は、教員が実施するテスト業務の常識を敢えて取り上げました。その理由は、初任者研修等ではこのような教員の業務における暗黙の了解が教えられることが殆どないからです。そうではなく、同僚の先生に注意されて知ったり身につけたりすることが一般的です。しかし、多忙な今では初任者が先輩から教えてもらえないことすらあります。これらは重要な点ですので、敢えて紹介しました。

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