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春から新採用(学校)の方向けの用語集

学校での特殊な用語を集めた用語集を作成しました。新採用の方は学校独自の文化に戸惑うことが多いと思います。こちらの用語集に目を通し、参考にしていただければ幸いです。

●か行

回議(かいぎ)

重要文書を色んな人に回して確認してもらうこと。管理職や事務長、補佐などに回る。県への提出書類や校長名義での書類は、回議が必要である。

外線(がいせん)

学校外へ電話をかけるまたは学校外から電話を受けること。外線をかけるにはまず0番をプッシュする。外線を受けた場合には以下を参照。

教職調整額(きょうしょくちょうせいがく)

教員には『職務と勤務態様の特殊性』により、残業代は支給しないことになっている。その代わりに、給料月額の4%が『教職調整額』として支給される。
この法律を曲解して悪用し、教職調整額の支払いをもって教員を無限に残業させることが横行している。

給特法(きゅうとくほう)

教員には超勤4項目以外に時間外勤務を命じることが出来ないことや、残業代を支給しないことを定めた法律である。教員に残業代を出さずに月に100時間働かせても違法にならないのはこの法律のおかげ(?)である。

教育課程(きょういくかてい)

学校で、どの学年でどの科目を週何時間生徒が学ぶかの計画書。学習指導要領に基づいて作成されているカリキュラムのことである。

教務(きょうむ)

校務分掌の一つ。学校全体に関わる事務的な仕事をする役割のこと。入学式、年間予定、授業時間割、ICT関連、入試、その他何でも教務の仕事に振られるので大変である。初任者は大体教務の仕事を振られる。

クラスルーム(くらするーむ)

Google Classroomのこと。オンラインで課題の作成や資料配布、テストの実施や採点ができるサービスである。積極的に活用したい。

決裁(けっさい)

管理職が回議された書類に関して、OKまたはNGを出すこと。

校務分掌(こうむぶんしょう)

学校運営のための仕事。教務、生徒指導、進路指導、生徒会、などが主にある。それ以外にも、教育課程委員会、入学者選抜委員会、修学旅行委員会などの委員会もある。

コピー機(こぴーき)

印刷コストは約5円/枚。枚数により輪転機と使い分ける。

●さ行

私費会計(しひかいけい)

学校独自に生徒や保護者から徴収しているお金。学年費、教材費、PTA費、部活動費、などが例。

巡視(じゅんし)

学校内外をパトロールすること。サボりやいじめの防止である。

状差し(じょうさし)

それぞれの教員に配布される書類が入れられる箱や棚やレターケースのこと。レストランの伝票を指す針のことではない。

辞令(じれい)

転勤、異動、採用など人事に関する文書。病気休暇の際に備え、辞令は捨てないで大切に保管しておくべきである。

進路指導(しんろしどう)

校務分掌の一つ。進学や就職に関する行事全般を担当する。進路説明会、進学説明会、企業説明会、などの行事の立案実施に加えて、校外の方と関わり推薦枠をもらったりなどもする。学校内での要の分掌である。

生徒会(せいとかい)

校務分掌の一つ。文化祭、体育祭、対面式、など生徒会活動全般の計画立案と実施の責任を追う。文化祭担当は、夜遅くまで仕事をして非常に大変なので、大体初任者に振られる。

生徒指導(せいとしどう)

校務分掌の一つ。生徒が学校のルールを破ったり、いじめが発生したり、校外で事件を起こした場合に対応する。荒れている学校ほど、大変な分掌である。

●た行

超勤4項目(ちょうきんよんこうもく)

超勤4項目とは、▽校外実習、▽修学旅行その他学校の行事に関する業務、▽職員会議に関する業務、▽非常災害で緊急を要する場合のことである。教員にはこれら4項目以外に関しては、時間外の勤務を命じることは出来ないことになっている。逆に言うと、これら4項目以外の業務を勤務時間外に行っても、労働ではなく趣味や自主的自発的なものとして扱われる。

直行・直帰(ちょっこう・ちょっき)

出張先へ自宅から行き、そのまま職場に帰らずに自宅へ戻ること。

●な行

内規(ないき)

学校内部での約束事やルール。例えば、生徒指導に関する校内での共通認識が記してあったり、欠席を何回すると進級を認めないなどのルールが書かれている。中には露見するとやばいものも多いため、持ち出しは厳禁である。

内線(ないせん)

学校内(組織内)での電話番号で通話できる電話網のこと。例えば、教務室は201番、校長室は101番など、番号が割り振られている。

●は行

フォーム(ふぉーむ)

Google FormsまたはMicrosoft Formsのこと。アンケートが簡単に作成・集計できるサービスである。紙を減らして事務作業の負担を軽減するためには積極的に活用すべきである。

部活指導(ぶかつしどう)

部活指導は教員が自主的自発的にやっているものという扱いである。部活動は平日や土日の勤務時間外に及ぶことが多い。しかし、勤務時間外の部活指導を職務命令することは法的には不可能である。つまり職務命令をされていないのだから、教員が自主的自発的にやっているという解釈になる。
勤務時間外の部活動指導はそもそも労働でもなければ職務でもないという扱いである。労働でも職務でもないため、給与が支給されないのである。

病気休暇(びょうききゅうか)

心身の故障により働けなくなり、長期間休まざるを得ない場合には病気休暇という有給を取得できる。基本的には90日間、精神疾患に対しては180日間有給で休むことができる。精神疾患で休む教員の割合は年々増加している。20代では5年間のうちに精神疾患により病気休暇を取得する確率は約10%である。そのため、万一働けなくなってもこのような制度があることを知っておくのは大切である。


●や行

USB(ゆーえすびー)

USBメモリは情報漏洩や紛失事件の元である。PCで使用できない自治体も多い。USBメモリを使うくらいなら、校内サーバーやクラウドに保存するべきである。

●ら行

旅行命令(りょこうめいれい)

旅行というのは出張のことである。学校外に出かける必要がある際には、旅行命令を書いて、回議する。例えば、初任者研修へ参加する際には、旅行命令を予め書いておく。旅行命令を書くことで、出張の交通費を出してもらえる。学校へ戻ってきたら、旅行命令の精算を行う。

輪転機(りんてんき)

プリントを印刷する際に使う。印刷枚数が増えるほど輪転機では安上がりになる。目安としては枚数が10枚以上の時に輪転機を使う。それ以下ではコピー機の方が速くて安い。

まとめ

法的な内容から、実務的な内容まで幅広く網羅しました。これから学校で働く人にとって、参考になれば幸いです。


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