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休職からの復帰の手続き

毎年6,000人近くの公立学校の先生が、精神疾患を発症して休職しています*1。心が強い私には関係ないと思っているあなたも、働きすぎて病み精神疾患でお休みをもらうかもしれません。いざとなったときの備えとして、この記事では休職からの復帰の手続きを紹介します(筆者経験済み)。


2つの場合がある

仕事を長期間休む場合、病気休暇または病気休職を取ることになります。実は長期のお休みから復帰する場合、どの仕組みを使って休んだかによって復帰手続きが異なります。

病気休暇の場合

病気休暇とは?

病気休暇とは、怪我や病気のために療養の必要があり、療養のために勤務できない場合に取得できる休暇です。通常、最大90日間、精神疾患の場合には180日間取得できます。

病気休暇からの復帰

病気休暇からの復帰には、実は、制度としては特に何も求められません。逆に言うと、自分で復帰の訓練をしないといけません。長期で休んでいていきなり学校に復帰するのは変化が多く身体や心に負担をかけますから、復帰の数週間前から少しずつ学校に顔を出したり、勤務時間のうちの一部を学校で過ごすなどしてリハビリをすることをオススメします。

病気休職の場合

病気休職とは?

労働者が自分の都合で長期的に職場を離れて休むことです。休職を申請して受理されると、雇い主から『あなたは労働を免除するから休みなさい』という休職命令が下されます。

病気休職からの復帰

病気休職からの復帰には、病気休暇のそれとは異なり、ハードルが高いです。主に2つ、クリアしなければならないものがあります。それは、医師の診断書と復職プログラムです。

1つ目は医師の診断書です。長期のお休みから復帰し、通常勤務が行えることを証明するために、医師の診断書が必須です。さらに、自治体によってこの診断書は、かかりつけ医の書いたものに加えて、県立病院などの公的な機関の医師による診断書の2通が必要になることもあります。複数の医師の判断によって復職可能であることを証明する必要があるのです。

2つ目は、復職プログラムです。これは自治体によって大幅に異なります。休職中の復職希望者が集団で受けるプログラムや、勤務校での段階的な試し勤務などの内容です。復職プログラムは通常3〜6ヶ月に渡ります。また、復職プログラムをこなした後、復職判断をされることになります。そのときに、県の嘱託医との面接があったり、県の保健師との面談があったりします。また、勤務校での復職プログラムの内容を判断するのは当然学校の管理職です。学校の管理職、管理職から意見を尋ねられた同僚の印象、県の嘱託医や保健師による判断などから復職が可能であると認定されれば、ようやく復職が実現します。

休職から復帰に失敗したら?

復職が認定されない場合には、休職期間を延長するように申請せざるをえません。さらに追加の復職プログラムによって学校で半年〜一年間ほど勤務することになります。学校は一年ごとに動いていく関係で、復帰は制度上いつでもできるものの、管理職によっては年度初めの復帰しか認めていない場合もあります。その際には一年間試し勤務を行うなども覚悟しないといけません。病気休職からの復職の際には、『この人はまた休職するのでは』という管理職、同僚、県からの厳しい目があります。

なお、休職可能期間は3年間です。復帰が叶わないまま休職期間が3年間に達してしまうと、期限切れになり失職します。

まとめ

長期のお休みからの復帰について説明しました。病気休暇からの復帰はハードルが低い一方、病気休職からの復帰は非常に困難です。休職により長期で休んでいてもつらいですし、いざ復帰しようとしてもつらいという現状があります。

そのため、身体や心を壊して休職しないことが一番です。教員の皆様、くれぐれもご自愛ください。経験者からのアドバイスです。


*1 教員「精神疾患で休職」過去最多、心のケアの現場も「深刻な人手不足」に警告


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