【短編】「二人用」「AI」 +駄文
「このままじゃ埒が明かないな」
「アレを使いましょう」
夫婦はテーブルの中央に、機械を置いた。議論する二名の主張を聞き取り、AIがクラウド上の最新の情報や統計データを元に社会通念上、正しい提案をしてくれる仲裁用機器。
『二人用AI』
機器は、電源を点けると発光しながら、沈黙の空間にブゥーンといった起動音を鳴らし、やがて静まった。
「ハナシアイ ヲ ハジメテクダサイ」
無機質な機械音声を合図に夫婦は目を睨め合わせた。先に言葉を発したのは夫の方だった。
「お腹の子どもは私に似て聡明な子になる。幼児期の内に語学を学ばせる」
「そんな窮屈な思いはさせませんわ。この子には自由に学びたいことを選択させます。愛情をたっぷり受けて健やかに育つこと、それが何よりよ」
終わりの見えないやり取りを間の抜けたピンポーンという音が遮った。夫婦は機器に注目した。
「マズハ DNA カンテイ ヲ オススメ イタシマス」
新たな議論の火蓋が、切って落とされた。
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409文字
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コチラに参加してみます。
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会社のオンライン送別会の最中に、上記の文章を書いた。
カメラやマイクをオンにする義務のないオンラインは最高だ。参加者が多く、同じようにカメラ・マイクをオフのままにしている人もいるため、何とも思われない。
呑兵衛の人たちは楽しそうにしているが、私はアルコールを一滴も接種していない。素面も素面だ。とはいえ、あまりにノーリアクションなのも印象が悪いので、チャット欄とリアクションで反応はする。
Twitterで真顔で「ワロタ」と入力する時と同じ塩梅だ。慣れたもんだ。
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うち実はこの「エルピオでんき」のユーザーなんですよね。
3月25日にいきなり「4月末で利用できなくなるよ」ってメールが来て、吹っ飛びました。しかも腹立たしいのは3月25日にメールしてくれたのは「エネチェンジ」という電力会社の見直しをサポートするサイトだ。「エルピオでんき」を契約する際に利用したサービスだ。
で、肝心の株式会社エルピオさんから利用停止の連絡があったのは3月28日だ。ヤフーニュースで記事になった日にちと同じだ。利用者とそうでない人が利用停止を知るタイミングが同じってどゆことー!!
どゆことー!!
まぁ、もう既に新たな電力会社に申し込みしたんですけどね。あるあるなんですけど、○円分のギフト券キャッシュバック!!とか付いているんですよ。
で、そのでっけえ文字の下のちいちぇえちいちぇえ鼻毛みてえな文字で「○ヵ月経過時点でサービスの継続利用が確認できた場合に、△ヵ月後に受け取り方法を記載したメールを配信します」ってあるんですよ。
これ本当にキチンと受け取れている人、この世の中にどれだけいますか。私はgoogleカレンダーに入力したのでたぶん忘れないとは思いますが、いうて10か月後とか12か月後とかなんすよ。
これサービス提供側って、キャッシュバック受け取り忘れた人がいたら「よっしゃああああ!!!ラッキー!!!!!!」って言いながらリマインドの連絡することなく鼻くそほじってるんですよね?
うわあああああ
わかりました。
こうやって、ジョーカーって生まれたんですね。
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