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好きなことX得意なことで社会貢献〜軽やかな活動のススメ〜

地域で活動されている方のご紹介を通じて、京都市東山区エリアで活動をされている方にお話を伺う企画「iINA」。活動に至ったきっかけや地域活動を通じての変化感など「いいな」と思えるストーリーをお聞きし、新しいことに踏み出したい人が、まちの「いいな」につながるアクションに踏み出すきっかけとなるような発信をしていきます。

ー今回取材させていただくのは、鳥本光照(とりもとみつてる)さん。学業に専念するためサッカー部に入らなかった後悔から、チームで難しい事にチャレンジする気持ちを伝えたいと思い、コーチについて学べる静岡の大学に進学しました。その後、スポーツトレーナーの仕事やボランティアの活動を通して地域へ出向くことが多くなり、現在は障がい者の方へのプール指導ボランティアや地域を走ってパトロールするパトラン京都の運営をされています。地域とのつながり方について、お話しをうかがいました。

先頭に立って広がっていったボランティア活動

ー様々な活動をされていますが、改めてどんな活動をされているか教えてください。
今はフリーランスで、スポーツトレーナーやWEBデザインの仕事をしています。他にも、「スキルを活かして社会に還元したい」という想いを持った仲間でKUSABIというチームを作っていて、障がい者のプール指導ボランティアや防犯活動、防災活動などをしています。

ーずいぶん幅が広いですね!ボランティアや地域活動に足を踏み入れたきっかけを教えてください。
兵庫県の丹波市が水害にあって、そこのボランティアに参加したことがきっかけです。本来僕たちのような若者が活躍できる撤去作業を、高齢者の方や地元の方がされていて、その現状をSNSでも伝えられていなかったんですね。だったら僕がやってみようと現状を発信してみると「手伝いには行けないけれど、支援物資送るよ」「出来ることならやるよ」と、協力したいという声がたくさん集まってきました。誰かが先頭に立って発信することが大事だなと実感して、活動を続けることにしました。

ーボランティアを通して、やりたい気持ちが強くなっていったんですね。
そうですね。何回も通っているうちに特殊な職業の仲間も増えていき、集まれば強いチームになると思いました。チームアベンジャーズ*1じゃないですけど、年代を超えた仲間ができていく大事さを学びました。

その後、東北や熊本の震災でボランティアに行ったとき、現地の方から、「ボランティア仲間のつながりも大事だけど、自治体以外にも地元のつながりを作っておくのも大事だよ」とアドバイスをいただいたので、地元の京都でつながりを作ろうという想いで現在は減災カフェをやっています。

*1=キャプテンアメリカやスパイダーマンを代表するキャラクターのチーム

ー地元京都でもしっかり実践されたんですね。減災カフェを始めたのはどんな想いからですか?
京都は災害が起きないという話がありますが、備えをしておくのはとても大事だなと各地を回って実感しています。たとえばある被災地に行ったとき、道の半分は昔からの村のつながりのおかげで綺麗になっていたけれど、もう半分は新興住宅地でつながりがなく、誰が倒れているか、誰が整備するか決まっていない状況がありました。

防災も大切ですが、災害が起きたときにすぐに安否確認ができるつながりを普段から作っておくことが大事だなと思い、遊んだりご飯を食べたりしながら災害を防げる方法として減災カフェを始めました。

様々な団体と合同で開催した減災カフェの様子
「人」を「良」く「育」てると書いて「食育ペットボトル」ピザ作り

ー減災カフェでは具体的にどんなことをされているんですか?
若い家族や親子でできるイベントを企画しています。段ボールでピザ釜を作ってピザを焼くなど災害時でも手に入りやすい材料を使ったイベントやゲームを考えて、参加した人が学んだことを踏まえて備蓄品を見直したり、災害を気軽に感じたりするきっかけになればと思っています。

防災や減災って専門の人がやらないといけないイメージかもしれませんが、料理だったら管理栄養士を目指す大学生と一緒に料理考えたり、ピザ釜作りだったらキャンプ好きの方と一緒にやってもらったりと、自分のスキルが実は防災に活かせるということがあると思っています。なので出来るだけ多くの方に活動を知ってもらって、一緒にできることはしていきたいと思っています。

■その人の可能性を信じて

ーSNSで「どんな人でも暮らしやすい社会を作りたい」と書かれていて、とてもいいなと思いました。その想いについて詳しく聞かせてください。
地元で活動していて感じるのが、人の役に立ちたいという思いを抱えながらも、時間やお金の制限があったり、勇気が出なかったりして踏み出せない方がいることです。そんな方たちの、手前にある「やりたい」という想いを全力で叶えてあげたいと思っています。

簡単なステップでも一歩踏み出せば、その後は波に乗って活動できると思っているので、その方たちが輝けることを一緒に考えたり活動とつなげてあげたりして、踏み出すきっかけ作りをしています。

たとえば子ども食堂では、「ここにくればなんとかなる」というテーマでやっていて、地域の方が誰でも来れる場所にしたいと思っています。食べにきてもらっても大丈夫ですし、子どもと一緒に遊んだり、勉強を教えたりして自分の得意なことを活かして地域と関わって欲しいなと思ってやっています。この活動も一人では出来なかったと思いますが、SNSの発信や献立決め、当日の運営は管理栄養士を目指している大学生のみなさんに任せていて、チームの力を感じています。

好きなメンバーが集まってきてみんなの良さを生かすと、素敵なまちになっていく。そんな風に、みんながより社会に還元できたらいいなと思っています。

ーひとりひとりの可能性を信じて接していることが伝わってきます。
そうですね。先日、認知症の70歳のおじいちゃんからウィンドサーフィンをしたいという依頼があったんです。パトランや健康のためのスポーツもされているおじいちゃんですが、「どうしたら出来るだろう、ボードの上に乗れるのかな」とみんなで話し合いました。

最終的に、ボードの上に椅子を置いて琵琶湖でチャレンジすることになり、NHKで放送もしていただきました。そういう形で、障がい者の方も含めてみんなでやりたいことにチャレンジできたらなって思っています。

※ウインドサーフィンチャレンジの様子は、NHKでも密着いただいたようです。
https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/706/

ー今後やっていきたいことはありますか?
僕はデジタルとスポーツが得意なので、それらを掛け合わせて、多世代で交流できる場所を作りたいと思っています。eスポーツを使って子どもや高齢者が一緒に遊べる場を作ったり、VRゴーグルをつけて「今ハワイに浮かんでいます」とか「ヨガやってます」といった障がいを持った方でも一般の方でも楽しめる運動を提案が出来ないかなと思っています。

ーこれから何かしていく人へメッセージをお願いします。
仕事との兼ね合いもあるので、まず無理のない範囲で参加することが大事。「すごいことをやらなくちゃ」と思わなくていいので、本当に簡単なことからで良いと思います。

大人になると自分のやりたいことや夢を語るのが恥ずかしくなりますが、口に出すことで周りが動いてくれたり叶えてくれたりするので、Facebookの書き込みとかだけでもぜひ言葉にしてみてください。何か1つでもやりたい事を宣言してやってみることで、だんだんつながりが生まれて、チームが出来てくると思います。

チームKUSABI HP : https://kusabi.online/
鳥本さんFacebook : https://www.facebook.com/mitsuteru.torimoto

インタビュー動画

インタビューの様子を撮影したので、ぜひご覧ください!

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