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雨と猫と男と女と (上) (140文字小説)

 篠突く雨という形容がぴったりな、激しい雨の日だった。

 形が崩れた段ボールの中の仔猫を、雨から守っている人がいた。

 お世辞にも、顔は良くない。

 彼は猫を連れ帰った。

 猫は毎日、彼のアパートのベランダで日向ぼっこをしている。

 くすっ。今日はあくびしてる。

 彼は、いない、のかな。

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