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償いと涙 (140文字小説)

「さよなら」
 俺の腹に生えたナイフを見下ろし、彼女は静かに呟いた。

 一年前、告白された。
 戸惑ったけど、俺はOKした。
 でも、彼女の秘密はわかっていた。
 それでも、俺は──

 ごめんよ、俺が君のお父さんを轢いてしまったから。

 ──君に償いたかった。

 涙?
 どうして君が泣くの?

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