2024年6月13日文庫本「自閉症の僕の毎日」発売です。
お久しぶりです。作家の東田直樹です。
僕のnoteをご覧くださっている皆様、どうもありがとうございます。
このたび、文庫本の新刊が出版されることになりました。
タイトルは「自閉症の僕の毎日」2024年6月13日に発売です。
この本は、2020年3月に出版された単行本「絆創膏日記」がタイトルを変えて文庫化されたものです。
「絆創膏日記」は、僕が25~6歳の頃、KADOKAWA文芸WEBマガジンでエッセイの連載をしていた文章を書籍化したものです。
文庫化にあたり、加筆修正をしている他、「である調」を「です、ます調」に変換しました。自閉症に関する新しいコラムを加えました。そして、文庫版用に「はじめに」と「おわりに」を書き下ろしました。
この文庫本では、1月から12月まで、1年を通して僕が考えたことを綴っています。
※カバーイラストは本田亮さん、ブックデザインは小川恵子さん(瀬戸内デザイン)です。とても、素敵な本にしてくださいました。
目次を紹介させてください。
-----------------------------------------------------------------------------
【目次】
はじめに
第1章 神様の体温
・相手の心に寄り添う ・意味不明な行事 ・やさしさを求め過ぎない
他20のエッセイ
【コラム】 僕のコミュニケーション方法
第2章 4月のやさしさ
・春という季節の力 ・花たちの幸せ ・揺れ続ける体
他20のエッセイ
【コラム】 こだわり
第3章 るるるの笑い声
・妙な親近感 ・カッパの宇宙飛行士 ・文字たちの行進
他17のエッセイ
【コラム】パニックを回避するための工夫
第4章 ある秋の夜の物想い
・五感をいったんフリーズ ・生きることのベテラン ・月へ旅立つ日
他19のエッセイ
【コラム】スポーツ観戦
第5章 一年を振り返らない
・空を一人占め ・蓑虫になりたかった ・近くにある美しいもの
他17のエッセイ
【コラム】 「時間」と「次にやるべきこと」
詩 空を見上げる
おわりに
--------------------------------------------------------------------------------
単行本のタイトル「絆創膏日記」という題名に興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。
小さい頃、僕は怪我をしたり、痛いところがあったりすると、すぐに絆創膏を貼ってもらっていました。絆創膏を貼ることで、自分が傷ついたということを他の人にわかってもらいたかったのかもしれません。
みんなは、僕が絆創膏を貼っていると、「どうしたの、大丈夫?」と心配して声をかけてくれました。気遣ってくれる周りの人のやさしさのおかげで、僕は元気を取り戻せたのです。
「絆創膏」という漢字には、絆(きずな)と創(そう)という漢字が使われています。
絆というのは、人と人との断つことのできないつながり、離れがたい結びつき。
創には、初めてつくり出す、はじめる、という意味があります。
僕の毎日は、取り立てて珍しいものではありません。それでも、日々起きる出来事に同じものはないのです。
見て聞いて感じるこの世界は、僕だけのものではありませんが、僕にしか表現できない言葉があると思うのです。
僕は日常にこそ、みんなが聞きたい言葉が眠っているような気がしています。
「自閉症の僕の毎日」このエッセイが、読んでくださった方の心の手当てに役立つことを願っています。
どうぞ、よろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?