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転職活動でやってはいけない、と思ったこと

私は転職エージェント、再就職支援と併せて12年間、転職支援を経験。個人としても、直近では約2年前の転職を含めて、5回転職を経験しました。

転職活動をする中で、やるべき事/やった方が良い事は幾つもあります。
一方で、転職支援の経験と、転職を何度かした体験から「やってはいけない事」も色々あるという事を実感しています。

この記事では、私自身の転職経験から「これは、やらなければよかった」と感じたこと。
そして、転職支援をする中で「やっぱりこれは、やらない方がいいな」と思えたことをお話します。
これから転職活動をする方、今している方に、少しでも参考になれば何よりです。

① 約束を破る

1-1 企業との面接の約束

私自身、最初の転職活動は24歳の時でしたが、今思い返してもお恥ずかしい事がありました。

ある大手派遣会社の営業職の面接で、面接日を勘違いしており、開始時間に行かなかった、という事をしてしまいました。
慌ててそれに気が付き、お詫びとリスケのお願い連絡をしたのですが、もう手遅れで、不採用となりました。

しかし、当時の転職活動ではこれで終わらず。
ある医療機器の大手メーカーでは、地図を読み間違えて遅刻
遅刻することが確定した時点で企業側に連絡を入れ、担当の人事の方はとても優しい対応をして頂いたのですが、遅刻して行った面接は、不採用。

この2社は、私が個人で応募した会社でしたが、今度はエージェントから紹介された、医療系派遣会社の営業職の面接。
夜勤明けのお昼の面接でしたが、こちらは完全に寝坊
面接開始時間になっても寝ており、エージェントの担当の方からの電話で目が覚めました。

事情を聴いたエージェントの方は、冷静に「電話ができない状態の病気になってしまった」という理由で企業側に釈明していただくこととなりましたが、企業側からは、「病気であっても連絡がないのは、社会人としてあってはならない事」というフィードバックを頂き、不採用。

エージェントの方からも、「気をつけて下さいね。(あなたが未経験でやろうとしている)営業マンがこれやったら、会社クビですからね」と、静かだが厳しい言葉を頂きました。

個人で応募した案件は、自分だけのことで「やっちゃった」としていましたが、エージェントからの紹介案件については、人に迷惑をかけた実感があった上、怖い言葉もいただいたため、かなり堪えました。

そしてこの時感じたのは、今の自分、社会人としてダメな奴だ!ということでした。
実際この当時、このような状態で転職活動をしていたことから、大卒と24歳という若さの特権だけで面接にはそこそこ行けてましたが、どこの面接も通過していませんでした。

当時勤めていたファミレスの会社でも、アルバイトの欠勤は日常茶飯事。社員であっても、ハードワークな環境から寝坊はあったし(きつく怒られるのだが、クビになどならない)、無断欠勤でそのまま退職/行方不明という事も珍しくありませんでした。

その環境の中で、自分の中でも「時間を守らない、約束を守らないのはあるある」と考えていた節がありました。
実際、その考え方は、転職活動においてもそのまま出ていて、そういう行動をとっていたのです。

転職活動でやっている事は、普段の社会人としての自分自身だと、その時痛感しました。

1-2 エージェントとの約束

転職活動をしている人の中には、求人企業との面接、連絡に対する返信、回答などはきちんと守る一方、エージェントとの約束は十分守らない、という人もいます。エージェントからの連絡への返信、問い合わせの回答や、調整した面談日時などなど。

このことは、そもそも担当のエージェントが求職者と信頼関係を築けていない事に因るところも多分にあります。

また、求職者はエージェントのサービスを受ける「サービス利用者」という立場でもあり、約束を守る義務などがありません。サービスに満足しなければ、当然求職者の心は離れていくことを、エージェント側が認識しなくてはいけない点だと、私は思っています。

ただ、サービスを受ける立場であったとしても、転職活動での自分=普段の社会人としての自分 と考えるならば、サービス提供者であるエージェントに対しても、きちんと約束を守っているほうが良いと思います。そういう人ほど、実際には求人企業からの評価も高く、選考も順調に進んでいったりします。

全く同じ求職者であっても、約束を守らない時は苦戦をしていたのが、約束を守るようになってから風向きが急に変わり、非常に良い形で転職先が決まった、という瞬間に、私自身何度も立ち会ってきました。

1-3 内定受諾後の辞退

企業から出た内定を一度は受諾したものの、後になって、何らかの理由で辞退をする、という事も転職活動の中で実際に起こっています。

内定受諾をすれば、複数人採用でなければ、企業側は選考途中の方にお見送りの連絡をし、募集記事掲載を止め、採用活動を終了させます。
その方が入社する想定で、社内ではPCやソフトウェアのアカウント準備はじめ様々な受け入れ準備を進めていきます。
さらに、その後の人員配置や業務振り分けなど、既存社員の実務計画を変えるということをします。

これらが進んでいるため、内定受諾後の辞退は企業側にとって損失が大きく、また感情的にも到底受け入れられないものとなります。

私自身、転職支援をしている中で、何度かこれをされたことがあります。
また、現職では採用業務もしている中で、採用活動の終了、受け入れ準備、既存社員の実務計画の変更も実際に行っています。

求職者からすると、辞退をする会社=入社しない会社、縁のない会社、と考える人も少なくありませんが、転職活動での自分=普段の社会人としての自分 と考えるならば、別の会社に入社したとしても、形を変え、場面を変えて同じようなことをして問題を起こすことがあるでしょう。

また、転職活動においては、その企業とのご縁は転職活動の時だけではなく、その後も仕事・ビジネスでまた繋がる事が実際にあります。当然、大きな粗相を犯した人に対して、企業側が良い対応をする事はありません。

転職活動は、長い社会人生活の中では重要だけれども一瞬の一コマ。先々のご縁も考えた対応を考えた方が良いでしょう。

② 嘘をつく

転職活動中にする可能性がある嘘の例を挙げると、

  1. 企業やエージェントに対して現在の選考状況を伝える時

  2. 面接/面談のリスケを依頼する時

  3. 面接/面談で、退職理由、転職理由を説明する時

  4. 面接/面談で、自身がやってきた仕事内容などを説明する時

  5. 業務に支障をきたす可能性がある配慮事項(健康面、家族の介護など)

  6. 選考を途中で辞退する時

  7. 内定辞退をする時

などがあると思います。
「嘘も方便」という言葉があるように、私たちが生活をする中では、全てを正直に嘘をつかず過ごす事は現実には難しいものです。あえて嘘をついた方が、円滑に物事が回っていくこともあります。

それでも、上記の中でこの嘘はつかない方が良い、というものを挙げると、

3.面接/面談で、退職理由、転職理由を説明する時
4.面接/面談で、自身がやってきた仕事内容などを説明する時
5.業務に支障をきたす可能性がある配慮事項(健康面、家族の介護など)

があります。
ひっくるめて言うと、【自身の経歴に関する事】となります。

1,6,7については、求職者本人だけでなく、エージェント、求人企業との信頼関係に拠る部分も大きく、信頼関係が築けてないほど嘘が起こりやすい、という面があります。
2については、嘘の議論をする前に「約束を守る」ことの問題と思います。
(それでも破ることになってしまった場合は、時に”嘘も方便”となるかもしれません)。

3,4,5は、実際の採否に影響が出る内容となります。
(5についてはデリケートな部分となりますが、実際にご本人の生活に影響する部分のため、事前相談は必要となります)
もっと言えば、入社後にどういう仕事を任せていくか、という実務の問題になってきます。
採用される、という事は、会社と雇用契約を結ぶこととなります。
契約にかかわることでもあるため、実際、入社後に提出した経歴で虚偽が発覚した場合、最悪、懲戒解雇にもなり得ます。
(懲戒を回避できたとしても、その人への信頼は大きく損なわれます)。

どうしても、採用が掛かってくることなので、求職者の立場として悪いことはできれば言いたくない、という心理も働くもの。
職務内容について、ぎりぎり嘘ではないが、話を盛るという事も実際にあります。

自身の経歴に関する事は、入社後の信頼関係と実務にダイレクトに影響するもの。嘘はつかないことを強くお勧めします。

▼よく話題に上がる「退職理由」の話し方については、下記の記事でも詳しく解説しています。宜しければご覧ください。▼

③ 準備をしない

転職活動における準備としては、やはり面接を受ける前のことになります。
具体的には、

1.企業研究
2.想定質問への回答準備
3.持参物、提出物の準備
4.来社ルート、利用交通機関の確認

などが挙げられます。

3,4は、ほとんどの方がきちんとされていると思います。
ただ、何社も面接を受けていたり、さほど志望度が高くない会社になると、油断して忘れる可能性があるところでもあると思います。

3,4の不備で遅刻をしたり、提出物を忘れたりすると、それだけで不採用になる可能性もありますので、注意したいところです。

1,2 については、面接の場は単なる選考の場ではなく、その会社で働くことになった際、求職者はどのようなキャリアが描けるか?をすり合わせする貴重な場となります。

また、転職活動は様々な会社の話を聞けるかなり貴重な機会。
普段の仕事では聞けない話を聞き、深い会話ができる機会になりますが、それも事前に準備をしていることで、企業側も本気になり、本音で話をしてくれるようになってきます。

私自身、24歳の転職活動は、第二新卒で未経験業界に挑戦しやすい状況でした。
現在携わっている人材業界のほか、メーカー、商社、小売と様々な業界の面接に行きました。その中には、大手有名企業も随分ありましたが、当時はまともな準備をせず、そうした数十社の面接を無駄にしてしまいました。

私自身のこれまでのキャリア、今の自分には満足はしていますが、とはいえ、あの時準備をもっとしていたならば、人生変わっていたかも…と思うことはたまにあります。

この仕事をしていて、年齢と社会人歴を重ねることで、応募できる会社の幅自体は絞られてくる現実を目の当たりにしている中では、準備をしなかったことはとても勿体ない事、と感じます。

準備については、やらなかったらペナルティがある、というものではありませんが、満足のいく転職活動をする上で、お勧めしたいと思います。

④ まとめ

転職活動は、個人としての活動になります。
やった方が良い事、やらない方が良い事、それぞれ実践しなかったとしても、今働いている会社の人に迷惑になったりするわけではなく、義務もありません。

義務がある無、という括りではなく、普段から周囲の信頼を得るための行動として捉えると良いと思います。

最後までお読みいただきまして有難うございました。

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