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映画「銀河鉄道の父」を観た感想

こんにちは、Hideです( ^∀^)

遅ればせながら、ゴールデンウィークに観た映画「銀河鉄道の父」の感想をお話しします。

宮澤賢治没後90年記念の映画です。

小学校の時に夏休みの宿題で宮澤賢治の伝記を読み、感想文を書きました。

今回は、その伝記では知り得なかった、賢治の性格やその家族の物語を見ることができて、一層宮澤賢治への興味が深まりました。

賢治は亡くなってから、評価されて有名になった人です。

お金持ちの家に生まれながら、色々と苦労された人なのですよ。

今回の映画は、賢治の父の目を通して、賢治とそんお家族の絆みたいなものが描かれています。

では、感想をお話ししていきます。

宮澤家は地元で商いをしていて裕福だった

小学生の頃は、伝記を読んでいて、賢治の実家のことまでは知り得ませんでしたが、今回の映画を観て育った環境などを知ることが出来て、違う一面を知れて良かったです。

この映画の主人公である賢治の父、役所広司さん演じる政次郎は岩手県花巻市で質屋を営んでいました。

そこのお金持ちの家の長男として賢治は生まれました。

賢治は裕福な家の長男として育ったのです。

もう50年も前に読んだ、それも子供向けの本でしたので、そこまで詳しいことが書かれていたかも記憶も無いし、もう定かではありません。

とにかくお金持ちの息子だった賢治が「雨にも負けず」の様な詩を書くまでになった経過が、わかったことでこの映画を見た甲斐があったと感じました。

賢治の育った環境と経歴に興味が沸いた

裕福だったので、父政次郎は賢治の希望する学校への進学を許して通わせてくれました。

子供の頃の賢治は成績も良くなく、割と理屈っぽい子供でした。

父に反抗しているような感じにも見受けられました。

下の妹森七菜さん演じるトシと特に仲が良く、賢治同様文学を私する女性でした。後に教師になりました。

賢治の理解者でもありました。結核の為、24歳の若さで亡くなりました。

トシは、子供の頃から賢治の書く童話が好きでした。

トシの臨終の模様を『永訣の朝』という詩で賢治が描写しており、その死去は後の賢治の創作活動に大きく影響を与えたと言われています。

賢治も36歳という若さで結核にて亡くなってしまい、宮澤家は賢治の下の弟が家業を継いでいます。

実家が商売をしていたが、農業学校に進み、卒業後は農民に農業の知識を伝授し貧しい農民に寄り添いました。

子供の頃から、病弱だった賢治は、体を使う農業に触れて、丈夫な人間になりたいと心から願っていたのが、のちに書かれた「雨にも負けず」の詩でわかります。

「最後の一文に〜そういうものにワタシはなりたい」というのがその心情を語っています。

精神的に不安定な面も持っていた賢治 長男賢治を溺愛した父政次郎

ラストシーンで賢治が亡くなる場面で、”父にずっと憧れていて認めてもらいたかった”と初めて告白し、見守る家族が皆涙するシーンは、私も泣かずにはいられませんでした。

ダメ息子で自分が不甲斐なくて、メンタル的にも病んでいた賢治でした。

たまに起こす奇行には驚きました。今まで持っていた私の賢治のイメージとはかけ離れていました。

穏やかで、どちらかというと大人しい人かなと思っていたが、たまに爆発するような行動が賢治の不安定な精神状態を表していました。

父政次郎は長男の賢治を溺愛していて、子供の頃に賢治が病気で入院した時も父自ら付き添っていました。

「ダメ息子と親バカ父の物語」なんて、公開前の予告編でテロップが出ていましたが、そんな面白おかしく言うような物語ではなかったです。

これまでの宮澤賢治のイメージが吹き飛んだ映画でした。

弱い人間だったからこそ、多くの名作が生まれたのだなと感じた

賢治は、体が弱く父の期待に応えられなかったことを、ずっと気にしていて、立場の弱い人たちに寄り添う事のできる優しい気持ちの人だったのだなと感じました。

自分ができないからこそ、描ける世界があるのです。

生前は、出版社から期待はされたものの、全く評価されなかった童話や詩も、死後に多くの人々に感動を与えました。

晩年は、妹の看病をしながら、命を削るように作品を作り続けた賢治には、何か命を掛けて歌を作るシンガーソングライターを重ねてしまいました。

作品は自分の分身であり、命をかけて作るものだと改めて感じました。

だから読んでいる者の心を動かし、感動もさせられるのです。

私も、賢治のように謙虚で人の心に寄り添えるような

「そういうものに私もなりたい」

と感じさせてくれた映画でした。

今回の「銀河鉄道の父」は賢治の父政次郎が主役ですが、父との関係や思い、愛妹のトシの存在と死など宮澤家の家族の絆が描かれていて、賢治をこれまでとは違う角度で見れて知れて本当に良い映画を観させてもらったと思っています。

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