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秋を感じさせた 抒情的な昭和の歌

こんにちは、Hideです( ◠‿◠ )

九月まで日本各地は猛暑日で、暑さが厳しくて夏が終わってない日々が続いていました。

ここ最近は朝晩冷える様になり、やっと秋になったのかなぁ〜と感じています。

現代では、物理的にも豊でITの発達等によりずいぶんと便利になり、生活していても昔に比べると季節感を感じにくくなったように感じます。

子供の頃に聞いた歌は、季節の変化を季節の節目で感じさせてくれました。

昭和の歌は抒情的でした。

今回は子供の頃に聴いた、夏が終わり秋の訪れを感じさせてくれた歌をご紹介したいと思います。

風立ちぬ / 松田聖子 1981年10月7日リリース

作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一

当時のシングルレコード 聖子ちゃんカットのヘアースタイルが懐かしいです

デビュー二年目で7枚目のシングル作品。

アイドル路線から、ニューミュージック系のシンガーソングライターに楽曲の製作を依頼するようになり、そこから松田の音楽性が変わったと思います。

「風立ちぬ」は、シングル・アルバム共に初期の聖子の最高傑作と言える作品です。

当時、歴史に残る大ヒットアルバムで成功した大瀧詠一氏を作家陣に迎え、大瀧独自のレコーディング手法を取り入れ、これまでの聖子のアイドル像を打ち破った作品です。

イントロからの壮大な木枯らしを感じるような重圧なサウンドは、リアルに秋を感じさせてくれました。

それまで失恋を歌ったことのない聖子に、秋のシングルで歌わせて、彼女の音楽性を広げました。

当初、聖子自身はこの歌を「歌えない」と周囲に漏らしていたそうですが、完成したアルバムを聴くと、まだ未成年だった彼女が見事に表現しています。

私は高校二年生だったのですが、松本隆氏の詩も描写がいい具合に描かれてていて、ナイアガラサウンドと呼ばれる重厚なサウンドアレンジにも、これまでにない秋の季節感を感じることが出来ました。

素晴らしい一曲です。

思秋期 / 岩崎宏美 1977年9月5日リリース

作詞:阿久悠 作曲:三木たかし

清純派岩崎宏美 18歳にして大人っぽい色彩のこの衣装もまた秋らしさを感じさせています

18歳の岩崎宏美が高校を卒業して3ヶ月後にレコーディングした曲です。

テレビで見る岩崎宏美は、髪の毛が綺麗で歌唱力がずば抜けていた、正統派で清純な歌手だという印象を持っていました。

当時40歳を過ぎていた作詞家の阿久悠氏の詩を見て、岩崎がおじさんがどうして18歳の乙女心をわかるのだろうと感じたそうです。

今考えると、18歳にしては大人っぽい雰囲気な曲を歌いこなせている岩崎宏美は、後に日本を代表する歌唱力に優れた歌手として成長していきました。

ストリングスのイントロから秋を感じさせる曲で、ファンではない私でしたが、秋に寂しさをグッと感じさせてくれた一曲でした。

昭和の名曲の一つでしょう。

コバルトの季節の中で / 沢田研二 1976年9月10日リリース

作詞:小谷夏 作曲:沢田研二

派手なイメージだったジュリーが爽やかですよね。自ら作ったメロディーも清々しい

沢田17枚目のシングル、演出家の久世光彦がペンネーム小谷夏名義で作詞して、珍しく沢田自身が作曲した逸品。

秋の乾いた風を感じさせるアレンジと、小谷の何気ない秋の風景を綴った詩と沢田の作ったメロディーが絶妙に絡み合って、聴いている者に男女の感情をモチーフに、秋色の季節を感じさせてくれています。

私は大人になってから初めて聴いた曲なのですが、今ではすっかりカラオケでの定番曲になっています。

ジュリーの曲の中では珍しく、素朴でちょっとフォークっぽい曲調ですよね。

派手な沢田研二が秋の歌をしっとりとさりげなく歌うこの曲は、とても素敵です。

秋桜 / 山口百恵 1977年10月1日リリース

作詞作曲:さだまさし

まだ18歳だった百恵ちゃんの笑顔が初々しいですね

当時山口百恵は、阿木燿子(詩)と宇崎竜童(曲)の夫婦コンビ製作の楽曲がほとんどだったが、以前からさだまさしへ楽曲の依頼をしていたそうで、やっと実現した作品。

今思えば1980年に、共演が多かった三浦友和氏との結婚への前祝いにプレゼントした部分もあったのではないかと感じています。

結婚を間近にした女性が、実家で実母と庭で咲く秋桜を眺めながら嫁ぐ準備をしている風景が、歌を聴くとふんわりとモノクロームな映像のように浮かびます。

さだまさしの作った歌は短編小説の様だと、評論家や音楽ファンからも言われていました。

男性のさだが、嫁ぐ前の女性の心理を秋のコスモスになぞらえて作った曲でとても抒情感が溢れていますね。

さすがというよりさだの才能を感じさせてくれた作品です。

後に、セルフカバーして、レコードやステージでも披露している。

哀愁のカサブランカ / 郷ひろみ 1982年7月17日リリース

若かりし頃の、ひろみ郷

作詞作曲:作詞・作曲:B. Higgins, S. Limbo, J. Healy 日本語詞:山川啓介
当時洋楽としてヒットしたバーティーヒギンズの曲のカバーである。

原曲もタイトル通りに哀愁を感じさせる楽曲でしたが、郷ひろみが日本語詞で歌った曲は、日本語の詩で聴くことによりより抒情感が増した。

郷は当時ボイストレーニングを行い、歌手としてステップを一つ挙げようとしていた時期で、印象的なこの曲でその成果をファンに見せられたのは、グッドタイミングだったと言えます。

郷にとっても転換期に良い曲に出会えたのではないかと感じます。

「僕たちは 一つの季節の 主役さ」
の歌詞が、恋に燃えた夏が終わった事を感じさせてくれたフレーズでした。

山川啓介氏の詩は、さりげない抒情感があって素晴らしいですね。

秋に聴いて哀愁に浸りたい時にはぴったりの曲です。

原曲も合わせて聴いてみるのをお薦めします。

より一層哀愁を感じさせられます。
バーティーヒギンズの郷ひろみとは違う太い声質で聴くのも、また別な哀愁感があって良いですよ。

哀愁のシンフォニー / キャンディーズ 1976年11月21日リリース

作詞:なかにし礼 作曲:三木たかし

当時キュートで可愛いイメージにアクセントを与えたのがこの極でした

可愛らしい女の子3人組がミニスカートを着て歌うのが定番だったキャンディーズのイメージを大きく進化させた曲だった。

もとからハーモニーがきれいであったキャンディーズだが、秋を感じさせる曲調とメロディーや詩の雰囲気が、見事にキャンディーズの新しい面を引き出した作品。

季語のような季節を感じさせる言葉は詩の中には出てきませんが、なかにし礼氏の詩は、彼女たちの魅力を引き出す歌詞はさすが、昭和を代表する作詞家だなと感じさせます。

当時、中学一年生だった私から聴いても、乙女が秋の寂しさを歌って大人の世界を感じられた曲でしたね。

昭和の秋の極を彩った素晴らしい作品だと思います。

ひき潮 / 矢沢永吉 1976年9月21日リリース

ソロデビュー2年目で20代の矢沢永吉若いですねぇ〜

作詞:山川啓介 作曲:矢沢永吉

この曲は私の趣味嗜好で今回最後に紹介します。

1975年にCAROLを解散してソロデビュー2年目の矢沢永吉3枚目のシングル作品。オリジナルアルバム未収録。

当時ファンの間ではアルバムにも収められていない名曲として親しまれた。

日本のロック歌手として初めて、日本武道館公演を成功させた時に、ライヴ終了後に会場で客出し曲として、この曲が流されてファンの間でも話題になった曲です。

当時キャロルのベーシスト兼ボーカルとして世に日本のロックを広め、ソロデビュー後もバリバリのロックンロールシンガーとして活躍していた永ちゃんが、初めて歌詞の中で”あなた”という表現をしたのがとても印象的でしたね。

矢座永吉の初期の名曲のひとつでしょう。

自叙伝『成りあがり」によると、広島から出てきて間もない頃に、レコード会社に持ち込んだ曲だそうです。

矢沢本人も思い入れのあった曲ではないかと感じます。

レコード会社からはフォークっぽいと評されたらしいですが、良い曲にはジャンルがどうのなんて関係ありませんよね。

初めて私が聴いたのは中学生の頃でしたが、ロックの矢沢が歌詞で”あなた”とは…衝撃的でした。

曲終盤の
「こんな さようならに なるとわかりながら 真夏のめまいに 負けた二人」
という歌詞が中学生の少年にも抒情的で切なさを感じさせてくれましたね。

やはりHide少年にとって、矢沢永吉氏から凄く影響を受けたのは、間違いないです。

昭和の秋の曲たちを紹介してきましたが、本当に詩もメロディーとアレンジも抒情的でしたね。

季節感を大切にする日本人らしいですよね。

しっかり夏から秋への季節の移り変わりを、秋の寂しさを通じて感じさせてくれました。

日本人にしか出せない侘び寂びを表現していた時代だったかなぁ…と感じましたね。

昭和歌謡は、日本の音楽界のベースになっていることは間違いないですね。
ありがとうございました。

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