今回ダンスイベントを開催しての感想
実は去年の年末、僕たちのイベント2つがコロナ状況の悪化によりドタキャンになりました。長い時間をかけて準備してきたものが一瞬にして全て中止。出演者や関係者、手伝ってくれるスタッフの大勢を巻き込んでいるので中止という決断はとてもじゃないですが、簡単に決められるものでありません。いろんなものが一気に押し寄せてきて、精神的にもとても追い込まれた時期でした。
すぐまた状況が良くなるだろうといつでもイベント開催する心構えをしていました。年が明けて毎日ニュースとにらめっこ。なかなか良くならない状が出口の見えないトンネルの中にいるような感覚でもういっそうのことイベントごとは一旦忘れて他のことに集中しようかと考えました。
しかし、多くの若いダンサーがコロナ渦で練習に励み、それを目の当たりにしている中で、その成果を出せる場所がない環境からはこの国のダンスシーンに明るい未来がありません。僕が若手のころに、どんな状況でも先輩達がイベントを開いてくれたように誰かが引っ張らないといけないことも理解しています。それが現在では自分であることも。
しばらく自分と葛藤を繰り返しもう1度動き出すことにしました。
幸運な事に2月に入ると徐々にコロナ規制も緩くなったこともあって、少しずつイベント開催に光が差し込んできました。しかし、いざ日程を決めるとなると、迷いと不安が押し寄せてきます。
「本当に今イベント開催に動いていいのだろうか?」
「規制の緩和を待って通常のイベントを開催出来るまで様子をみるた方がいいのではないか?」
「でも様子を見たところでまた状況が悪化して長期のロックダウンになったら、あの時やっておけば良かったじゃないか!となるのか?」
といくら考えても前に進まないので、自身の課題である行動力を上げるため、土壇場キャンセルとまたスタッフのみんなに迷惑をかける覚悟で夏中の開催にアクセルを踏むことに決めました。
不安と期待が入り混じる中、幸運な事に年を明けてからのシドニーのコロナ状況が素晴らしく好成績をみせました。政府の対応の厳しさがそういう結果をもたらしたのでしょう。また、まだ集会ごとには多くの規制がかかっていることもあり、会場や参加するダンサーとのコミュニケーションを慎重に行うことで、無事イベントを開催することができました。
会場にきたダンサーの久々の笑顔をみれたことで、それまでのストレスや悩みが一気に吹っ飛んだのを覚えています。
「オーガナイザー冥利に尽きる」とはこのことです。
なかなか行動が起こせない状況、いつ何が起こるかわからない怖さがある中、挑戦出来ることは人生の中でも中々ない経験です。人生経験をますチャンスだと思っています。それを掴むか掴まないかは自分次第。ダメで元々、とりあえず進んでみることの大事さを今回のイベント開催から感じました。行動力を常に高め、これからもダンサー達に笑顔をもっと届けられるようにコロナ渦にも負けず突き進んでいきたいと思います。