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(今朝のひでお)ー2022年1月1日「新聞各紙社説比較」

2022年明けましておめでとうございます。毎年やっている主要新聞の社説比較をしてみたいと思います。

■総論

「コロナ・気候・中国・経済」で問題の殆どは語れるのではないかと思うくらいにそのことばかり。東京2020オリンピックよかったねとか全くありませんし、今年開催の北京五輪のことなどは全く触れず。50周年(1972年)は札幌五輪・田中内閣発足・日中国交回復・100周年(1922年)は大正デモクラシーの途中・150周年(1872年)は学制・鉄道開通・毎日新聞発刊なのであるが、50年区切りの話も産経に日中国交回復50年の話が出ているくらい。国交回復50周年のお祝いムードはないどころか、中国は「民主主義の敵」的な扱いになっている感じさえする論調である。加えて、たまさかだが、左と右の朝日と産経が憲法にふれている。憲法は施行75周年なのである。やはり、いくらなんでも75年同じ憲法のままでは厳しいということか。デジタルについては、データ保護やGAFA独占など総じて否定的な論調が多く、デジタルでどうにかしようという闘うつもりは全くない。やはり、混迷する日本を象徴するような元旦社説であった。各紙個別論に入れば、日経はバランスは取れているが、当然ながら経済寄りの論調であり、毎日は市民運動や代議制の限界とかでつまらない、読売は、長いだけで総花感があり、産経は現憲法を「おめでたい」と揶揄しながらも比較的明るいか。朝日は、データと基本的人権の話を書いており比較的面白い。ひでお勝手格付けでは、今年の正月は、朝日>産経>日経>読売>毎日という順番。

余談だが、社説記者は政治記者もしくは国内キャリアの人が多いのではないかと思う。CN(カーボンニュートラル)とかCOPというキーワードが出てきてないのが超謎なのです。

■日経新聞ー資本主義を鍛え直す年にしよう

新型コロナは経済と社会を大きく変えた。コロナ禍は世界が内包していた問題を炙り出し、分断がこれまでより先鋭化し、経済の根幹である資本主義を揺るがしている。資本主義も、現在は、日米欧の「民主主義型資本主義」と中露など「権威主義型資本主義」がある。民主主義型資本主義は、コロナ禍の安全網は十分なのかという問題と、デジタル革命で「勝者総取り」の問題があり、一方、権威主義型資本主義は、高成長を謳歌したが最近は歪みも目立ち、それ以上に制限監視が厳しくなってきている。振り返れば、資本主義は試練の歴史だ、産業革命から大恐慌、政府の肥大から新自由主義、リーマンショックなどなど。以前は、資本主義の失敗は戦争も招いた。現在の資本主義も制度疲労が目立ち、民主主義を守るためにも改革が必要になっている。21世紀の課題は、地球温暖化・サイバー空間など「グローバルコモンズ(国際公共財)」への対応だ。それぞれ脱炭素革命であり、国境のないデジタル市場での国際的なルールづくりである。これらにはいずれも国際協調が必要だ。今年は、資本主義を磨き鍛え直す、契機の年になれば良い。

■毎日新聞ー再生22 民主主義と市民社会 つなぎ合う力が試される

民主主義への逆風が強まっている。冷戦直後には「世界はいずれ民主化する」という楽観論はもうない。この5年で権威主義的な傾向を強めた国は、民主化した国の数の3倍である。しかも民主国家の中でも権威主義的な政治が幅を利かせている。政治の最も重要な役割は人々の安全と暮らしを守ることである。コロナや気候危機など地球規模の問題に苦慮している。民主政治とは為政者が少数の声も紀き議論を通じて合意を形成する仕組みなのに日本では異論を排除する政治が続き、日本国民の政治に対する信頼度は40%から30%へ急落した。数にものを言われる政治と市民との距離が出ている。沖縄問題などは「民主主義のカナリア」であると言える。現在の民主主義は選挙で代表者を選ぶが、その分人々の声が政治に反映されにくい。市民による政治参加の動きが世界中で活発化しており、代議制民主主義の足りないところを補完できれば良い。夏の参院選でも市民と政治をつなぐ民主主義の力が試されている。

■読売新聞ー災厄越え次の一歩踏み出そう 「平和の方法」と行動が問われる

経済社会の変調と軍事的脅威の高まりという二つの変動が、同時に進行しつつある。新しい発想と粘り強い努力が必要だ。その一歩を踏み出す年である。コロナ禍で傷んだ社会生活の修復に取り掛からなければならない。一時給付金から新しい社会づくりを目指した投資型へ展開すべき段階にある。日本は長期的視点に立った経済活動への転換に取り組み、国際協調体制づくりも率先してやるべきである。民間にある資金を研究機関に対する投資にして、新技術開発で雇用創出につなげる。日本の強みを生かす努力とそれを継承し発展させる人材を育成することが重要だ。経済活動と国家や社会の安全を脅かす行為が複合し「経済安全保障」への対策が急務である。中国の拡大傾向が、軍事的緊張を招いているが、日本は緊張を緩和する努力と同時に、相手に勝てると思わせないための防衛努力も必要である。国際社会でも発信が大事だが、発信力の源泉は国力であり、経済力が豊かで政治的に安定している大事だ。この経済の立て直しと政治の安定こと、岸田政権が取り組むべき課題だ。目指すべき目標と具体策をはっきり掲げ、打って出ることが難局打開が可能であろう。

■産経新聞ーさらば「おめでたい憲法」よ

この国は「おめでたい」国なのである。明るい話をしたい。WHOによる日本の平均寿命は84.3歳で1位、アメリカは77歳で40位、コロナ禍で1.8歳も縮んでしまった。また戦後、戦争は一度もない。ただ、あまりに平和すぎて「いざ鎌倉」の備えができてないことが、大地震やコロナで実証されている。今年は日中国交回復50周年だが、日本は、天安門事件で世界で孤立した中国を円借款や天皇訪問で救って、モンスター国家を作った「おめでたい」国なのだ。世界は米国を中心とした「民主主義国家」と中露を主塾とした「強権国家」が対峙する新冷戦時代に突入した。もしもの事態は迫っているが、憲法や現行法が有事対応の邪魔をしているのであるなら政治家は改めるべきだ。国会は今年こと真剣に憲法改正を議論せねばならない。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」国民の安全を図ろうという「おめでたい」憲法は、もう要らない。

■朝日新聞ー憲法75年の年明けに データの大海で人権を守る

GAFAの行動にも一定の枠をはめて個人を守るべきだという議論がなされている。日本国憲法施行75周年を迎える今年、データの大海であるデジタル空間の有り様を巡る議論を深めたい。フェースブックはメタバース事業に注力するがその世界では、ザッカーバーグが立法者であり、民主的手続きを経てない法が、我々を拘束することになる。その力の源泉は、ネットを通じて世界中から入手する膨大な量の個人情報である。この危うさにいち早く対応したのはEUである。個人情報保護を基本的人権と位置付けている。伝統的に表現の自由を重視してきた米国でも規制の流れがあるが、日本は追いついていない。国民の知る権利とのバランスに留意しつつ、データをめぐる自由と権利を整えていく必要がある。個人の尊重に軸足を置き、力ある者らの抑制と均衡を探っていかねばならない。







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