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久しぶりに無駄に教養が付くかも知れない大人の講座。 今回も「古典」です・・。令和の出典元、・万葉集を読むその2

「恋」って「したごころ」なんだなぁ・・  

 さて、前回で万葉集に詠まれた歌の7割は
「色恋」の歌だと申しました。
そこで、今回は、前回にキーワードで申しました
「紐解く」事を歌ったものをいくつか御紹介しようと思います。

そこには様々な形で「艶な」情景というか、
開けっぴろげというか「お察し下さい」が出てきます。(*/∇\*)

 まず手始めは、第12巻、2851番目の歌

 人に見ゆる 表は結びて 人の見ぬ 裏紐あけて 恋ふる日そ多き
(ひとにみゆる うえはむすびて ひとのみぬ したひもあけて こいふるひぞおおき)

直訳すると、
人に見える上紐は結んで、人の見ない下紐はあけて、
あなたを恋い慕う日が多い。
」となりますが、意味はこうです。

人に見える上着の紐は結んでいるけれど、
下着の紐は結ばず、あなたを恋い焦がれてるのよ。
ということです。

つまり、あなた、あたしは下着付けないで待ってるんだからね、って・・・ちょっとそれは、お察し下さい。v(^∀^*)

つづいておなじく第12巻、3124番目の歌 

 雨も降り 夜もふけにけり 今さらに 君行かめやも 紐解け設けな
(あめもふり よもふけにけり いまさらに きみいかめやも ひもとけまけな)

 雨も降り夜も更けてしまいました。
今さらあなたはどうしてお帰りになれましょう。
私は紐を解いて用意しましょう。
(中西訳)

万葉集研究者の訳だとこうなります。
古語の「設く」は現代語の「設ける」につながる言葉で、
あらかじめ用意すること。
だから「紐解け設けな」は、
「紐を解いてあらかじめ用意しますわね」という感じになります。

つまりはこういうことです。
訪ねてきた男性を引き留めている情景が浮かびますね。
しかも「下着脱いで用意します」って言い寄ってるわけなんですな。
・・今風に言うなら、あたしをベッドに連れてって。

という・・・お察し下さい。(* ̄▼ ̄*)

つぎは第14巻 3483番目のうた


昼解けば 解けなへ紐の わが背なに 相寄るとかも 夜解けやすけ
(ひるとけば とけなえひもの わがせなに あいよるとかも よるとけやすけ)

昼間は、解こうとしても解けない紐が、
あなたには心が寄るからか、
夜には何と解けやすいことでしょう


夜になると、ムードが高まって、そういう気持ちになるんでございましょうね・・お察し下さい。(^_^;=)

こういう自意識過剰なんじゃないの?という歌もありました。
第12巻2866番の歌


人妻に 言ふは誰が言 さ衣のこの紐 解けと言ふは誰が言
(ひとづまに いうはたがことさころもの このひもとけと いうはたがこと)


人妻である私に言い寄るのは誰のおことばですか 
衣の紐解けと言い寄るのは誰のおことばかしら。


言い寄ってきたナンパ男にひじ鉄を食らわしてるのか、
それとも自意識過剰ともとられる御製でございますな・・。

いったいどんなことが行われておったんだ?
第12巻2951番目の歌

海石榴市の 八十の街に立ち平し 結びし紐を 解かまく惜しも
(つばいちの やそのちまたにたちならし むすびしひもを とかまくおしも)

海石榴市の里の道のたくさん交わる辻で、歩き回って出逢ったあの人が、
結んでくれた紐を解くのは、あまりに惜しいことだ。


 まぁ、大都会というか人の集まる場所で
一夜の出会いもあったのでございましょう、
行きずりで出会った人との「あの夜」が忘れられず、
別のひととはもうできないよな~ってな感じなのか
とも思ってしまいますね。( ̄Д ̄;)

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 この二編でで打ち止めにします。
第12巻3181番

白栲の 君が下紐 我れさへに 今日結びて な逢はむ日のため
(しろたえの きみがしたひも われさえに きょうむすびて なあわむひのため)

あなたの衣の下紐を、私も今日結びましょう。逢える日のために。・・・・

お疲れ様でした、昨夜ののことはお察し下さい・・。

第11巻2413番


故もなく 我が下紐を解けしめて 人にな知らせ 直に逢ふまでに
(ゆえもなく わがしたびもをとけしめて ひとになしらせ ただにあうまでに) 

 わけもなく私の下紐を解かせて、
二人のことを人に知らせないでください。
直接お逢いするまでは。・・・


なんかどこかで聞いたような・・。(~ヘ~;)

と、まぁ諸説があって、こんな意味じゃあない
 と怒られる方もおられるでしょうが、
言ってみればこの頃において
恋愛=性愛であったと考えられましょう。

つまり、この当時の恋人達というのは、
現在で言えば夫婦のような感覚で、
心と体の関係はセットだったと考えれば、
こういう表現はありかなとも思うわけです。

つまり、万葉人にはエッチという感覚は
なかったのかもしれないんでございます。
ただ、「つきあっている事実」を人に知られるのは
タブー
だったようでございますな。

しかし、よくよく考えると怖い気もしますけれどね・・・・((((;゚Д゚))))

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