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シリコンバレー・バンク、クレディ・スイスなどにより燻る世界的金融不安

シリコンバレー・バンク、クレディ・スイスなどにより燻る世界的金融不安

クレディ・スイス・グループの破綻は、スイスの金融最大手UBSが同グループを30億スイスフラン(約4,200億円)で買収することでひとまず決着、とはいきませんが、まずは道筋がついたというところです。
しかしクレディ・スイスからの預金流出は止まりません。
そして、AT1債と呼ばれる債券の価値が2.2兆円から一気にゼロとなる見込みだと言います。
このAT1債は、株式と債券の中間の性質を持った証券の1つです。
ATIとは、Additional Tier 1の略です。
金融機関が破綻した際の弁済順位が普通債に比べて低く、なおかつリスクが高い債券です。
AT1債は通常の社債より利回りが高く、世界の運用会社が多くを保有していると言われています。

同グループの業績悪化や不祥事などにより、以前から不安視されていたところに、米国SVBが破綻し、一気に破綻への一途をたどりました。
同グループの株価もじわじわ下がり続けていたところから、一気に急落しました。
今回は、米国から欧州に金融不安が飛び火した形ですが、それが次にどこに移るのか、世界の金融機関は戦々恐々としている状況です。
日本にもこの逆風は吹き込んでくるのでしょうか。
それはまだ分かりませんが、国内の金融業界の変化は少しずつ起きているようです。

舞台は地方銀行です。(シリコンバレー・バンク SVBも米国の中では地方銀行の類です)
地方銀行は、今まで利回りの高い外国債券を増やしてきたとのことですが、代わりに配当利回りの高い日本株のETF(上場投資信託)に資金が向かっていました。
純資産残高は約3000億円と比較的小規模ではありますが、2019年以降では高水準です。
ここにきて、欧米の金利上昇でドルなどの調達コストが増し、外債投資が見合わなくなってきたということが理由として挙げられます。

『安定的な分配金があり、市場で売買できる高配当ETFは使いやすい』
とある地銀担当者は述べています。

ちなみに分配金の利回りは、平均で3~4%。
TOPIX連動型より高いらしく、需要にあっていると言われています。
高配当株ETFの8割程度は地銀を中心とした、いわゆる地域金融機関が占めています。

ETFとは、Exchange Traded Funds の略で上場投資信託。
東京証券取引所など、金融商品取引所に上場している投資信託です。
上場株と一緒、とまでは言いませんが売買の方法は取引所で売買するという点で同じです。

このETF、中でも高配当株ETFに地銀が注目しました。
高配当株ETFの組み入れの中には、メガバンクなどが名を連ねております。

この高配当株ETFが、SVBやクレディ・スイスの件で下落しました。
すぐにどうこうするというようなことはなさそうですが、地銀の高配当株ETFへの注視の目は厳しくなりそうです。
高配当株ETFや金融株の株安に注意をするという点いついては、個人投資家についても同じだと思われます。

『  』内、参考・引用
3/21 日本経済新聞
【UBS、クレディを救済買収】
【きしむ世界の金融安全網】
【地銀、高配当ETFに照準】より
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