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「実質金利が低い」とはどういうことか?

「実質金利」とはどのような金利なのでしょうか。
「実質金利」とは、名目金利からインフレ率を引いた金利のことです。
「名目金利」とは見かけの金利のことで、物価上昇率を考えない金利のことです。

一般的には、お金の価値の視点で見ると、実質金利はプラスになる方が正常な状態だと言われています。
何故ならば、実質金利がマイナスだと、銀行にお金を預けていると、金利以上に物価上昇率が進んでいくことで、お金の価値が実質的に目減りしてしまうからです。
実は国債で運用する際も同じことが言えます。
実質金利がマイナスの状態で、国債で運用すると、物価上昇の影響で損失が発生します。

このような時は
『株や不動産などのリスク資産や、設備投資などに回るマネーが増える』
という動きが出てきます。
実質金利がマイナスであれば、投資の他にも消費も上がり、景気を刺激する効果が増してきます。
つまり、お金を貯め込むよりもモノに交換した方が良いということです。
なんでもかんでも貯金さえしておけばが良いというわけではないんですね。

この「実質金利」が、10年物価連動債利回りでみると世界で日本のみがマイナスなのです。
「物価連動債」とは、物価動向に合わせて元本が変わる国債のことです。
この物価連動債は実質金利としてよく使われます。

新聞記事では日本・米国・ドイツの実質金利を比較したグラフが掲載されています。これを指し
『日本はより緩和的な金融環境で景気に対し刺激的、米独は物価を抑えることを優先し景気に対し抑制的な状況』
としています。

日銀・黒田総裁は
『名目金利が同じでも実質金利は下がっていて、景気刺激効果はより強まってきている。10年金利のゆがみの是正がYCC(イールドカーブコントロール)全体の効果をそぐことは全くない』
と発言しています。

一方、YCCを撤廃しても緩和的な金融環境は維持できるとする専門家もいます。

この実質金利の低下が、政策見直しの根拠にもなり得ると言われています。
インフレ率と実質金利の関係が投資・消費にも影響してくるだけに、日銀の政策を見ていきたいと思います。

『  』内、参考・引用
1/28 日本経済新聞
【日本の実質金利 なお低迷】より
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