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雑記コラム

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物理探査に関係が薄い雑多なコラムをまとめました。
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#研究

秘密基地、持ってます。

アナタだけに、ワタシの秘密をこっそり教えます。 『秘密基地』や『隠れ家』と言う言葉は、男心/女心をくすぐるキーワードです。子供の頃の私にとっての憧れは、サンダーバードの秘密基地でした。大富豪トレーシー家の邸宅であるトレーシー島は、島そのものが国際救助隊・サンダーバードの秘密基地になっています。ボランティアで国際救助をしているトレーシー家は、なんとも型破りな大富豪です。 サンダーバードの秘密基地のような本格的な基地は現実的ではありませんが、小学生の頃に同級生と一緒に、近所の

教育と研究の狭間で

大学教員の重要な仕事は、教育と研究です。医学部や歯学部などの学生さんの大部分は医者/歯科医になるので、大学には”職業訓練的な側面”もありますが、その他の学部については将来の職業が決まっているわけではありません。ただし、工学部では産業に密接に関係した学部などもあります。 今でもそうですが、1年生や2年生の時には基礎的な学問を学びます。九大では昔は六本松地区に”教養部”というのがありましたが、今は教養部はなくなって、学生さんたちは基幹教育と言う名の下で基礎的な学問を学んでいます

目指せ!! ファーストペンギン

連続投稿1000日目を記念する記事に何を書こうか迷いましたが、今後の”決意表明”にしました。 ファーストペンギン(First Penguin)とは、集団で行動するペンギンの群れの中から、シャチやアザラシのような天敵がいるかもしれない海へ、餌となる魚を求めて”最初に飛びこむ1羽の勇気あるペンギン”のことを言います。その勇敢なペンギンのように、リスクを恐れずに初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて『ファーストペンギン』と呼ぶのだそうです。 ペンギ

量より質と言うけれど・・・

年末が近くなったこの時期は、ただでも忙しいのに、卒論・修論に関する研究も最終段階なので、より一層忙しさが増します。卒論・修論を提出予定の学生さんたちは、焦った様子もなく余裕があるみたいですが、指導する立場の私などは「このままで研究結果をまとめられるだろうか?」と胃が痛む思いです。 研究結果をまとめるためには、数多くの実験やシミュレーションが必要ですが、”効率を重視する”学生さん達には、なかなか理解してもらえません。よく聞く慣用句に「量より質」という言葉があります。これは、量

三歩進んで二歩下がる。

”三歩進んで二歩下がる”は、水前寺清子さんの大ヒット曲『365歩のマーチ』の歌詞の一節です。 ♪ 幸せは歩いてこない だから歩いていくんだね 一日一歩 三日で三歩  三歩進んで二歩下がる ♪ ”三歩進んで二歩下がる”なんて、まどろっこしいなと感じる方が多いでしょうが、これには深い意味があるのだそうです。三歩進んで二歩下がるのでは、結局一歩分しか進めません。でも、このまどろっこしい作業を1年間続けると、365歩も進んでいます。この歌は、そのような地道な努力のことを歌っていま

人工石油の話 (追加情報アリ)

ネット界隈では、”人工石油”の話題で盛り上がっているようです。この話が本当なら、大部分のエネルギー源を海外からの輸入に頼っている日本にとっては、願ってもない話です。再生可能エネルギーである地熱資源の開発に多少かかわっている私にとっては、学術的な興味はもちろんありますが、個人的にも興味があります。 これまでも、ミドリムシのような微生物を使って、人工の石油を生産する試みはありました。そのなかでも、(株)ユーグレナは先頭を走っていて、バイオジェット燃料を使って飛行機を飛ばしていま

限界の先に未来がある・・・?

運動でも勉強でも、超えられない壁のようなものがあります。これを限界と言います。競技スポーツでは、世界記録というのがあって、それが人類の差しあたっての限界です。ただし、世界記録は頻繁に塗り替えられますから、まだまだ人類の本当の限界は見えていません。 勉強や学問の場合は、スポーツと違って限界を意識するのは難しいかもしれません。しかし、記憶力などに限定すれば限界はあるのかもしれません。ギネスブックに載っている円周率記憶の世界記録は、日本人の原口證さんが持っていて、2006年10月

東京日帰り出張 でも明日も出張

現在進行中の研究プロジェクトの進捗を報告するため、東京に日帰り出張しました。福岡の家を出た時は雨(早朝は雷雨)でしたが、東京は晴れでした。しかも湿度が高くて蒸し暑い天気でした。 報告会の時間待ちのための控室は、キンキンにエアコンで冷やされていて、それまでの汗が一気に引きました。しかし、あまりにも涼しい?ので、温度を見ると22℃になっていました。私たちに気づかいして頂いたことはよくわかりますが、ちょっと冷えすぎでした。申し訳ないのですが、温度を4℃ほど、上げさせてもらいました

限界突破 ギリギリまで自力で考えよう!

あまり大きな研究成果を挙げていないのでおこがましいのですが、長年研究を続けていると、障壁(解決できない問題)にぶつかることがよくあります。この壁は、直ぐに突破できるものもあれば、なかなか突破できないものもあります。 そんなときは、とことん自力で考えるようにしています。もちろん便利なネットも利用しますし、これまでに読んだ本からアイデアを探すこともあります。とにかく、その壁を突破するための方法を調べて、それを実際に試します。長く研究をしていると、ある種の勘のようなものが働いて、

自分が楽しむのが第一

大学に勤めていると、「どうしてそんな研究をしているんですか?」というような質問をされることがあります。もちろん研究の動機には色々なものがありますが、最も大事なのは”知的好奇心”だと思います。発明は、それまで不便だったものを便利にする具体的な行為ですが、研究は必ずしも成果に結びつくわけではありません。 研究者という人種は、自分が興味があることや、まだ明らかになっていない謎の解明などのために研究を実施しています。工学分野は、経済的なことも考慮に入れなければなりませんが、それでも

私の『数活』を教えます。

世間一般では、○○のための活動、略して”〇活”と言う言葉が流行っています。例えば、結婚するための活動は”婚活”ですし、就職のための活動は”就活”です。また、人生の終わりに備えるための”終活”があったり、子宝を授かるための”妊活”と言うのもあります。 私の朝のルーチンワークは、シューカツならぬスウカツ(数活)です。数学活動、略して数活ですが、実際はそんなに難しいことをしているわけではありません。この数活は、いわば脳の朝練です。朝起きてすぐは、頭もうまく働いていないので、脳のウ

四月馬鹿とエイプリルフール

私がエイプリルフールを知ったのは、小学生の頃でしたから、半世紀以上前のことになります。その頃はエイプリルフールの風習は、日本にはそれほど定着していなくて、エイプリルフール(April Fool's Day)を直訳した『四月馬鹿』と呼ばれていました。いつもは「嘘をついてはいけません」とか「嘘つきは泥棒の始まり」などと言っていた両親が、「4月1日は”四月馬鹿”といって、嘘をついても良い日なんだよ」と教えてくれました。しかし、正直で真面目(?)な私は、子供なりに大きな違和感を覚えま

仕事が一段落

大学教員の仕事は教育と研究ですが、近年ますます研究環境は悪化しています。国からの大学への補助金は減らされたり、傾斜配分となったりするので通常の研究費は雀の涙です。そのため、研究を頑張ろうとすれば”外部資金”の獲得が必須です。 幸いなことに、ここ数年はコンスタントに外部資金を獲得しているので、個人的には満足しています。しかし、研究費はタダでもらえるわけではありません。研究には成果が求められますし、年度ごとの報告義務も生じます。そのため三月末には、様々な書類や報告書を提出する必

どうやら出口戦略が重要らしい!?

現在、研究開発を進めているプロジェクトの推進会議で、「このプロジェクトの出口戦略を考えていますか?」という質問を頂きました。この質問の意図は、「研究開発した成果を、どのような形で社会に還元していく予定なのでしょうか?」ということになります。多額の研究費を投じて実施される研究となれば、研究成果を社会に役立てて有効活用する必要があります。趣味の研究なら、”やりっぱなし”も許されますが、公的な研究ではそれは許されません。 出口戦略(exit strategy)というのは元々は軍事