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雑記コラム

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物理探査に関係が薄い雑多なコラムをまとめました。
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2023年1月の記事一覧

『締切』考

もうすぐ、卒論・修論の締切です。締切は〆切とも書きますが、意味は”取り扱いを打ち切ること”または”その時日”のことを指します。通常は、あらかじめ決められた終了の期日や期限のことです。締切と聞いて、良いイメージを抱く人は少ないと思います。英語では”deadline”なので、まさに死/終末のイメージです。このように多くの場合、締切には何だか嫌なイメージしかありません。 私も締切にマイナスのイメージを持つ一人ですが、実生活ではどうしても締切に追われてしまいます。仕事をテキパキこな

学生さんは大忙し もちろん教員も

毎年この時期は、卒業論文や修士論文の締め切り間近で、学生さんたちは実験やシミュレーション、論文執筆などで大忙しです。もちろん教員も例外ではありません。学生さんの研究指導や論文指導、最後は論文の添削などで大忙しになります。 研究を計画的に実施していれば、締め切り間際になっても慌てることはありませんが、実験やデータ解析がうまく行かずに、締め切り間際にまでずれ込むことはよくあります。これから3週間くらいは、息つく暇もないくらいに忙しくなりますが、この忙しさをクリアできれば、”いつ

私のルーチンワーク

手順や手続きが決まりきった作業のことをルーチンワーク(routine work)と言います。通常は、つまらない仕事や創意工夫の必要ない業務といった意味で用いられることも多いようです。 本来のルーチンワークとは少し違いますが、このブログ記事の執筆(入力作業)が、私にとっての数少ないルーチンワークになっています。ただし、ルーチンワークと言っても、時間を決めて記事を書いているわけではありませんん。ウィークデーは、仕事から帰って食事した後の就寝前に記事を書きます。週末の場合は時間的

九州大学工学部・地球資源システム工学科へのお誘い

私が務めている職場は、九州大学大学院工学研究院・地球資源システム工学部門というところです。当部門の教員は、主に工学部の地球資源システム工学科という学部と、大学院に当たる工学府の地球資源システム工学専攻などの教育と研究を担当しています。 当学科では、”世界で地球規模の問題”に取り組んでいます。WEBサイトのキャッチフレーズにある『Think Globally! Act Globally!』(地球規模で考え、地球規模で行動しよう)は、私が20年以上前に考案しました。といっても元

プロジェクトの成功祈願

白鳥神社という名前は、各地にあるみたいですが、この白鳥神社は、宮崎県えびの市南部の白鳥山北中腹にある神社です。この神社には日本武尊が祀られていて、有名な石工さんが作った日本武尊の石造がありました。神社とか関係ありませんが、白鳥山の中腹には白鳥温泉下湯と白鳥温泉上湯という二つの温泉があります。 応和年間(10世紀後半)、霧島山を訪れていた性空が白鳥山の頂上付近にある六観音御池の畔の六観音堂で法華経を唱えていたところ、白髪の老人が現れて「我は日本武尊であり白鳥となってこの山に住

オミクロン株対応のワクチン接種

ワクチンはモデルナ社製のを3回打ちましたが、オミクロン株対応のワクチンはまだ打っていません。ワクチンが効いているのかどうなのかはわかりませんが、今のところ風邪一つ引かずにピンピンしています。 しかし、有難いことに伊都キャンパス内でオミクロン株対応ワクチンを接種できることになったので、明日、接種したいと思っています。実は、火曜日に接種する予定にしていたのですが、4回目の接種券を紛失していて、ワクチン接種が出来ませんでした。 日頃から、整理整頓ができない性分なので、家のどこか

氷点下を体感!

昨日からの寒波で、気温がぐんぐん下がりました。今朝の通勤時、道路の凍結が心配でしたが、いつもの時間に車で大学に向かいました。車内のカーナビ画面を切り替えて、車外の温度をチェックしたら、最初は0℃でした。しかし、少し走って再度チェックすると-1℃になりました。この車を買って10年以上経ちますが、温度計がマイナスの温度を示したのは初めてでした。 九州に住んでいると、真冬でも氷点下を体感することは殆どありません。結構長く生きてきましたが、”温度計で”氷点下を経験したのは記憶にある

豊後牛のタロちゃん

これは、昨年の久住の調査の時に泊まった温泉宿の女将さんから聞いた、暖かくも切ない話です。 豊後牛というのは、大分県で生産される黒毛和種の和牛と、その牛肉のことを指します。豊後牛の商標は2007年、地域団体商標として登録されているそうです。私の郷里は大分県ですので、実家に帰った時には焼き肉やステーキなどを食べさせてもらったことがあります。 昨年の最初の久住調査の時には、九重町の筋湯温泉に宿泊しました。ここは、川沿いに温泉宿が並ぶ鄙びた温泉地です。我々の探査グループは、メイン

えびの調査日記#5 まとめ

今回が"えびの調査日記"の最終回です。 きのう福岡に帰還した”えびの”のMT調査ですが、実は測定は継続中です。測定の設定では1週間は連続測定が可能な設定になっています。しかし、前回の久住の実験では、原因は不明ですが3-4日後に測定が停止していました。 考えられる原因のなかで一番なのが、”低温による測定機の不具合”です。それ以外にも様々な原因があるとは思いますが、”有力な原因”は低温です。久住の測定では、測定初日が雪で、その後も低温の日が続きました。 今回は、明日からの寒

えびの調査日記#4 腰が悲鳴をあげています。

今日は調査の最終日。前日までの肉体労働で、腰が悲鳴をあげています。MT法調査の測点は、アクセス道路から少し外れた山側にあるので、道なき道を登って行かなければなりません。さらに、測定機材も一緒に持って上がるので、さらに負荷が増えます。 普段から登山やトレッキングを趣味にされていれば何でもない山道ですが、最近デスクワークが続いていたので、久しぶりのハードワークでした。さらに、山登りを終えた後が調査の本番です。 まずは、電位電極を接地するための穴を掘ります。穴が掘り終わると、塩

えびの調査日記#3 鹿の群れに遭遇

本格調査の二日目です。今朝は放射冷却のために冷え込んで、駐車場の車のフロントガラスが霜で凍結していました。コンビニでお昼の食べ物を調達して、いざ出発です。最初の測点に到着したのは、No.3測点でした。この測点に着く直前に、山を駆け上がる鹿の群れに遭遇しました。私が見たのは最後尾の2頭ぐらいでしたが、5-6頭の群だったようです。 ”鹿を見たら縁起が良い”という諺があるのかどうか知りませんが、今日の調査は順調でした。最初の測点は、道からのアクセスが割と良いこともありますが、昨日

えびの調査日記#2 本格調査1日目

今日から本格的な調査に入ります。今日の目標は3つの観測点で測定することです。今日は、調査の視察のためにえびのに来ている(独)エネルギー・鉱物資源機構の方たちと、朝九時にJRえびの駅で待ち合わせしました。 現場に入ると食事ができる店が近くにないので、コンビニでおにぎりやお茶などの昼食を調達して、最初に測定するNo.1 の測点に向かいました。調査の準備は順調で、1時間程度で測定準備ができたました。現地の調査エリアの制約もあり、磁場センサは北から東へ20度方向を変えました。調査準

えびの調査日記#1 現地の下見

この記事は自分の備忘録として書いています。 今日は調査の一日目ですが、本格的な調査は明日からです。今回持っていく実験用の機材は、今週の水曜日に準備されていて、今朝は積み込むだけでした。後ろの荷台がいっぱいになるほどの量でしたが、何とか積み込みました。今回は、野生動物によるケーブルの損傷を避けるため、ケーブルに保護チューブを巻きました。この効果を確かめるのも、今回の実験の一部です。 今朝の10時過ぎごろ、公用車でえびのに向かいました。途中のサービスエリアでトイレ休憩したり、

地震を知り、地震に備えよう。

28年前の早朝、当時大阪に住んでいた義兄から妻のケータイに、「オレは大丈夫だから」という不思議な電話がありました。まだ寝床にいた妻は状況がわからず、「何言ってんの?」と応えると、「とにかくテレビをつけて!」と言われました。仕方なく起きてテレビをつけると、画面には神戸の惨状が映し出されていました。建物は倒壊し、火事が起き、高速道路も横倒しになっていました。 今日は、兵庫県南部地震によって発生した阪神・淡路大震災が起こった日です。あれから、もう28年も経ってしまいました。その後