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『締切』考

もうすぐ、卒論・修論の締切です。締切しめきりは〆切とも書きますが、意味は”取り扱いを打ち切ること”または”その時日”のことを指します。通常は、あらかじめ決められた終了の期日や期限のことです。締切と聞いて、良いイメージを抱く人は少ないと思います。英語では”deadline”なので、まさに死/終末のイメージです。このように多くの場合、締切には何だか嫌なイメージしかありません。

私も締切にマイナスのイメージを持つ一人ですが、実生活ではどうしても締切に追われてしまいます。仕事をテキパキこなす人は、締切を何とも思わないのでしょうが、普通の人は締切に追われることがしばしばです。

では、締切に追われないためにはどうしたら良いのでしょうか?。古代ローマ皇帝で五賢帝の一人であるマルクス・アウレリウスは、”締切に追われない秘訣”をこう言っています。その秘訣とはズバリ「不必要なことをしないこと」だそうです。

何だ当り前じゃないかと思うでしょうが、これがなかなか出来ません。実際には、仕事の遅い人ほど余計なことをしているものなのです。気が散る人、すぐ休憩する人、あるいは優先順位が間違っている人などは、締切に追われる典型的な人です。

また、アウレリウスが指摘する余計なことの中には、ネガティブな思考も含まれています。「無理そうだ」や「できない」と思うことも余計なことらしいのです。このようなネガティブ思考は、余計なものであって、それこそが仕事の障害になるとアウレリウスは言っています。彼は「誰かにとって可能なことなら、自分にとっても可能だと思え」と言っています。何とも、出来る男のセリフです。

この意見に、異を唱える人もいます。その人とは、米国の哲学者ジョン・ペリーです。彼は”先延ばしのススメ”を提唱しています。締切に追われて困っているときに、先延ばしをしろという暴論ですが、これが案外有効なのだそうです。ペリー自身は「この方法を実践することで、かえって生産性を高める」とさえ言っています。彼はこの先延ばしを”意義ある先延ばし”と呼んでいます。ただし、これが有効なのは、先方が締切を伸ばしてくれる場合だけです。

締切に追われている場合、使命感を意識してやり遂げるか、それとも生産性を高めるためにあえて先延ばしするか、あなたならどちらにしますか?。ただし、この決断だけは先延ばしはできません。

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