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歌と星

歌と星

暖かくて晴れた夜、ウネミィは流れ星を探しに開けた草原にやってきました。
しばらく寝そべって待っていましたが流れてくれません。もう諦めるか、そう思って帰りはじめました。
ふと振り返ると、このまま見れないで帰ることが悔しくなりました。もう少し粘ってみよう。
寝そべり直して、新しい眠りの歌を考えはじめました。だんだん調子が乗ってきていいメロディが浮かんできました。
「ミィーミィミィミィミィミィー♫」

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初めてみた卵

初めてみた卵

ウネミィは草むらで見たことない模様が入った卵をみつけました。
なんだろう? とウネミィは思いながら、卵好きのマムシのマムミィに持って行ってあげました。卵をもらったマムミィは喜んでペロッとひとのみ。
どうだった?と聞くと、
「いつもよりちょっと固い感じがして食べ応えがあったよ」
こたえました。
喜んでもらえて良かったと思ったウネミィでした。

チェミィの足音

チェミィの足音

もう少し涼しくなったら出かけよう。そう考えた夢泥棒のチビ猫チェミィはいつもより出発の時間を遅らせてます。

どうしたんだろう? なかなかチェミィの気配が聞こえず布団の中のウネミィは落ち着きません。

しばらくしてそよそよと夜の風が吹き始めました。
「あ! 」チェミィが出かけて行く足音が聞こえます。
「行ってらっしゃい - いいの獲れるといいね☆ 」ウネミィはようやく安心して眠りにつきました。

連休の思い出

連休の思い出

ゴールデンウィークが終わってどんなことして楽しんだのか思い出話に花が咲いてます。タケノコや花の蜜などお土産もたくさんあつまりました。
順番に話が進んでいきます。
どこにも出かけず好きなお菓子の夢ばかり見ていたウネミィは何だか自分のしてたことがつまらないような気がして恥ずかしくなってきました。早くカラスが鳴いてこの会が終わらないかなとモジモジしてました。

そのとき聞き上手のツミィが、
「ウネミィは

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春の夢

春の夢

ウネミィは春の夢探しにやってきました。
人気の夢はもうだいぶ売れてしまってます。
珍しい夢はインターネットで情報が広がって少なくなってました。
今日生まれたばかりのものもあります。
まだ名前の知らない夢を一つ選んだようです。
「今夜はこれみて眠ろう」とウネミィは計画しました。

風が見えた日

風が見えた日

上がるときはこう、下がるときはこう、それで‥
鷹友ツミィが羽の使い方を丁寧に教えてくれてます。
「よくわからないや‥」とウネミィは心の中で
思いましたがいつもより目をキラキラして語るツミィを
見てるのが気に入ってじっと聞いてました。

そのときです。強い風がビューと吹きました。
ふれていた羽がフワッと力強く波打ちました。
ウネミィはその瞬間、いつも透明で見えないはずの風が見えたような気持ちになりま

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チェミイの近道

チェミイの近道

そこをね、曲がって椿の木の間をぬけてくと
近いんだよ。
秘密の近道をチェミィが教えてくれました。いままでずっと遠回りしてたウネミィでした。

目覚めの鈴



暖かくなって坂道をせっせと登ったり下ったりするヒトが増え始めました。
そしてヒグミィが冬眠から目を覚ましました。
「おはよう、おきたんだね。あけおミィ!」とウネミィは挨拶しました。
「おきたー。あけおめ。鈴の音が賑やかになって楽しそうだなって」とヒグミィはこたえました。

山にも春が来ました。

はじまる☆

はじまる☆

毎日が日曜でもあり、月曜でもある‥そんなウネミィにとって楽しみな日々が訪れます。
祝日の前は好きなお菓子の夢を見れるからです。どんな夢を味わおうかな と嬉しい悩みが尽きないウネミィでした。

寝れない日

寝れない日

胸がざわついてなかなか眠れないこんな夜、ウネミィは好きなお菓子を持ってその洞窟に向かうのでした。
そこには同じようにねれない友達が集まってました。
壁に描かれた絵をみんなで眺めながら、
「いい事があって踊ってる‥あのこはおこってる‥やみつきなんだな‥カワイイ‥痛そう」などとあれこれ想像しながらお話するのを楽しむのでした。

そうしている間に夜がふけていき、寝息の音が少しずつ増えていきます。

変わ

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空いた席

空いた席

みんなで何か決める時は必ず空いたイスが一つあります。それは自分達の思いだけで考えずにヒトの目線も大切にするためでした。
はちあわせして傷つけたり傷つけられたりしないために。
今日の話し合いでは咲き始めたイワカガミの道は日没後に通る、ということに決まりました。