バカボン爺の知恵袋、呼吸とミトコンドリア、癌細胞、人は忙しい？

お馬さんは言いました。（このお馬さんは、隣の農園にいます。）
「馬は明日のことなど心配しない。
今を楽しんで、美味しい草を食べれば幸せなんです。」

そうじゃ、お馬さんは、かしこいね。
人は心配事があると呼吸が浅くなる。
人は、１日に2万回から2万五千回くらいも呼吸するのじゃ。
明日のことを心配したり悩みがあると呼吸は浅くなる。
その呼吸を、3分も息を止めたら人は失神するし、
5分止めたら死ぬかもしれない。

「なぜ、そんなにたくさん呼吸するのですか。」
人の体、４0兆個の細胞全部に酸素を届けるためだよ。
４0兆個も細胞のどれもが、常に呼吸で取り入れる酸素が必要なんじゃ。
だから、呼吸は命を維持するカナメとも言える。
呼吸で取り入れた酸素の２５％は脳で使われる。
脳は体重の２％しかないのに、どんどん酸素を消費する。
人の脳は忙しいのじゃ。
「呼吸で取り入れる酸素は、何のために使われるのですか？」
それは、細胞の中のミトコンドリアという部分に届けられる。

「ミトコンドリアって何ですか？」
細胞の中のDNAを動かすエネルギーを作っている。
例えばじゃ、車という車体は、電気とかガソリンがないと動けない。
車に燃料がなかったら、ただの動かない箱じゃ。
同じように、細胞という車体を動かすには、ミトコンドリアが作る燃料が必要だ。
ミトコンドリアは、酸素で人間を動かすエネルギーを作り出すのじゃ。
DNAは細胞の司令塔、司令塔はミトコンドリアは燃料で動ける。

細胞は生きていくための全てを支えているから忙しい。
「馬のように疲れれば休めば良いのにね。」
人は昼も夜も働き続けて、疲れを我慢する。
疲れを我慢すると、酸素をいっぱい使うミトコンドリアも疲れてくる。
疲れてきたミトコンドリアは、酸素をうまく使えなくなってくる。
疲れを重ねるとミトコンドリアは壊れるのじゃよ。
機能不全になったミトコンドリアは、酸素を利用できない。
うまく使われなかった酸素は、活性酸素となって、細胞を傷つけるのだよ。
活性酸素は、猛毒なんじゃ。
車のエンジンから、黒い排気ガスがモクモクと出るようなものじゃ。
これがあらゆる病気のもとになる。
そのエンジンが不調だと、細胞内は活性酸素という排気ガスの公害だらけになる。
排気ガスだらけの細胞は、壊れ始めて、あらゆる病気の原因になるのじゃ。
人間が疲れたと感じるのは、細胞からの危険信号が出ているお知らせだよ。
身体からくるお知らせを見逃してしまうと、疲れが蓄積する。
「やっぱり馬さんのように明日のことを心配せずに休んだ方が良いのですね。」

細胞の工場であるミトコンドリアは酸素を使う所。
そのミトコンドリアを維持するには栄養が必要なんだ。
だから食事をする。
食事の内容が大事だよ。

ここからが大事な話をする。
食べたり消化したり運動など、あらゆる身体機能を動かすエネルギーはミトコンドリアで作られる。
DNAは、そのエネルギーを使って、いわば車の車体のような物体を作っている。
だから、人間は身きている限り、細胞は忙しいのじゃ。

「じゃ、正常細胞と癌細胞の違いは何ですか？」
癌細胞は、身体の機能に役立たない細胞だから、
ミトコンドリアのエネルギーをあまり使わない。
糖分を栄養として、ゆっくり成長する。
「癌細胞は、役に立たたずの細胞なんですね。」
そう癌細胞は役立たずの細胞だ。
癌細胞というが、役に立たない細胞なんじゃ。
癌細胞は、毎日に数千個生じるけど、免疫力で常に掃除されている。
だから、普通は、癌細胞が５ミリのかたまりに成長するには１０年もかかる。

「癌細胞の成長は遅いのに、なんで癌病になるのでしょう。」
その原因は、日々の生活習慣から来るのじゃよ。
日常の生活で、
働きすぎたり、
睡眠不足だったり、
疲れを我慢したり、
ストレス過剰でも、それを心配し続けたり、
欲求不満があっても我慢したり、
身体を休養させない生活をすると、ミトコンドリアが機能不全になる。
エンジンが黒い排気ガスを出すようになってくるのじゃ。
ミトコンドリアが弱ることで、免疫細胞も弱る。
免疫細胞は、身体の防衛システムだから、エネルギーをたくさん使う。
じゃから、ミトコンドリアが不調になると、免疫細胞も弱るのじゃ。

ミトコンドリアで使われない酸素は、活性酸素を作ってしまう。
活性酸素で、体を作っているDNAが傷つくと癌細胞になる。
つまり、不健康な生活を続けると、
ミトコンドリアが機能不全になり、
免疫力が弱り、
次第に癌細胞の掃除が間に合わなくなって、癌細胞が育ち始める。
「やっぱり、お馬さんはかしこいです。
今を楽しんで、美味しい草を食べれば幸せなんです。
明日のことを心配せずにのんびりしています。」
そうじゃ、
明日のことを心配せずに、
頭を空っぽにして、
ぐっすり寝れば、
健康は授けられる。