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【妖狐×僕SS】藤原ここあ先生を悼んで紡ぐうた【二次創作イラスト・オリジナル曲】

私にとって【妖狐×僕SS】という作品は非常に特別な存在です
今でこそアニメというものは大好きなのですが
割と年齢を重ねるまであまり触れてこない文化でした。

ただ、昔から漫画は大好きで、
イラストを勉強する専門学校にも通ってもいたのですが
一番の趣味である音楽を聴きながら視聴することが困難である
という理由から、あまり積極的に触れてこなかったんですよね。

まだアニメを嗜んで10年経っていないのです。


【妖狐×僕SS】の思い出

テレビ放送時はリアルタイムで追いかけることは叶わなかったものの
せめてDVDだけは集めようとパッケージ版に手を出しました
それがまさにトリガーとなるとも知らずに。

まず、アニメの出来は素晴らしいの一言。
絵はキレイだし、色彩はこだわりのバランスが垣間見え、
ストーリー構成も単行本2巻分にだけに絞り、
ありがちな駆け足展開にはせずジックリと各話をなぞり
見事な妖怪執事物ラブコメディに仕立て上げられていました

原作ファンは知ってると思いますが
ここから因縁やら怨念が渦巻いてバトル物やら歴史改変物やら
タイムリープ要素まで孕んで劇的展開を見せる
のですが
アニメ第1期ではその部分は一切匂わせずに終わっているのです。

そう、単行本は11巻刊行されているのに、
ごくごく最初の方しか映像化されていないのです。

もしもご存命であれば第2期はどこから始めたのだろう、
むしろ単行本7,8巻あたりまで飛んで
"2周目"から第2期第一話として放送して
その違和感を紐解いていく展開にしてみたら面白いのでは
……
等と妄想が捗ったりもしました。

その展開を知っていたから、
声優陣はあんな発言を繰り返していたんでしょうね。


オープニング曲がまさかのヴィジュアル系だったというのも
私が入る間口としては最適でした。
それまで"ちょっと好き"だったムックを”大好き”にまで押し上げます。


声優陣も素晴らしく、演技はもちろんなんですが
それぞれのパーソナルをいたく気に入りまして。

DVDの副音声。これが超曲者。
ストーリーは多少見つつもおおよそ掛け合いだけで30分笑わせてくれる

これがまさにザ・カルチャーショック。
……え?声優ってこんなに面白い人達がなるものなの?
芸人顔負けのフリートークじゃん。

やばい、もっとこの人達が喋ってる音声が聞きたい
そうだ、ラジオはやっていなかったのか?
アニメと言えばそれに付随したラジオをやっているはずだ!

……やっぱりあった、「ラジオ・ド・章樫」
全7回。各号室同士の掛け合いラジオだ。
――これもバカ面白い!

そしてDVD特典についている応募用紙。
なるほど、リアルイベントもやっていたのか
よし、それが収録されたDVDも発売するらしい。

なんだこれは……面白すぎる高純度のコントではないか。

今になって思いますが、この
日高里菜・中村悠一・細谷佳正・日笠陽子・
江口拓也・宮野真守・杉田智和・花澤香菜

というメンツが特別面白い人たちだったということがわかりました。

彼女らが第2期を熱望していたこの作品
今からでも手を付ける猛者は居ないものか……烈に希望いたします。

特に私は日笠陽子に入れ込んでおりまして
女性声優で一番好きだと公言しています。

彼女がニコニコ動画でやっている番組「お日様ぐみ」では
まさにここで出会った日高里菜を相方に選んでおり
番組内でも幾度か「いぬぼく」について触れており
思い入れの強さが伺い知れます。


こうしてアニメの素晴らしさと同時に声優への尊敬も加算され
私のアニメに対するリスペクトが芽生えました。

それ以降アニソンの収集範囲も一気に広がり
音楽ライフもさらなる充足を覚えることになるのです。
(まぁ、余計時間が足りなくなって引きこもりたくなったわけですが)


藤原ここあ作品の特徴

私はわたしの狼さん。の発売当初よりの大ファンです。

中学生で賞を受賞した彼女の初の連載作から惚れたのです。

貧乏で非力で健気なとこだけが取り柄の勇者が
世界を統べる魔王に惚れられて四苦八苦する内容。
【dear】シリーズや短編集もすべて購入しておりまして
こちらも世間知らずの田舎娘が不老不死の傭兵とアレコレする内容。
【いぬぼく】は更にその関係性が登場人物全員に及びます。

基本非力な少女を特別な力を持った青年が護る構図となるので
昨今の女性蔑視強硬派は黙ってなさそうですね。笑


絵柄の特徴としては、キャラクターデザインは
女性キャラは男性向けの、男性キャラは女性向けの"萌え"に特化
しており
その絶妙なバランスが琴線にドンピシャだったりします。


そしてストーリーは、勧善懲悪なものは一つもなく
悪役というものが存在しない世界観で描かれることが多いです。

基本ファンタジーバトル要素も孕んでいるんですが
あくまでそれはアクセントに過ぎず、
おおよそ心情の移り変わりや群像劇に重きが置かれていて
媒体は少年誌ですが、その実態は少女コミックのほうに近い感触ですね。

それこそ、先述の通り
彼女の好みのシチュエーションというのはかなり明確に示されていて
【妖狐×僕SS】連載終了後に着手した新連載は
【わたしの狼さん。】の設定に酷似しており
男性の庇護欲に任せきりな設定であることが極まっています。



藤原ここあリスペクトの二次創作

実は、彼女とは、私は同じ年齢だったりします
つまり、彼女のデビューと同時にずっと憧れの存在でもありました。
それも思い入れの強さに十分影響はあると思います。
同時に、その若さでこの世を去ったという事実にも胸が痛みます

もっと彼女の作品を読みたかった……
そんな同志はきっと多いことでしょう。


私はあまりにも作品への思い入れが強すぎて
【妖狐×僕SS】の二次創作として作成した楽曲が5曲ほどあります。

各楽曲の詳細はまた別の機会にということで、
その中から少々紹介させてくださいませ。


凛 [vocaloid demo version]

一回目の百鬼夜行へ赴く凛々蝶の心情を表してみました
目を覚ましたら双熾の姿がなくて、
焦って外へ繰り出すときのあの場面です。

バトルモノらしく緊迫感のある感じで、和風トランスに仕上げてみました。


[vocaloid demo version]

凛々蝶の双熾への想いを詩にしてみました
作中の台詞も多用していて、
先祖返りという運命を背負って付き合っていくことに焦点を当てています。

普段詩先で作ってるんですが、初めてコード進行から作成した曲です。
(だからメロディが慣れてなくてとってもムリヤリ感……苦笑)


そして、故人を思う曲として先日上げたモノのデモも並べさせて下さい。
これは私の友人へ捧げる曲ですが、時期がちょうど重なったので
上記と並べて収録し配布しておりました。


蒼穹のフュネラル [vocaloid demo version]

イラストは曲とは関係ないです。苦笑
【妖狐×僕SS】で私が一番好きなキャラ:鴉丸クロエ。
……まぁ彼女、アニメに出てないんですけどね。



Afterword

彼女の作品に出会っていなければ、
彼女の作品がアニメ化していなければ、
【いぬぼく】の声優が彼女たちでなかったならば
私のアニメ遍歴は始まっていなかった
という記事でした。

実際、【dear】の時点で彼女の存在は特別だったんですよ。
更に本音を言うと、【いぬぼく】より
【dear】シリーズのほうが好きだったりもします。
めちゃくちゃ面白かった。

人の輪から少し外れた者たちの生き方という視点での解決の仕方が
とても平和的で理論的でもあり感情的でもある持論が透けて見えて
なんだか普通に生きられない自分と重ね合わせていました

【いぬぼく】もそういう世界観ですよね。
思うように生きられない凛々蝶にものすごく共感していましたよ。
いちばん感銘を受けたのは蜻蛉ですけどね。
彼のように生きてみたいです。

ふははは、悦いぞ悦いぞ~


次回の更新は4/2(土)になります。

多分前回上げなかったアニソン作曲家語りになります。

よしなに。



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