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2023夏 環境系学生未来塾 その2


1.小さきことの大きさを知る

苔は豊かな土壌のはじまりであると知った時間

 今でも大きく捉え方が変わったなと思うのは、コケの偉大さを知ったときだった。

 土壌がなければ、植物も微生物も、最後には動物も、生きていくことができない。なぜコンクリートに種子植物が生えているのか。それは、地衣類やコケ植物が進出し、朽ちて、微生物の分解が起こり、そこに土壌ができるからだ。

 屋久島に生えている物珍しいコケには目が行っていたが、そこら辺に生えているコケについては思いを馳せたり、考えたりすることもなかった。

 コケが生えているということは、そこから豊かさを育むサイクルが始まっているということ。つまり、コケが生えているということは希望なんだ。

MOSS OCEAN HOUSE いまちゃん の言葉

 たかが、コケだが、されど、コケなのである。

2.日置市若者未来会議

 全く脈絡のない見出しが来たと思いますが、大丈夫。
繋がってます。(笑)

日置市で開いた『オリーブ畑で対話・内省するイベント』

 日置市長である永山さんが主導で開いてくださった
『日置市若者未来会議』(今年は第二期も開催済み)

 自分の過去・現在と向き合い、未来をその延長にあると仮定したときに、自分に踏み出せる一歩は何だろうと内省・対話をするイベント。

 この中で、良い企画とは、社会のニーズと自分のニーズが重なるところに生まれるということを学んだ。簡単に言うと、参加者がいなくても自分一人でも楽しめるみたいな感じ。

 このイベントの中で、僕が踏み出す一歩として上記のイベントを企画し、実際にやってみた。
 鹿児島オリーブの水流さんにご協力いただきながら、定員4人という小さな規模ではあったけど、2人の参加者にも来てもらえて、無事実施できた。

 しかし、目指すところにいる人たちとの比較がどうしても生まれてしまって、小さすぎるこのイベントに自信を持つことができなかった。

 そんな中での、1.におけるコケの話。

 この一歩は、これだけ見たら微小な一歩かもしれないが、自分にとって大きな意味を持つ一歩であったのだと再解釈でき、過去の自分を肯定することができた。

3.そこに何を見出せるか

 1.でも2.でも『小さなことの大きさ』について語ってきたが、
それこそが物事を極めていく過程であり、道なのだと思う。

 例えば、勉強に関して。
 意味があるから、役に立つから勉強しているわけではなく、勉強したから世界の見方が深まったり、新しく見えたりする。

 僕は、普段は人の健康について研究しているが、いつだって、
身体の複雑性や精密性に驚かされる。
 
言い換えると、勉強するにつれて『当たり前』が『当たり前じゃなく』みえてくるということ。

 何が言いたいのかというと、
勉強すればするほど、(その道を極めれば極めるほど)
小さなことの大きさを知っていく
ということ。

 身長を超える雪だるまも最初は手のひらに収まるほどの小さな雪玉だし、
 『凡事徹底』とか『神は細部に宿る』とか言うし、

初心者ほど最初の一歩(小さいこと)を軽視しがちだが、
熟練するについてその大きさを知っていくのだと思う。

 僕が生まれたということは僕にとってはあまり感動的なことではないが、
家族や関わってくださった沢山の方々は、それが奇跡であったと知っている。

 いつからだろう。能力や才能があるかどうかでその人の価値が決まると思い込んでいたのは。

 Just only moss, but great moss.

 僕もコケに世界の豊かさのサイクルの起源を感じられるようになりたい。

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