見出し画像

[二十四節気:大暑]ズッキーニとイワシの南インド風カレー

二十四節気カレー「大暑」

二十四節気「大暑」

2024/7/22〜8/6「大暑」。

地球暦が示す大暑

暑い6月から長い雨の7月…梅雨も明けて、やっと夏らしくなったと思いきや、7月19日には夏の土用入りで僕らの生活のリズムの水面下では季節は秋へと進んでいます。そして本日は「大暑」。
この字面のとおりの暑さが日本列島を包んでいます。
大暑が終われば次は「立秋」。あっという間ですね。

この夏のエネルギーのお陰で、春に植えた種が7月の長雨で少し成長が遅れていましたが、梅雨明けから一気に育って、産直市場は夏野菜フィーバー。
カラフルな野菜が市場にいっぱい並んでいるとそれだけでテンションが上ります。とはいうものの、やはりカラダは疲れているものです。
土用は「土の中の働きが活発化する時」といいますが、僕らのカラダの中も細胞が動き出して、スムーズに秋へ移行できるように「疲れ」を感じさせることで調整を図らせる…そんなイメージを持っています。

そう、この疲れがピークの時に何を食すか?です。
いうまでもありません。
僕らの研究題材でもあるスパイスカレーです。

大暑のカレーは色んな種類のズッキーニで

7月22日大暑に受け取ったソヤ畦畑の季節の定期便

飛騨スパイスカレー研究所のある飛騨古川には「ソヤ畦畑」という自然栽培の野菜を育てている農家さんがあります。
ここの野菜は味も見た目も栽培過程も情報量が多くて、美味しさはもちろんのこと、生産者の森本さんと話せば惹き込まれるし、SNSにアップされた記事はどれを読んでも学びが多いです。
今まではココの野菜がたまに古川の町中で販売される機会に買っていたのですが、今年は初めて「ソヤ畦畑」の季節の定期便を取ることにしました。
そしてその第一回目の定期便がまさに「大暑」の7月22日。
定期便といっても同じ古川町なので、彼らの選別場まで受取に行く仕組みになっています。
色々な種類の野菜がある中でひときわ目立つのが数種類のズッキーニ。
もともと「大暑」のカレーはこの季節の定期便の野菜を使うことを決めていたのですが、選別場の情報量をかっさらてっているズッキーニでカレーを作ることにしました。
そういえば「小暑」もズッキーニ使っていましたね…
でも今回は更にスペシャルです。

ソヤ畦畑のズッキーニ

「ズッキーニ」の原産地は北アメリカ南部やメキシコ北部といわれていますが、現在の細長い形の品種は19世紀後半にイタリアで誕生したもの。 その際にイタリア語で〝かぼちゃ〟という意味の「zucca」に〝小さい〟の意味を加えた「zucchina」と名づけられました。

ダイエー食の情報

「ソヤ畦畑」では6種類のズッキーニを栽培しています。
イタリアやフランスの伝統品種(固定種)3種類と、普段僕らよく目にするダイナーやゴールドラッシュ、ゴールディーなどの改良品種3種。
改良品種とはいわゆるF1種と言われるもので、「優性と劣性(品種が優れているか劣っているかということではない)の品種を交配して採種した種には、必ず優性の形質を持った種ができる」という、メンデルが発見した「優劣の法則」を利用した技術で作られた種からできたもので、この種からの自家採種はできない。
F1種と言われると種子法廃止や種苗法改正などのキーワードで語られる多国籍企業による種子ビジネスや植物としての不自然さなどネガティブな要素が先に思い浮かぶことが多いと思います(僕もそうでした)が、以前生産者の森本さんと話をした時こんなことを言われたのが印象的でした。

「F1種のそういうネガティブイメージがあるのもわかっていますが、農家の助けになっている部分も多いんです。例えば、この固定種のズッキーニ葉っぱはとても大きくて、下にあるズッキーニを隠してしまうから収穫の時は見つけるのが大変だけど、品種改良されたズッキーニは葉っぱにスリットが入っていてその隙間からズッキーニを確認できます」
なるほど、種子ビジネスとは別に本当に農家を助ける改良がなされているという現実もあるのだな…ととても学びになりました。

そして今度は今年の話。季節の定期便を取りに行った時に森本さんに「今年は野菜の出来はどうですか?」とお伺いすると
「7月の長雨で成長が遅れたけれど、固定種は大きな葉っぱのお陰で雨から守られたので良かった。例年より少し遅れたけれど瑞々しくて美味しく出来ています」とのこと。

いや〜、深い。
前の話も含めて、森本さんの話は農家目線の話なんだけれど、そこには常に野菜の気持ちも入っている…そんなことをいつも思います。

【ズッキーニとイワシの南インド風カレー】

ソヤ畦畑のエディブルフラワーが夏っぽくて良い

前回の「小暑」はズッキーニを使った夏野菜のレモンキーマカレーでしたが、今回はソヤ畦畑の4種のズッキーニをつかった、ズッキーニが主役でゴロゴロ入った南インド風カレーを作ることに。
最近は飛騨カレー部の皆さんからのインスパイアで南インド風のカレーをよく作っています。
僕はココナッツの風味がとても好きなので、ココナッツオイルやココナッツミルクを使う南インドカレーに思いっきりハマってしまいました。どうして南インドではココナッツオイルやミルクを使うのだろうか?と調べてみると、有数のココナッツ産地なんですね。ナルホドナットクです。
テンパリングの段階から終始ココナッツの香りに包まれる贅沢を味わっています。

最近この「とろイワシ水煮」にハマっています。

スパイスは「基本のカレーパウダー」をベースに、カレーリーフとマスタードシード、フェンネルで風味づけします。
あと最近よく使うのが「オーガニック梅酢」。コレがなかなか南インドカレーにあいます。タマリンドの代わり?になっているのかな…?
今回はイワシの水煮缶を使うので梅酢との相性も良くてとても美味しく出来ました。
あと、どうしても、もうコレはオートマチックに、気がついたらレモン絞ってます…もちろん、オーガニックです。ハイ。

バスマティライス

お米は南インドでは主食のバスマティライス。
サラサラのカレーに、サラサラのお米。
油断していると「飲み物」になってしまいそうですが、
あえて言います。カレーは「食べ物」です。
でもインドのカレー事情を調べてみると、北インド〜東インド〜西インド〜南インドと、本当に食文化はその地方の気候に合わせて作られているのだなぁと思います。近年だんだんと熱帯化?してきている日本の夏にも南インド風のこのサラサラ感がよく合います。

半白きゅうりのアチャール

半白きゅうりのアチャール

付け合せのアチャールは作り置きのレモンと梅のアチャールだけのつもりでしたが、季節の定期便に沢山の半白きゅうりが入っていたので(実はうちの畑にもソヤ畦畑から購入した苗で半白きゅうりが育っています)即席で半白きゅうりのアチャールを作ってみました。
いつもの浅漬けアチャールですが、やはりこの半白きゅうりは瑞々しくスッキリした味わいがアチャールによく合います。

今回付け合せのアチャール

と、こんな感じで自然栽培で育てられた貴重なズッキーニとイワシをメインに整腸や消化を助ける作用、体温を上げたりデトックスにより免疫力を高める作用が期待されるスパイスが沢山入ったカレーとバスマティライス、そして半白きゅうりのアチャールに今回も梅とレモンのアチャールを添えて、ウナギ以上にカラダを癒してくれるそんなカレーになりました。
ズッキーニがかなり沢山入っていますが、バスマティライスだと食べられちゃうという不思議。ズッキーニそれぞれの味わいや食感が楽しめます。
ズッキーニをカットする際に、種類別に切り方を変えておくと食べる時に楽しめますよ!
皆さんもぜひチャレンジを!

【レシピ】

材料 ー4人分ー 
□イワシの水煮缶 1缶(150g) 
□玉ねぎみじん切り 1個分 約200g
□にんにくみじん切り 10g
□生姜みじん切り 14g
□トマト 1個
□基本のカレーパウダー 大さじ2
□ズッキーニ ダイナー(緑色) 1本 
□ズッキーニ トンドチアロ(緑色丸)1/2個
□ズッキーニ ゴールディー(黄色丸)1/2個
□ズッキーニ ルゴッサ(白)1/2本
□青唐辛子 1/2〜1本 (お好みで)
□塩 小さじ1/2
□梅酢 小さじ2
□ココナッツオイル 大さじ3(なければ米油でもOK)
 ※ココナッツ風味が増します
□植物油(米油) 大さじ2
□ココナッツミルク 200g 
□国産有機レモン 1/ 2個分 (レモン汁大さじ1)
□水 150g
□バスマティライス 2合

-A-テンパリング用ホールスパイス
□カレーリーフ(乾燥) 10枚
□ブラウンマスタードシード 小さじ1
□フェンネル 小さじ1

【作り方】
□下準備
・ズッキーニは乱切りにして植物油(米油)大さじ2とAでテンパリングした油で事前に軽く炒めておく。
・玉ねぎはみじん切りにして、少量の塩(分量外)を振っておく
・ニンニク、生姜はみじん切りにしておく
・トマトは角切りにしておく
・バスマティライスは軽く洗い水に30分さらしたあとに、水分を切ってから沸騰したお湯で10分程茹でてザルにお上げておく。
※バスマティライスの炊き方はコチラの記事「オーガニックバスマティライス」をご参照ください。

1.鍋にココナッツオイル大さじ3(米油でもOK)を入れ、みじん切りの玉葱を少し色づくまで強火炒めたら、弱火にしてみじん切りのニンニク・生姜・カットトマトを入れ水分を飛ばしたら、塩小さじ1と基本のカレーパウダー大さじ2を入れ弱火でよく混ぜておく。
2. 1に「いわしの水煮」缶詰を汁ごとと、事前に炒めておいたズッキーニ・梅酢を入れ全体を混ぜ、そこにココナッツミルクと水を入れ弱火で10分程煮込む。
3.お好みでレモンを絞り(オーガニックレモン推奨)、塩で味を調整したら完成。

ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。

基本のカレーパウダーはコチラからご購入いただけます!

新商品【ビリヤニ&スパイスカレーキット 4食分 バスマティライス付き】が便利です。コチラからご購入いただけます!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?