山口真吾3

未来の美容師さんに【これだけは言っておきたいこと】


〜美容師を目指す若者へ、現役美容師からの応援メッセージ。〜
現役美容師さんから「はたらくこと」「ぼくたちができること」をテーマに、お話を伺いました。
美容師さん一人ひとりから、
美容師として、
社会人として、
一人の人間として、

伝えていくこと、教えてあげたいことをお伝えしていきます。
(ハタラク ビヨウシゴト ノート )


No.1  山口真吾さん(huit8) 大阪府大阪市


カラー講師として全国で公演を行う山口氏

ハイライト・ローライト・3Dカラー・インナーカラー・・・
今は空前のデザインカラーブームです。
自身のインスタグラムのフォロワーは6400人を越え、20〜60代の幅広い層の女性達が
理想のヘアスタイルを求めて山口氏の元へ集まります。
講師として、教えに行った全国の美容師さんからは
「山口さんの講習を受けて意識が変わった」「山口さんのおかげで苦手だったSNSも使えるようになった」など
称賛の声が届きます。
(事実、私たちhicのインスタグラムで山口真吾さんインタビューを告知したところ、早い段階で “買います!” とご連絡いただきました。※インタビュー記事はネット配信のみになります)

しかし、そんな山口さんも実はカラーが苦手な美容師だった?!

なぜ彼はカラーのスペシャリストになったのか?


その道程をこれから美容師になるあなたへお話します。



«ハイトーンカラーのお客さまがきたら、ちょっとビビって怖かったそんな自分を克服したかった»

ぼくはなんとなく美容師になったので、東京とか心斎橋とかで勝負したい!!って気持ちもなかったんです。
勤め先も家から近いところを選んだし。
今振り返ると、美容師になることがゴールになっていました。
美容師ってオシャレで楽しい仕事、華やかでイケてる仕事ってイメージがあって。

だから、そんなイメージだけじゃないって分かって、
ぼく一度美容師辞めてるんです。(笑)
辞めて一年くらいパチコン屋さんで働いていました。(笑)
でも、パチンコ屋さんで働いていても、“おれは美容師だし”、みたいな変なプライドも残っていたし、
なんかモヤモヤしたのが消えなかったんです。
美容師時代の先輩や同期とは連絡を取り合っていたので、そのうち
「(huitの)会長が気にしてるよ」
「お客さんも山口さんは元気か?って聞いていたよ」
なんて言われだすと、“やっぱりもう一度美容師に戻ろう”という気持ちが湧いてきて、
同じ会社に出戻りです。(笑)

ぼくを気にかけ続けてくれた会長や、同僚や、お客さんにとても感謝をしています。
ぼくを美容師に戻してくれたから。

出戻って、一から再スタートを切り出しても、特に一生懸命勉強したわけではなかったんです。
何となく美容師としてやっていける状態でしたから、プレッシャーを感じることもなく、
何となく美容師をやっていた。
だからですかね、20代前半のことってあんまり思い出せないんですよ。

ある年の初め、「今年の抱負」みたいなことを考える機会がありました。会社の年始めのときに。
その時、この一年はカラーの勉強をしてみようと思ったんです。
ぼくは、もともとカラーが苦手だったんですよ。
当時ハイトーンカラーのお客さまが来たらちょっとビビって怖がっていたところがあったんです。
だからただそれを克服したかった。
それがきっかけでした。

まさか自分がカラー講師をする美容師になるとは思っていなかったです。(笑)

だから、カラーを勉強して、それでお客さまを呼ぼうとかゴールも決めていませんでしたね。
勉強のやり方も、ぼく一人で勉強していたわけではなくて、
うちの会社ぐるみで、みんなでカラーに取り組みました。
「これでこうしたらこうなるんやー」みたいな(笑) ある意味楽しみながら勉強しました。
基本、美容師には先生がいません。
カラー剤の配合もスタッフ同士で情報交換とか意見交換をします。
なので案外、後輩の子が良いことを思いついたりとか・・・。

美容師って料理人と似ているところがあると思うんです。
決まった材料で、同じ手順で調理をしても作る人によって味が違う。
カラーも同じものを同じ手順で配合しても細かい微調整によって、全然変わってくるんです。
ぼくたちは、みんなで情報交換をして、試行錯誤を繰り返していって、
今に至ります。



«コツコツとくさらずに每日やってやってやっていくこと»

ぼくは今もカラーの才能があるとは思いません。でもコツコツ継続する力はあります。
ベタなんですけど、
【継続は力なり】でコツコツ腐らずやっていくことが大切だと思います。
これ、何の意味があるの??と変に先回りして理由を考えるよりは
とりあえず、每日やってやってやっていくことが大事だと思います。



«新しいことにトライしたから、新しい道、新しい人生がひらけてきた»

自分が変わったきっかけって今までやっていなかったことにトライしたからなんです。
もともとうちの店は白髪染めとか、普通のカラー染めの方が多かったんです。
それを今までトライしていなかったブリーチにトライして新しいお客さまも呼べる、という今に至りました。
今では遠方から来てくださるお客さまもいます。
根本の白髪染めだけならうちじゃなくてもいいし、
「うちにくる理由」が絶対的に必要なんです。

例えば、ブリーチをしたいお客さまに「ブリーチは痛むから」と違うカラーをすすめる。
これは用心深いというより、美容師が臆病なだけだと思います。
ただ今までと変わらないパターンを重ねていくだけ・・・

講習のときにも紹介する岡本太郎さんの名言なんですけど

用心深く、いや臆病に今までの使い古されたパターンをなぞって、何になるか

という言葉があります。

用心深くというといい響きに思うけど、この言葉の場合は臆病になって今までのパターンをなぞっているだけでは進化がないよ、という意味に捉えています。
新しいことにトライしたから、新しい道、新しい人生が拓けてきたと思うので、これはすごく大切にしている言葉です。

講習でも、新しいカラーを勉強する時に、「わたしには無理」「うちはちょっと・・・」という人にはこの言葉をお伝えしています。



«自分、美容師に向いてないな・・・て思うときが絶対にあるんですよ。その時に思い出してほしい言葉»

うちの社長がかけてくれた言葉なんですが、
「あなたの親は、あなたが一番の美容師だって思っているよ」
という言葉なんですね。
やめたいな、って時に自分を支持してくれるお客さまもですし、
“あんたはいい美容師になるよ”、ってきっと親も信じて応援してくれてると思うから、
自分勝手に「向いてないな・・・やめようかな・・・」って思わないようにしてほしいと思います。
一度辞めたぼくが言うんですから。(笑)

ぼくは美容師になって18年目ですけど、実は楽しいなって思っているのはここ3年くらいです。
それまではちょっと苦しいと思うことが多かったんです。
それは、自分が行動していなかったから。
美容師になってスタッフ同士わいわい仲良くするのもいいし楽しいけど、
お客さまから支持される喜びとか、
全然知らないところでも「山口さんって美容師がいてね」って名前があがる。
そういう楽しみが美容師にはあるんです。

人から必要とされる人間になると、いろんな楽しみがわかってくるし、美容師として長く続くと思います。
ぼくは30過ぎてからそういう楽しみを経験したので、すごい後悔しているというか。
もし、もっと早く行動することが出来ていたら、もっと早くその喜びを感じ取る事ができたかなと思うので。

SNSを見ていると美容師3年目で僕くらいに売り上げている方もいてて。それはすごい可能性があっていいことだと思います。

だから、早く美容師としての楽しみを見つける行動をしてほしいと思います。
早く!・・・ですね。


«美容師になって18年今すごく良いループになっている»

今は遠方から来てくださるお客さまもいるし、SNSを見てくれる人も増えてきました。
だから天狗になるんじゃなくて、逆にもっと勉強して結果もだしてって、
失敗できないプレッシャーが苦しい時期もありましたけど、
今はそれをちょっと楽しめるようになってきました。

例えばSNSで嬉しいコメントをもらったりすると、また自分の活力にもなるし
すごく良いループになっているなと感じています。

一年一年が濃いんです。

コツコツ積み上げていくことを大変と思うか、楽しいと思うかというところですね。

とはいえ、ぼくも美容づけの毎日を送っているわけではありません。
スタッフの中には、美容が好きで四六時中メイクやヘアアレンジのことを考えていて、
お休みの日も撮影だったりしている人もいます。
でも僕はちがう。
子どもたちと遊ぶのも楽しいし、旅行にいくのも楽しい。
わいわいする楽しみはプライベートで、お客様から支持される楽しみは仕事で。
自分の中で「楽しい」種類を分けている感じです。



«これから美容師になるあなたへ山口真吾さんからの言葉»

努力をして結果が出ると自信になる

努力せずに結果が出ると奢りになる

努力せず結果が出ないと後悔が残る

努力して結果がでずとも経験が残る

これはネットで見つけた言葉ですが、美容師人生に当てはまるなと共感しました。

努力して結果が出ると自信になる
コレは当たり前ですよね。インスタを每日あげて、それでお客さんが来てくれるようになったら自信になります。

努力せずに結果が出ると奢りになる
例えばお店が、クーポンやキャンペーンでお客さまを呼んでくれると働いている者としては「うちの店流行ってるなー」ってただお客さまを回していくだけになってしまう。お客さまもただ安いから来てくれているだけ。技術で来てくれているわけじゃない。もったいないんです。
せっかく沢山のお客さまが来てくれる状態をつくってもらっているなら、それをチャンスと捉えて経験値を積んでいってほしいです。
一人ひとりのお客さまと向き合ってください。

努力せず結果もでないと後悔が残る
これがまさに僕の20代前半の美容師人生なんですけど、特に勉強もせず売上もあげられず、20代前半何してたんやろう?
もっと最初から動いていたらよかった。今思うとすごい後悔も残っているんです。

努力して結果が出ずとも経験が残る
これは僕が経験したのですごく納得している言葉です。
カラーの勉強を始めた時、当時はmixiが流行していて、それからインスタが流行りだして。
はじめは、スタイルを投稿してもフォロワーが増えない。
結果に繋がらない。
でもぼくは誰よりもブリーチをした自信がある。
だから経験値がある。
結果がでなくても経験値を得たと思えていて、そこから入っていくのも大事かなと思います。
初めは結果が出なくてもいい。
ひとつひとつやっていくことで経験値を貯めることが出来るから、それって大事なことじゃないかなと思っています。


そして、最後に、
周りの人のおかげで自分があるということ。
自分に期待してくれる人、自分を気にかけてくれる人、自分を頼りにしてくれる人、
いろんな人の思いが、今のぼくをつくってくれた。
周りに感謝して進んでいってください。


山口真吾
(ル・トーア東亜美容専門学校 卒業)

インスタグラム:shingohairstylist

huit8 所属
〒534-0024 大阪府大阪市都島区東野田町2-8-7 サオコマビル2F
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制作:hic





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