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門脇流留線全線開通へ 3月24日午後3時 東西沿岸部の交通円滑化

 県は25日、都市計画道路「門脇流留線」のうち、門脇工区3.4キロを3月24日午後3時に開通させると発表した。これにより石巻市の門脇から魚町まで、東日本大震災の復興交付金で整備を進めてきた7.9キロ全てが開通することになる。同線は東側で国道398号、西側は矢本門脇線経由で国道45号に接続し、東西沿岸部が大幅に行き来しやすくなる。

災害避難や救援路にも

 事業は平成24年度に始まり、令和2年秋に日和大橋東側の魚町工区(2.6キロ)、昨年7月に石巻南浜津波復興祈念公園南側の南浜工区(1.1キロ)が開通。門脇工区(4.2キロ)も部分的な供用を進め、矢本門脇線から東側の3.4キロを残すだけとなっていた。

 門脇工区は平成29年に一部着工。被災市街地であり、用地買収や他の復興事業との調整に時間を要した。北北上運河に第二明神橋(延長60メートル)、JR石巻臨港貨物線をまたぐ大街道東こ線橋(同17メートル)を建設し、石巻工業港曽波神線や石巻工業港運河線といった南北の市道と交差する。矢本門脇線と接続部では石巻港インター線に下りられる。

開通済みの矢本門脇線から先に行けるようになる

 魚町工区の本線はTP(東京湾平均海面)4.5メートル、門脇工区は3.5メートルの高さに盛られ、海岸堤防に対して2線目の陸上堤防を兼ねる。矢本門脇線(約3.8キロ)と直接結ばれることで、延長約12キロの東西交通網を形成し、災害時の避難や救援ルートの確保、地域間の交通促進、観光振興への寄与が期待される。

 総事業費は338億円で、全線片側1車線の2車線。車道幅は片側3メートルで、両側に車列があっても中央部分を緊急車両が通行できる全幅としている。基本的に高盛り土区間の本線上に歩道がなく、歩行者は側道の歩道を行くことになる。制限速度50キロで、1日約9千台の通行を見込む。県は開通日当日の午前10時から、関係者による開通式典を催す。【熊谷利勝】


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