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台風8号 石巻市付近に上陸 宮城は統計史上初めて 避難所開設 人的被害なし

 台風8号は28日朝、石巻市付近に上陸した。宮城から台風が上陸したのは昭和26年に気象庁が統計を取り始めて以来初めて。28日未明から激しい雨が降り、石巻地方では一部道路の通行止めやJR線の運休で交通網に影響が出た。正午までにけが人は確認されていないが、強風で木々が根元から折れたほか、農作物の被害も見られた。台風は北西に進み、午後には日本海側に抜け、夜にも温帯低気圧に変わる見込み。

 台風8号は中心気圧992ヘクトパスカル、最大風速20メートル、最大瞬間風速30メートルの勢力で太平洋沿岸を北上。石巻地方では大雨(土砂災害・浸水害)、洪水、暴風、波浪の各警報・注意報が出され、28日午前6時に上陸した。

 石巻市では上陸前の28日未明から大雨となり、ピークの午前2-3時の1時間降水量は19ミリを観測。最大瞬間風速は17.4メートル(27日午後11時31分)となった。

蛇田公民館避難所 (13)

避難所には日没前から住民が集まった(27日、蛇田公民館)

 台風接近に伴って各自治体では明るいうちからの備えを講じ、石巻市では27日午後4時、「高齢者等避難」を出し、市内31カ所に避難所を開設。最大26カ所に119世帯172人(28日午前1時)が身を寄せた。

 蛇田新下前沼に住む男性(84)は「家が低い場所にあり、2年前の台風19号では床下浸水で大変な目にあったので、明るいうちに避難しようと思った」と過去の経験から、早めの避難を実践した。

 避難者は雨のピークを過ぎた28日午前4時ごろから帰途に就き始めたという。高齢者等避難は同8時半に解除。避難所は同10時までに全て閉鎖された。

 一方、東松島市は27日朝に災害対策本部を置き、同日午後6時に大塩を除く各市民センターや学校計16カ所を避難所として開放。5カ所に計18人が避難した。雨が弱まり避難者が帰宅した28日午前8時に避難所を閉鎖した。女川町は避難所の開設などはなかった。

 石巻地区消防本部や石巻署などによると28日正午現在で、台風の影響で目立った被害やけが人は確認されていないが、公共交通機関に一部影響が出た。石巻線は石巻-小牛田間で一部運転を見合わせた。仙石線もあおば通―石巻駅間で一部運休し、仙石東北ラインも遅れが生じた。

台風8号倒木

強風で根元からなぎ倒された松の木(28日、石巻市の北北上運河沿い)

 また、石巻市中屋敷の北北上運河沿いでは28日朝、のり面の松の木が倒れているのが見つかった。県東部土木事務所によると強風の影響で倒れたとみられるという。

 通勤途中に発見した東松島市大曲の藤原真奈美さん(44)は「道路にははみ出ておらず通行に支障はなかったが、こんなに大きな木が倒れていたので驚いた」と話していた。【山口紘史】


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