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選択と集中の緊縮財政 求められる議会機能 石巻市議選まで3カ月

 任期満了に伴う石巻市議会議員選挙(5月22日投開票)は、15日で告示まで3カ月となった。震災復興事業は一定のめどがつき、目下の課題は少子高齢化と人口減少。これらは財政収支に大きく影響し、行政は何を取りやめ、限られたお金や人材を何に使うのかといった選択と集中を視野に入れる。一方で市民サービスが極端に低下しないよう、市議にはこれまで以上の監視機能と政策提案が求められる。

 市内人口は昨年末で13万8686人。合併時(平成17年)に約17万人だったが、震災と少子高齢化などで約4万人も減った。現在は仙台市に次ぐ県下第二の都市だが、3番目の大崎市との差は1万1800人ほど。

 大崎市より石巻市の方が減少スピードは大きく、いずれ抜かれる可能性がある。少子高齢化も顕著で、65歳以上は震災の年を除いて年々増加。0-14歳の年少人口、15-64歳の生産年齢人口は一貫して減っている。

 人口減少に加え、復興事業の収束や新型コロナに伴う経済低迷で市の歳入は減っていく予想。一方、歳出は医療、介護、子育てといった社会保障関係費や復旧施設の維持管理費、学校などの老朽化対策にかかる費用の増大が見込まれる。行財政改革は避けられず、再選を目指す現職市議は「住民理解を得ながら公共施設の統廃合を計画的に進める必要がある」と指摘する。

 合併後、市域全体の均衡ある発展を目指したが、震災もあって現実はそうなってはいない。立候補予定の新人は「復興後、石巻がどんな未来に向かうのか見えないのが課題」と話す。市議は身近な地域課題の解決に汗をかくのも大事だが、大局的な議論も必要。まちや生活を良くするため有権者である市民も学び、考える必要がある。

 石巻市議会の定数は30人で、現在は1人欠員の29人。このうち2人は任期満了で退くことを表明している。新人、元職の動きもあり、現職を含め立候補者数は38人だった前回並みになる可能性がある。【熊谷利勝】


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