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石巻にガンプラ「旧キット」専門店登場

石巻市中屋敷に、人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル(ガンプラ)を専門に扱う店舗がお目見えし、話題を集めている。40年を超える歴史を持つ同シリーズの中で、初期のプラモデルをメインに扱っており、市内外の多くのファンが関心を寄せている。塗装や改造などの相談にも気軽に応じてくれる。(渡邊裕紀)

自宅一角改装、店名はまさかの…

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店名は、ガンダムシリーズで登場する架空の複合企業の名をそのまま借りた「アナハイムエレクトロニクス社」。看板業を営む武田昭さん(45)が自宅の一角を改装し、今年4月から始めた。武田さん自身がガンダムシリーズのファンでもあり、2年ほど前から趣味でガンプラの製作を始めたのがきっかけだ。

やるならとことんやろう

「機動戦士ガンダム」と一口に言っても、シリーズは現在も続いており、作品数はとても多い。その中で、武田さんが最初に作ったのは「0083スターダストメモリー」に登場した大型の機体「デンドロビウム」。ガンプラの主流は全高13センチ前後の144分の1サイズ・HGグレードだが、この機体は全長1メートルもある最大クラスのガンプラだ。本体となるモビルスーツのステイメンはまだ組み立てていないが、大型武装ユニット「オーキス」は全塗装で真っ赤に仕上げた。ファンでさえしり込みしてしまうこのキットを最初に作るのだから、熱量は半端ではない。

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初作となった赤いHGデンドロビウム。隣のPGモデル(60分の1)と比べると、その巨大さが際立つ

石巻市内ではガンプラを取り扱っている店舗が少なく、種類も限られている。私もガンプラ愛好者だが、目当てのキットを店頭で探すのは難しく、インターネットで注文することもしばしば。特に古い年代に発売されたものは再販されているも手に入りにくい。武田さんは「ほしい商品を買うためには仙台圏まで足を伸ばすこともあった。それならば自分で仕入れようと思ったのが店を構える発端になった」と話す。

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RX―78ガンダムのキットは種類も豊富

旧キットは作り込む楽しみ

武田さんの店で取り扱うのは、昭和54年に放送された初代「機動戦士ガンダム」のキットがメイン。連邦軍のガンダム、ガンタンクなどの定番モビルスーツのほか、「木馬」と呼ばれたホワイトベースや主力戦艦のマゼランなど戦艦も充実。もちろんザク、グフ、水陸両用のゴッグなどジオン軍のモビルスーツもそろう。

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ザクレロやグワジン、ムサイなどコアなガンプラも網羅

今のガンプラは接着剤を使わず組み合わせるだけスナップフィット、1枚のランナーに数種類の色を再現する多色形成が主だが、武田さんの店は接着剤や塗装が必須で可動範囲も狭い、いわゆる「旧キット」。今のプラモデルと比べても作りやすさや精密さに欠け、多くが単色成型で色分けもされていないが、当時を知る人にとってはノスタルジーを感じる造形が魅力だ。

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「機動戦士ガンダム」の劇中で登場したパワーアップパーツ「Gアーマー」など、当時そのままのパッケージが並ぶ

改造の幅が広いのも特長で、可動軸を増やす、プロポーションを整える、ディテールを追加するなど多彩なアレンジが模型製作の腕試しにもなる上、価格も300円台からと安価で愛好者も多い。

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武田さんの作ったリックドム。モノアイや関節など改造を施し、ブラシ塗装も美しい。

武田さんの作ったリックドムは、一体成型されている頭部を切り離して別パーツ化。関節の可動部もプラ棒などで作り込み、こだわりが伝わる完成度。これまでも多くのキットを手掛け、店には高い人気を誇る「シナンジュ」や「サザビー」のほか、多くの完成品が並ぶ。

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ν(ニュー)ガンダム、サザビーの旧キットも

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ズゴック、ゲルググも旧キットとは思えないほど手が加えられている

看板屋だけに塗装は腕の見せどころ。エアブラシで丁寧に仕上げており、同じ赤でも重ね塗りの下地や色調の違いで見栄えも大きく変わってくるのが分かる。製作に1カ月近くかけるものもあり、完成した時の達成感もひとしおだ。

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エアブラシはエントリーモデルだが、塗装技術の高さは看板業ならでは

趣味で広がる世界観

「趣味が高じて店を持つことになった。プラモデルを作る楽しさを伝えていければなによりで、もうけは考えていない」と武田さん。本人も根っからのガンダムシリーズ、ガンプラ好きで、私も取材を忘れて登場する機体の話や改造の方法などで盛り上がった。石巻市内にもガンプラ好きは多く、趣味として楽しみながら販売もしてくれる個人の存在は、とてもありがたい。

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スライクフリーダムは武田さんお気に入りMSの一つ。主人公機らしいかっこ良さとバックパックのデザインが秀逸

ガンプラの仕入れ数量に限界があり、お目当てのキットが品切れの場合もあるが、同店では今後の再販を確認しながら種類を増やしていく。人気の高い「MSV」シリーズも再販されれば入荷していくという。

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「趣味でつながる人が広がれば」と自宅を改装した店舗で販売する武田さん

本業の看板製作で外出しているときもあるので、事前に電話(080―2833―2772)すると対応も万全だ。模型に興味のある人、ガンダムシリーズが好きな人におすすめの石巻のディープなスポットだ。

▼ガンプラ専門店アナハイムエレクトロニクス社

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