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あす開幕 石巻川開き祭り 夜は3年ぶり花火大会 感染対策、にぎわい両立

 花火大会をはじめとした主要行事が3年ぶりに復活する第99回石巻川開き祭り(実行委員会主催)は6、7日に市中心部で行われる。東日本大震災後7月31日と8月1日に固定していた開催日は今年、8月第1土曜と日曜に変更。見物も行事参加もしやすくなるが、新型コロナの感染が再び急拡大している状況。完全復活とはならず、来年の節目へにぎわい再生と感染対策の両立を目指す祭りになりそうだ。

 大正5年に始まった石巻川開き祭りは江戸時代に北上川を改修し、港を開いて石巻発展の礎を築いた川村孫兵衛翁への感謝が原点。コロナ禍のおととし、昨年と集客行事は見送られ、関係者による祭典行事のみが行われた。今年は感染対策を講じ、規模を縮小して実施することになった。

 歩行者天国となる中央から立町にかけた大通りで、孫兵衛ゆかりの縄張神社奉納大縄引き大会や3カ所でのダンスを披露するアクアカーニバルを実施。7日は小学校鼓笛隊パレードものうはねこ踊りなどがあり、大漁踊りで締めくくる。

 2日間通じて石巻商工会議所に「おまつり広場」が開設され、ダンスや歌謡のステージがある。開北橋下流では手こぎボートの孫兵衛船、ミニ孫兵衛船競漕が繰り広げられる。

 花火大会は石巻大橋下流で6日午後7時30分から。震災供養と疫病退散を願って約6千発を打ち上げる。花火に先立っては震災慰霊祭や孫兵衛翁報恩供養祭があり、川面に約2千個の灯籠が浮かべられる。

 感染対策を講じた祭りとし、陸上行事や花火会場の主な入口に手指消毒や検温、観覧者登録に協力を求めるテントを設置。熱中症予防の水分補給を除き、食べ歩きや花火、パレードなどの観覧時の飲食も遠慮してもらう。


中心市街地で交通規制 6日夜 石巻大橋通行止め

 石巻川開き祭りの6、7日、石巻市中心部で交通規制される。特に6日夜は花火大会で内海橋、石巻大橋とも午後10時まで通行できず、石巻かわみなと大橋などへの回り道が必要になる。

 陸上パレードのコースとなる立町大通りやアイトピア通り、中央一大通りとその周辺は6日が午前10時から午後10時まで、7日が午前9時半から午後8時半まで歩行者天国。かわまち立体駐車場は使えず、実行委員会は規制区域外の有料駐車場や公共交通機関での来場を呼び掛ける。

 6日の花火大会に伴い、右岸の住吉町、左岸の八幡町、不動町で午後6時半から通行規制される。西中瀬橋は立ち入り禁止。車両通行止めとなる内海橋は歩いて渡れるが、石巻大橋は車両、歩行者とも通行止め。牧山トンネルは片側通行になる。

 花火大会用に無料駐車場が用意され、セイホクパーク北側400台、石巻地区消防本部となりの大橋地区300台、住吉中学校100台、県石巻合同庁舎跡地400台、湊小学校100台、湊こども園近くの中瀬公園八幡町駐車場46台、市総合体育館第2駐車場42台。石巻線、仙石線は臨時列車が運行される。


頑張った成果で感動を 小学校鼓笛隊
街なかパレードへ練習

 石巻川開き祭り陸上行事の最大の呼び物である小学校鼓笛隊パレードは7日、新型コロナの感染対策で、午前と午後に分けて行われる。昨年、おととしと中止になり、3年ぶりに元気な演奏を届けようと、各校で練習に励んできた。

 鼓笛隊パレードは旧市内の15校が参加し、石巻小から立町通りまで約1キロを歩く。午前は蛇田、中里、向陽、湊、釜、貞山、渡波の順、午後は開北、万石浦、稲井、大街道、山下、住吉、鹿妻、石巻の順に出発。沿道の保護者が密にならないよう、10分の間隔でパレードする。

全員が初めてとなる川開きでの演奏へ練習に励む住吉小児童(4日)

 住吉小鼓笛隊は4―6年生42人で全員が初めての参加。4日は本番の出発時刻である午後3時15分に合わせて校庭に集まり、隊列を確認した。同校出身の作曲家、和泉耕二さんが校歌をアレンジした「住小行進曲」と「鉄腕アトム」の2曲で太鼓や鍵盤ハーモニカの音を響かせ、特に曲と曲のつなぎがスムーズにできるよう練習していた。

 鼓笛隊パレードはおととしが中止、昨年は各校での映像の収録のみ。そうした中でも鼓笛隊の伝統が引き継がれ、全体での練習や発表の機会が限られる中、児童たちは自主練習に励んできた。

 指揮者の伊藤和奏さん(6年)は「最初で最後の鼓笛隊パレード。頑張った成果を出したい」と話し、もう一人の指揮者の三浦紗稀さん(6年)も「皆さんに感動してもらう演奏にしたい」と張り切っていた。
【熊谷利勝】




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